建築用語集

天伏図

天伏図

天伏図(てんぶせず)は、天井を下方から見上げた図面で、照明や空調、防災設備、点検口などの配置を示す図です。床面を見下ろす平面図とは異なり、天伏図は「逆視点」で天井面の情報を整理し、設計意図や設備のバランスを視覚的に伝えます。この図面には、照明器具の種類や配置、天井仕上げ材、火災報知器、換気口、点検口などの詳細が記載され、施工業者間の調整や美観・機能性の両立に役立ちます。

特に複数業種が関わる天井施工では、天伏図による「機器配置の交通整理」が不可欠であり、作図の順序や凡例の明示も重要です。近年ではCADやBIMを活用した天伏図の作成が一般化し、施工精度と設計意図の共有を支える図面として位置づけられています。

  • 天井伏図

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<監修>

  • 塩野 良 (しおの まこと)

    ■資格
    一級建築士、管理建築士

    1979年生まれ。一級建築士事務所シオノマコトアーキテクツ代表。東洋大学工学部建築学科卒業後、総合建築設計事務所にて教育施設・福祉施設・住宅・店舗・オフィスビル・機械製作工場など、幅広い用途の建築設計・監理業務に携わる。

    現在は医薬、飲料・食品プラントエンジニアリング会社にて、建築設計から施工管理までを担当し、全国各地の様々な工場立ち上げに関与。
    実務経験を通じて、機能性を重視した意匠性の高い空間づくりを追求している。

    個人事務所では、これまでの経験を活かした執筆活動から、住宅設計やリノベーション、移動式住宅の設計、工場敷地の遵法化調査・是正提案なども手がけ、クライアントの多様なニーズに寄り添った提案を心がけている。

    人と環境にやさしい建築を目指し、ユーザーの視点を大切にした設計を信条としている。ユーザーの日々の暮らしに寄り添い、喜んでもらえる建物をつくることが、建築士としての喜びであり原動力となっている。