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部屋の防音対策 音漏れは換気口・通気口をチェック! 高気密・高断熱住宅にも対策は必要?

部屋の防音対策 音漏れは換気口・通気口をチェック! 高気密・高断熱住宅にも対策は必要?

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。



を閉めていても外の音が気になる」「部屋から声が漏れないようにする方法を知りたい」という方は多いのではないでしょうか。室内外の音は、日々の暮らしの快適性を大きく左右します。とりわけ高気密・高断熱の家では思わぬ音が気になる場合があるかもしれません。
今回は、暮らしの中で生じる音問題の簡易的な対策のほか、換気口・通気口にスポットを当てた防音方法をご紹介します。

部屋の防音対策は必須! 音配慮の重要性

快適な住まいをつくる際には、音への配慮が欠かせません。生活していると何かしらの音はどうしても発生するものですが、「隣の部屋がうるさい」といったご近所トラブルは少なくありません。環境省の調査によると、全国の自治体には騒音に関する苦情が2023年だけで1万9890件も寄せられています。

※出典:「令和5年度騒音規制法等施行状況調査報告書」(環境省水・大気環境局環境管理課環境汚染対策室)

近年、コロナ禍を契機としたテレワークの普及により、人々のライフスタイルが大きく変化しています。日中でも自宅にいる人が多くなると、外から聞こえてくる音が気になって仕事に集中できないといった問題も発生するようになりました。工事の音や車の通過音、近所から聞こえる立ち話の声や子どもの遊ぶ声、ピアノの練習音、近隣で飼っている犬の鳴き声など、家にいると様々な音が耳に入ってくるものです。

小さなお子様やペットがいる家庭はどうしてもにぎやかになりますし、お友だちを呼んでホームパーティなどを楽しみたいときもあるでしょう。ご近所とスムーズなお付き合いを続けていくためにも、暮らしの中での音について改めて見直す必要があるかもしれません。

寝室の防音リフォームについては、ぜひ下記の記事もご参照ください。
関連記事⇒「防音対策で騒音ストレスを低減! 防音リフォームで寝室を快適に

高気密・高断熱の住宅なら防音対策は必要ない?

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最近は高気密・高断熱の住宅が増えています。こうした住宅は音が漏れにくいという印象を持っている方もいるかもしれませんが、高気密・高断熱の住宅は防音対策が必要ないのでしょうか。それぞれのつくりをおさらいして、防音対策の必要性について解説します。

●高気密・高断熱住宅の“気密性”と“断熱性”とは

気密性とは、隙間を少なくして空気の移動を抑える性能のことです。また断熱性とは、熱の移動をどれだけ遮断できるかという性能を指します。

通常、熱は温かいところから冷たいところへ移動しますが、断熱材を用い、隙間を少なくした高気密・高断熱の住宅では、室内の温度を一定に保ちやすくなります。

●高気密・高断熱住宅の防音性

高気密・高断熱の家は隙間が少なく空気の出入りが少ないので、話し声や音楽、テレビの音のような空気を介して伝わる“空気伝搬音”の漏れはある程度抑えられます。しかしその効果は、一般的な住宅と比べてやや高い程度です。

高気密・高断熱住宅の建材には、防音・吸音の効果を持つ素材が使われているケースもありますが、その効果は一般的な生活音を防ぐ程度だと考えたほうがよいでしょう。ほとんどの場合、ホームシアターが出す音や楽器の演奏音など、大きな音の防音には不十分です。これらの音に対する防音効果を希望する場合は、高気密・高断熱住宅であっても専門的な防音対策が必要です。

また、や壁などを伝わる足音、物の落下音などの固体伝搬音に関しては、気密性や断熱性とは無関係のため、固体伝搬音専用の防音対策をしましょう。

固体伝搬音については、ぜひ下記の記事もご参照ください。
関連記事⇒「“床の防音”対策! マンションでも子どもの足音を軽減できる効果的な方法を教えて!

●高気密・高断熱な家の内部における反響音問題

隙間が少ない高気密・高断熱の家では、音が外に逃げにくいだけに、家族同士の会話が聞きとりづらかったりと室内での反響音が問題になることがあります。テレワークではオンライン会議をすることもあり、反響音が大きいと在宅勤務に支障をきたしたりするかもしれません。

こうした場合は、吸音性のある建材を導入すると、ある程度反響音を抑える効果が期待できます。

関連記事⇒「部屋の防音に“吸音”する天井材を! 生活音と反響音によるストレス対策にも有効!

●換気口からの音漏れ問題

現在の高気密・高断熱の家には24時間換気システムの設置が義務付けられており、その換気口から音漏れが発生するケースもあります。

日本で高気密・高断熱の家が広がり始めた当初は、換気への配慮が行き届かない場合もあり、家の中に閉じ込められた化学物質によるシックハウス症候群などが問題視されました。気密性が高く、空気の出入りが少ないことは、高気密・高断熱住宅のメリットでもあり、デメリットでもあったのです。

現在は換気に必要な換気口の設置が義務付けられていますが、その結果、換気口に対する防音対策が求められるようになりました。その対処方法については後述します。

部屋から声が漏れにくい方法は? インテリアの配置で簡易的な防音対策を

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では部屋から声や音を漏れにくくするにはどうすればよいのでしょうか。もちろん壁や天井、床、窓などに防音用の建材を使えば防音性能は上がります。しかし大規模なリフォームは時間も費用もかかりますので、まずは簡易的な防音対策を試してみてはいかがでしょうか。部屋のインテリアを変えたり家具の配置を工夫したりといった、比較的簡単に行える防音対策をご紹介します。

・クローゼットや本棚を音が気になる壁側に配置する

壁側に背の高い大きな家具を置くと、部屋の遮音性が高まります。クローゼットや本棚であれば中身をいっぱいにして、その効果を高められます。また、クッション性のあるソファなどの家具を増やせば、音の響きを低減させられるでしょう。

・家具を壁から少し離して設置する

音は家具から壁に伝わって響くことがあるので、家具やベッドは壁にぴったり付けず、壁から数cm離しましょう。家具と壁の間に空気の層が生まれて音が伝わりにくくなります。

・床に防音マット・防音カーペットを敷く

足音を低減させるには、防音マットや防音カーペットを敷くのも有効です。

・窓に遮音カーテンを設置する

カーテンを遮音カーテンに変更すると、簡易的な防音対策になります。遮音カーテンには特殊な加工がされており、音を吸収して音漏れを低減し、外からの騒音もある程度防ぐことができます。

家のどこから音漏れしている? 部屋の防音対策で気がつきにくい場所とは

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家には音漏れしやすい場所、外からの音が入りやすい場所があります。どこから音が出入りしているのかを知っていれば、さらに効果的な防音対策が行えます。音漏れの原因になりやすい4か所と、その箇所で行える防音対策をご紹介します。

① 音漏れしやすく、外の騒音も入りやすい“開口部”

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音漏れが最も起こりやすい場所は、窓やドアのような開口部です。窓の防音対策として効果的なのは二重窓(内窓)です。二重窓にすると外窓と内窓の間に空気の層ができることで、外気の温度や音は伝わりにくくなります。窓を取り替えなくても、窓の内側に専用のサッシを取り付けるだけで設置できる製品を選ぶと、より手軽に防音対策ができるでしょう。

二重窓は音漏れを軽減するだけでなく、家の断熱性を高める効果もあります。住まいの暑さ・寒さの悩みも同時に改善できるでしょう。

② “壁”が薄いと隣の部屋がうるさく感じる音問題が発生

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壁が薄い建物の場合、内部の音が外に漏れやすく、外の音も聞こえやすいという問題点があります。特にマンションやアパートでは、生活音が原因で隣人とのトラブルに発展することも少なくありません。
壁の厚さを変えるのは簡単ではありませんが、吸音材や遮音シートを貼る、壁側に大型の家具を置くといった方法である程度対策ができます。

③ 屋外に通じている“レンジフード”

キッチンのレンジフードは常に屋外空間とつながっているため、窓やドアを閉めていても音が出入りします。
換気口・通気口・ダクトに取り付ける“防音スリーブ”や“防音チャンバー”、吸音材付きで防音性の高いレンジフードに交換するなどの方法で、音の問題を軽減させることが可能です。

④ 屋外への音漏れ・屋外からの音の侵入で見落としがちな“換気口・通気口”

意外に見落としがちなのが、“換気口”や“通気口”です。

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換気口は24時間換気設備の一部になっており、“給気口”や“通気口”とも呼ばれます。2003年以降、すべての建物に24時間換気が義務付けられ、各部屋にも換気口や通気口などの換気設備が設置されるようになりました。

給排気の両方ができないと空気を入れ替えられないので、換気口・通気口は24時間換気になくてはならない大切なものです。しかし、換気口・通気口からは空気と一緒に音も出入りします。

窓は閉めることができますが、小さいとはいえ、換気口・通気口は24時間開放していなければならないので思いのほか音が気になるケースがあります。
近隣への配慮も兼ねた自宅の防音を考えるなら、窓やドアだけでなく換気口・通気口や換気扇の防音対策も必要です。

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換気口・換気扇などに有効な防音対策

DAIKENでは、換気口や通気口からの音漏れや音の侵入防止に効果を発揮する製品を展開しています。そのなかから2製品をご紹介します。

●気になる音を抑える「自然給気用サイレンサー」

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自然給気用サイレンサー」とは自動車の音や子どもの声、セミの鳴き声など、やや高い周波数の騒音に対応した消音部材です。

空気を自然に取り込むタイプの給気口なら、DAIKEN「自然給気用サイレンサー」がおすすめです。一般的な換気口のサイズは100φ(mm)ですが、「自然給気用サイレンサー」には150φの製品もあり、大きい換気口・通気口サイズにも設置できます。
換気口・通気口の内部に設置するだけで、室内で発生した音が外に漏れるのを抑えると同時に、換気口・通気口から入ってくる屋外の騒音も減らせるので、テレワーク時の遮音対策にもおすすめです。

●キッチンの換気扇の音漏れ対策には「A防音フード12型(1穴用)」

キッチンの換気扇による音漏れ対策には「A防音フード12型(1穴用)」の活用がおすすめです。「A防音フード12型(1穴用)」は、熱や油、湿気に強く、キッチンに適した換気扇用の防音フードで、特殊加工をしたグラスウール素材の吸音材を内部に使用しています。

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いずれもプチリフォーム感覚で設置できます。部屋の防音対策として検討してはいかがでしょう。

換気口や通気口の音漏れ問題をDAIKEN製品の活用でお部屋の音環境を快適に

屋内、屋外における音の流入や音漏れを抑えて音環境を整えることは、近隣との良好な関係や、テレワークの環境改善、家族との穏やかな団らんや豊かなおうち時間にもつながる大切な要素です。どこから音漏れしているのかを見直し、必要な対策を立てましょう。普段あまり気にすることがない換気口や通気口を見直すことで、音漏れを大きく改善できるかもしれません。

なお、吸音性能を備えた天井材を使ってリフォームすることで生活音の響きをさらに低減できます。興味がある方は下記の記事もご参照ください。
関連記事⇒「部屋の防音に“吸音”する天井材を! 生活音と反響音によるストレス対策にも有効!

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  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

公開日:2020.09.02 最終更新日:2025.09.19

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