建築用語集

散りじゃくり

散りじゃくりとは、塗り壁と柱や額縁、回り縁、畳寄せなどの木部が接する部分に設ける溝を指し、仕上げ材のわずかな端を内側に控えさせる伝統的な技法です。壁や木材は乾燥や収縮、温度や湿度の変化によって、わずかに動くため、直接接触することで隙間やひび割れが生じやすくなります。そのため、柱に溝を掘り、塗り壁の端を収めることで、微細な動きによる隙間を目立たなくし、壁と柱の境界線を美しく際立たせます。

特に和室や左官仕上げの空間で用いられ、日本建築ならではの繊細な美意識と職人技が光ります。高度な技術によって、単なる「隙間」ではなく、素材の自然な動きを見越した「美しく保つための空間」としての役割を果たしています。

カテゴリから探す

<監修>

  • 今西 千登瀬 (いまにし ちとせ)

    ■資格
    宅地建物取引士、2級建築施工管理技士、インテリアコーディネーター、賃貸管理業務主任者、ライフオーガナイザー1級、リビングスタイリスト1級、ホームステージャー2級、他多数。

    1979年、東京都出身。東京ファンライフ不動産 代表。

    大学時代に空間デザインを学び、大手建材メーカーにて住まいのコンサルタントを経験。
    その後、不動産仲介・住空間提案に携わり、現在は「子育て住空間コンサルタント」として活動。
    これまでに手がけた住宅提案は 1万件以上 にのぼり、豊富な経験をもとに一人ひとりに合った住まいと暮らしを提案している。

    住生活全般をカバーする幅広い専門性を強みに、快適で美しく、ライフスタイルに寄り添った住空間づくりを行っている。

    また、SNSやコラム、YouTubeなどを通じて40代女性に向けた「からだ・心・地球にやさしい暮らし」を発信。美容・睡眠・セルフケアといったテーマも融合し、より心地よく軽やかに暮らせるライフスタイルを提案している。