防音建材が三井不動産レジデンシャル:
パークアクシス板橋MUSE(全戸防音賃貸マンション)にて全面採用

三井不動産レジデンシャル株式会社は「パークアクシス」シリーズにて「上質な都市時間を、何度でも。」をコンセプトに多くの賃貸レジデンスを提供してきました。
2023年、パークアクシス板橋MUSEではシリーズ初となる全戸防音賃貸マンションを企画。24時間楽器演奏可能をうたい、「住まう方が自由に、いつでも、気兼ねなく、演奏できる音とともに暮らすレジデンス」が完成しました。
徹底した防音・遮音性能を支えたのは、大建工業の防音建材と設計協力でした。遮音パネル12.5、吸音ウール、DADユカEマット、遮音マットS09、防音ドア[アドバンス(A)防音タイプ]が全住戸にて全面採用となりました。採用経緯について三井不動産レジデンシャル株式会社様に話を伺いました。
お話を聞いた方

左より
三井不動産レジデンシャル株式会社
事業創造部 事業室
主査
小島 純治 氏
三井不動産レジデンシャル株式会社
事業創造部 事業室
主任
吉田 美里 氏

■しっかりとした防音性能のマンションが少ない現状
―全戸防音の賃貸マンションを企画した経緯は?
ライフスタイルの多様化に対応したマンションづくり、という会社方針があり、様々なリサーチを進めていました。その中で防音マンションを望む声が多い状況が見えてきました。同時に楽器演奏可のマンションは多く存在するものの、防音性能が十分でない、夜間は演奏NG、などの実情が浮かび上がってきました。
そこで、しっかりとした防音性能で夜中でも気兼ねなく自由に音が出せるマンションがあればニーズに対応できるのでは、と思ったのがきっかけでした。
■目指したのは24時間グランドピアノを演奏できる空間
―目指した防音性能は?
アンケート調査から防音マンション居住者の半数近くがピアノ演奏者でグランドピアノを保有していることがわかりました。そこで、「24時間グランドピアノを演奏できる空間」を防音コンセプトにすえました。具体的にはグランドピアノの最高音量を約100dBと仮定し、隣の住戸でその音が約35dBまで低減できれば、24時間演奏可能と判断し、防音設計をしました。騒音目安として約40dBが図書館内とされているので、約35dBは体感的にほぼ気にならない程度の音と言われています。
■浮き工法によるしっかりとした防音空間の確保
―防音の設計ポイント、建材選定は?
住戸間で65dB相当の低減をはかるには、通常のマンション設計と比較し、床壁天井の設計を全面的に見直す必要がありました。設計主旨としては浮き工法と呼ばれる手法を採用しました。浮き工法とは住戸の各部屋を主体構造(建物躯体)から弾力性のあるゴム等で支持することで振動や音の伝導を遮断・防止する工法です。
*下図参照

戸境壁はRC造とすることで、重低音の音抜けにも配慮しています。また、最高等級T-6等級相当の遮音性能を誇る二重サッシを採用し外部への音漏れを最大限低減しています。

■大建工業の提案力、製品選択肢の多さが決め手に
―大建工業の防音建材の採用箇所は?
大建工業さんは設計提案が非常に丁寧で助かりました。通常の賃貸マンションとは異なる設計上、管理上の問題を予測して、解決案を提示してくれました。採用箇所は以下の通りです。

壁・天井・扉部分
遮音パネル12.5と吸音ウールを採用。遮音パネル12.5は石膏ボードと突起付制振マットを積層した12.5㎜厚のクロス仕上げ用遮音下地材。吸音ウールは防音建材の遮音性能、吸音性能を確実に発揮させるため空気層に充填する吸音材です。組み合わせることにより、遮音性能が高い壁・天井を実現しました。また、扉には防音ドア[アドバンス(A)防音タイプ]を採用しました。防音性能はもちろん、やわらかい風合いのデザインが上質感にマッチしました。


床部分
DADユカEマットと遮音マットS09を採用。で楽器演奏時の音はもちろんのこと、足音などの床衝撃音の改善にも有効なマンション用二重床システムで防音対策をほどこしています。

大建工業さんは長年お世話になっている信頼の厚い会社で、今回の防音設計においても防音計算やデータ提示など労力を惜しまず協力してくださりました。結果、期待通りの防音性能が実現できました。吸音材や防音扉など建材メーカーならではの製品選択肢の多さでこちらの細やかなニーズに対応してくれる点がとてもよかったです。

―入居者様の反応を教えてください
入居前にモデルルームで防音性能を体感し、その性能の高さに感動して申し込みしてくださった方が多数いました。今では音楽関係のプロから、音大生、趣味で楽器演奏される方まで幅広い方に入居いただき、予想以上の反響に驚いています。
入居者の中には防音性能はもちろんのこと、三井不動産レジデンシャルの「パークアクシスシリーズ」の上質で高級感のある空間にご満足いただいた方もいました。

―今後の展望を教えてください
三井不動産レジデンシャルでは今後も防音マンションはじめ、多様化するライフスタイルのニーズに合わせたマンションづくりを目指しています。大建工業さんは弊社のこだわりを理解し、クオリティを追求した快適な空間づくりを一緒に目指していただけると感じています。
採用部材
防音建材・音響製品
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防音建材・音響製品
FAQ・お問合せ
- よくある質問
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- 遮音シートを床に使用して、防音効果がありますか?
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遮音シートを床に使用しても、ほとんど防音効果は期待できません。木造戸建住宅であれば遮音マット等を、マンションであればオトユカベースN・オトユカベースSをご使用ください。
- 防音用施工部材「気密遮音コーキング」は普通のコーキングとどこが違いますか?
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時間が経っても肉痩せしにくい材質を用いて、経年変化による隙間が発生しにくくしています。また、ある程度比重を高く設定し、遮音性能を損なわないようにしています。
- 音響壁材オトカベS-3を使うのですが、仕上は布クロスでなければダメですか?
-
必ず布クロスで仕上げて下さい。
表面にビニルクロスを張ってしまうと、クロスが音を反射させてしまい、オトカベS-3の特長である吸音性能が発揮できなくなります。 - 防音用施工部材の吸音ウールの素材は何ですか。
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素材はPET繊維です。ペットボトルと同じ素材です。断熱材ではありませんのでご注意ください。また、不燃材料の認定も取得していません。
尚、2022年6月21日に、公共商業施設施設向けにグラスウール基材の不燃吸音材「吸音ウールF」をラインナップしています。 - 遮音下地を施工する木造の2階に、床暖房を設置したいのですが、遮音マットや床コンビボードの上に施工できますか?
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遮音マットの場合は、遮音マットの上に合板12mm厚を捨て張りし、その上に床暖房を設置してください。
床コンビボードは、床暖房の熱により変形し、目隙や床鳴りが発生する場合がありますので、施工できません。
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