建築用語集 土壁

土壁の画像

「土壁」とは土を用いて作られた壁の総称です。主に、土に藁や砂を混ぜて水で練ったものを塗り固めた壁のことを指します。土壁は以下のような機能を有しています。

・耐震機能
地震の初期振動に対して、土壁はまず揺れの力を上手く受けとめます。その後、土壁を通じて壁周囲の躯体(柱・基礎など)へと揺れを受け流す働きを有しています。

・防火性能
火災の初期段階においては土壁の水分が蒸発。気化熱の仕組みで壁体表面の温度上昇が防がれます。土壁内の水分が抜けたあとは、そこにできた穴が空気層を形成、熱を遮断します。

・調湿機能
土壁の粒子と粒子の間には100万分の1ミリメートルの非常に細かな隙間があります。外気の湿度が上がると空気中の水分を液体化して隙間に貯蔵し、外気が乾燥してくると保持している水分を気体化して外気に放出します。

・空気清浄機能
土壁の粒子はタバコのヤニ成分のほか、ホルムアルデヒドなどの人体に有害な化学物質を吸着する働きがあります。

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<監修>

  • 榑林 宏之

    一級建築士(BAUMPLANNING一級建築士事務所 代表)
    中堅ゼネコン設計部を経て独立、一級建築士として活動。自然環境への取り組み(自然との共生)の一環として自然災害・防災(主に地震災害・防災)研究及び啓蒙活動を推進しています。