【特集】
音を知る

音のことをどれだけご存知ですか?
音を知れば、暮らしはもっと快適になります。
知れば知るほど奥深い、音のヒミツを徹底解剖します。

音を知る

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家を建てる前に知っておきたい

気になる音

本当に気になるのは「家族や自分が立てる音」だった!?

隣人や隣家からの音よりも「自分の家の中で、家族や自分が立てる音」が気になる人が多いことが分かりました。
自社調査では「家の中で、家族や自分が立てる音」が最も気になる音の半分近くを占め、その次に「戸外から聞こえる音」「室内に響く音」という結果になりました。

  • ●生活環境における「音」について(自社調査)

    約40%の人が家の中の音や響きを気にしています。

家の中で、最も音を何とかしたい場所は…?

リフォームするなら、少し余分にコストをかけてでも積極的に生活音を解決したい人が多いことも判明。
具体的な場所は「ドア・引戸・窓の開閉音」が最も多く「掃除機をかける音」「テレビやラジオの音」が続きました。
他にも「子どもが走り回る音」「換気扇の音」「食器洗浄機の音」などが挙げられています。

  • ●リフォームするならコストをかけてでも改善したい「音」について(自社調査)

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音の単位

Hz(ヘルツ)とdB(デシベル)

Hz(ヘルツ)とは

「音」には“低い音”や“高い音”があります。この音の高さを表す単位がHz(ヘルツ)です。

音は1秒間でおおよそ340m空気を震わせながら進みます。この間に、空気が震えた回数を「周波数」といいます。この周波数を表す単位がHz(ヘルツ)です。

空気が震えた回数が多い(数値が大きい)ほど高い音
空気が震えた回数が少ない(数値が小さい)ほど低い音

空気が震えた回数

dB(デシベル)とは

「音」には“小さい音”や“大きい音”があります。この音の大きさを表す単位がdB(デシベル)です。

音の大きさは、振動のパワーです。

音が大きい(パワーが大きい)ほど数値は大きく、
音が小さい(パワーが小さい)ほど数値は小さくなります。

例)シーンで例えると

  • 静か

    40dB
    閑静な住宅地

  • 普通の音量

    60dB
    普通の声

  • 大きい音

    80dB
    ボーリング場

  • うるさい

    100dB
    電車が通るときのガード下

巷の騒音で一番うるさいのはどれ?

環境音と人の声のお大きさ

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防音とは

「遮音」「吸音」「制振」「防振」

遮音とは

音漏れを小さくすることです。

制振とは

振動を起こさないようにすることです。

吸音(調音)とは

音の反射を小さくすることです。

防振とは

振動を他に伝えないようにすることです。

防音図解

遮音の性能は計算できる?

●「遮音」効果は引き算で計算できます。

いろいろな音のある中で快適に暮らすには、音を「入れない」「出さない」ことが大切です。比較的快適で静かに生活できるのは40dB~50dB程度までですから、それ以上の音が周りにあるとき、あるいはそれ以上の音を発する部屋には、適切な遮音構造で音を遮っておきましょう。

●数字(dB)での遮音効果の説明

同じ遮音効果をもった部屋でも用途や人の感じ方によって、満足いただけるケースとそうでないケースがあります。それを少しでもなくして事前にご理解いただくために、DAIKENでは遮音の効果を必ず数字(遮音性能)で提示しています。

シアター室外で聞こえる音のレベル
  • 遮音性能は開口部を除く500Hz時の目安で、現場の性能を保証するものではありません。

2倍で4倍?遮音と費用のホンネ

●遮音性能を2倍にすれば、費用は4倍になります。

放送局のスタジオのように、ほぼ完璧な防音ルームをつくることも不可能ではありませんが、防音は予想以上にお金がかかることも事実。一般に建物の遮音性を5dB(約1.4倍)上げようとすると、その費用は約2倍になるといわれています。したがって、10dB(2倍)の遮音性能を得るには実に4倍もの費用がかかります。どの部屋を、どのレベルの遮音設計にするか、特にハイレベルな遮音をお望みの場合は、慎重にご検討することをおすすめします。

遮音と費用の本音

遮音構造によるコストアップ例

コストアップの図解

1に遮音、2に吸音、3に音響コントロール

一般に、防音と遮音は同じ意味で使われ、音を通さないことが防音だと考えられています。しかし、実際は異なり、音を通さないことを示す遮音と室内の音の響きをコントロールする吸音を併せて防音といいます。お部屋の遮音性能だけを高めると、部屋中に音がビンビン響いてしまい、長時間滞在すると生理的な苦痛を感じてしまいます。快適な住まいづくりの防音は、遮音だけでなく、室内の音の響きにも配慮した吸音が大切です。特に、専用の防音室をつくる場合は、室内にただ吸音を施すのではなく、用途に合わせて吸音材料を選定する音響コントロールが大切になります。
※音響については、こちらもご覧ください。

遮音、吸音、音響コントロールを
考えていない部屋

音がビンビン響く

遮音、吸音、音響コントロールを
考えた部屋

快適に

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音の伝わり方

空気音と固体音

空気音(空気伝搬音)とは

空気中を伝わって耳に届く音のことです。

たとえばこんな音

人の話し声

テレビの音

ピアノの演奏音

固体音(固体伝搬音)とは

床や壁などの固体を伝わって聞こえてくる音のことです。

たとえばこんな音

上階からの音

ドラムの演奏音

家の中で感じる音

伝わり方によって音は2種類に分かれます。
伝わり方が違うものなので、防ぎ方も異なります。
遮りたい音がどんな音なのか、初めからしっかり見極めておくことが重要です。

空気音

【たとえばこんな音】

ジェット機の音、自動車の音、楽器の音、人の話し声…etc.

固体音

【たとえばこんな音】

2階の足音やスピーカーの振動音、電車やトラックの振動、トイレの排水音…etc.

※空気音、固体音対策についてはこちらをご覧ください。

家の空気音と固体音

屋内の空気音も固体音もしっかりと遮るために、DAIKENは様々なプランをご用意しています。

※ただし、車や電車から発生する様な固体音(振動)については対応できません。

住まい設計の秘訣 空気音と固体音を防ぐ

空気中を伝わって耳に届く「空気音」と、床や壁などの固体を伝わって聞こえてくる「固体音」は、防ぎ方が異なります。
どんなことに気を付けて住まいを設計すればいいのか、その秘訣をご紹介します。

空気音を防ぎたい

  • より重く、より厚い材料を選ぶ
    より重く、より厚い材料を選ぶ

    天井や床、壁の遮音性能は、使用材料の単位面積当たりの質量によって決まり、重ければ重いほど遮音性能はアップします。

    壁の重量アップによる遮音性の向上
    スキ間をなくす
    スキ間をなくす

    音は空気の振動ですから、空気の通るスキ間があると、そこから音が漏れてしまいます。ドアや窓のスキ間、天井・床・壁の取り合い部のスキ間、換気口など、音の通り道になる箇所は確実に対処することが肝心です。

  • コインシデンス効果(共振)を防ぐ
    コインシデンス効果(共振)を防ぐ

    重くて硬い材料には、コインシデンス効果と呼ばれる、特定の周波数になると遮音性能が低下する弱点があります。これを防ぐポイントは、各種材料を複合して使うこと。材質によってコインシデンス効果が起こる周波数が異なるので、複数の材料を組み合わせることで、遮音性能の低下を抑えることができます。

    壁や窓を二重にする
    壁や窓を二重にする

    遮音性能を上げるためとはいえ、むやみに壁を厚く、重くするわけにはいきません。そこでおすすめするのが、壁や窓を二重にする「多重構造」。2枚の壁の間の空気層が遮音を手助けしてくれるから、1枚の壁を厚くするよりも高い遮音性能を発揮できます。

    一重壁の遮音効果

固体音を防ぎたい

  • 構造を強くする

    建物自体の強度もまた、固体音の防音に関係があります。構造が強いほど、遮音性能もアップするので、木造よりもコンクリート造のほうが遮音性が高いといえます。木造住宅においては、梁や根太を太くするなどして構造の強度を高めることをおすすめします。

    構造を強くする
  • クッション性のある材料を使う

    足音や落下音を防ぐには、カーペットや木質フロアの下地にクッション性のある下地材を敷き込むのが効果的です。

    クッション性のある材料を使う
  • 浮き床にして、構造体と離す

    非常に高度な遮音が必要な場合には、床の下に防振ゴムを置いて建物から浮かせる「浮き床構造」にして、固体音の伝わりを軽減する方法もあります。この方法は、2階床から発生する空気音にも有効です。

    浮き床にして、構造体と離す
防音床材の性能

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リビングの快適を左右する

残響時間

音の響きをコントロールすればリビングは快適に!

響きを抑えるには室内の吸音力を上げる必要がありますが、ただ吸音すればよい、というわけではなく、聴き取りやすさを考慮した最適な残響時間に設定する必要があります。

右のグラフは、水準ごとの残響時間について、横軸を残響時間としてプロットし、最適残響時間との関係を比較したものです。水準④クリアトーンを施工した場合の残響時間が、最適残響時間の範囲に納まっています。
※部屋の条件 広さ:約9.2畳 天井高さ:2,430㎜
※残響時間の数値は、500Hz帯域の値を表示しています。

■実験に使用した水準ごとの残響時間について

リビングの快適を左右する「残響」って?
倉片憲治先生

倉片 憲治 先生
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人間情報インタラクション研究部門 客員研究員

室内の最適残響時間については、部屋の容積や用途によって様々な推奨値が定められていますが、これまでは特に、音楽ホールや学校、講堂、視聴覚室、といった比較的容積が大きく、収容人数の多い室に対しての研究が行われてきました。今回の実験は、「一般住宅のLDK」をターゲットとした小空間での評価ですが、最適残響時間という考え方が、一般住宅にも十分当てはまるという結果が得られています。誰でも体感できる「LDKの音の響き」を、よりよくするために内装仕上げにもこだわる。それがこれからの住宅のスタンダードになりそうですね。

(参考)主観評価の結果と残響時間の対応

  • 主観評価の結果と残響時間の対応
  • 左のグラフは、会話(男性の声、女性の声)の聴き取りやすさに関する実験結果について、横軸を残響時間、縦軸を被験者の評価としてプロットしたものです。今回の5つの水準では、水準④のクリアトーンを施工した場合に、聴き取りやすさの評価が相対的に高い、という結果が出ました。

[主観評価実験について](自社実験)

■ 実験の目的
一般的な天井仕様の空間と、クリアトーンを施工した空間では音の聞こえ方(残響感)が異なります。クリアトーンを使用した場合に、どのくらいTVや会話の声の聴き取りやすさに関する改善効果があるか、主観評価実験によって確認を行いました。

■ 実験方法
◇被験者:聴力に異常がないと思われる20~50代の男女24名
◇音の種類:会話(男性、女性の声)
◇水準:5水準について、響きの違いによる聴き取りやすさを評価。

  • 水準① 石膏ボード(ビニルクロス仕上げ) 空間想定
    水準② 石膏ボード(ビニルクロス仕上げ) 実生活想定
    水準③ 一般ロックウール天井材
    水準④ クリアトーン
    水準⑤ 吸音過多の場合
  • ※1 空間想定とは、LDK内に家具等が配置されていない状態です。
    ※2 実生活想定とは、LDK内に家具(テーブル、ソファ及びカーテン、カーペット)を配置した場合を想定しています。
    ※3 吸音過多の場合とは、最適残響時間の範囲よりさらに残響時間が短い状況です。

◇評価方法:実験を行う部屋の響きや暗騒音が影響しないように、ヘッドホンを通して音を視聴。視聴前には、LDKでTVを見ている、あるいは会話をしている、といった状況を説明し、被験者に音のイメージを持っていただいた。
5つの水準のうちランダムに2つの水準を視聴し、1つ目の音に対して2つ目の音がどれだけ聴き取りやすくなったか、という比較評価とした。

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ストレス軽減の効果が期待できる

室内の快適な音環境

新しいリビングなのに子どもが不機嫌…
そんなことはありませんか?

床が木質フローリングの場合、室内に音の響きが残ってしまう、いわゆる「残響音」が多く発生し、話し声や生活音が不快な聞こえ方をしてしまいます。一般のクロスに比べて3~5倍の吸音性能を発揮するクリアトーンは、ロックウール繊維の絡み合いにより形成された空隙が音を適度に吸収して、快適な音環境を得ることができます。

  • 室内の残響時間は0.5秒前後(0.4秒~0.8秒)が理想とされています。(20畳の場合)

■残響時間シミュレーション比較(吸音率測定結果より算出/床はフロア仕上げ)

一般のクロス仕上げ天井

●残響時間:約1.4秒/500Hz(20畳の場合)

DAIKENの吸音天井材
「クリアトーン」

●残響時間:約0.6秒/500Hz(20畳の場合)

育児の場と音環境

畳など吸音性のある内装仕上げ材が減り、室内の生活音が反響しやすくなっている現在の日本の住宅事情。
育児の場でも、音の反響の大きい室内では、赤ちゃんの泣き声でお母さんがストレスを感じやすい傾向にもあります。
内装仕上げ材に吸音材を使用することで、音の反響を抑え、お母さんのストレスを低減する効果が期待できます。

美しい音、心地よい音の響きを楽しむ部屋づくりの秘訣

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