建築用語集 すさ

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すさとは、土壁などの補強や亀裂防止などのために壁土に混ぜ込む藁屑(わらくず)・糸屑・紙屑のことを意味しています。左官材料に混入される繊維状材料の総称です。特に藁屑を使用したものを「藁すさ」と呼びます。
すさの利用に関する歴史は古く、旧約聖書や出エジプト記において、日干しれんがの作製にすさの活用が記されています。日本に限らず、世界各地の左官工事においてすさが使われています。

なお、すさとして、主に以下の4種類があげられます。
藁すさ:壁土に切り藁を使用。藁は新しいものではなく、なるべく年月が経過した古い藁の使用が推奨されています。
麻すさ:大津壁、漆喰、ドロマイトプラスターなどに使用。麻を材料としており日本麻・マニラ麻・黄麻などが使われています。
紙すさ:日本伝統的なパラリ壁(京都御所、桂離宮などに用いられている白色上塗り)などに使用。上質の和紙を水に浸し、よくたたいて繊維をほぐしたものが使われています。
無機質繊維:ガラス繊維、針状鉄線など。主にセメントモルタルに使用されています。

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<監修>

  • 榑林 宏之

    一級建築士(BAUMPLANNING一級建築士事務所 代表)
    中堅ゼネコン設計部を経て独立、一級建築士として活動。自然環境への取り組み(自然との共生)の一環として自然災害・防災(主に地震災害・防災)研究及び啓蒙活動を推進しています。