建築用語集

突きつけ

突きつけ

「突きつけ(つきつけ)」とは、建築施工において部材の端部同士を重ねず、隙間なくぴったりと突き合わせて納める処理方法を指します。特に防水工事や外装仕上げ、サッシ廻りなどで用いられ、美観性を重視した納まりとして採用されることが多いです。重ね貼りと異なり段差が生じにくく、すっきりとした意匠が得られる一方、施工精度が仕上がりや耐久性に直結するため、高度な技術が求められます。
突きつけ部では、シーリング材や補強材を併用して防水性を確保するのが一般的であり、下地処理やプライマー塗布などの前工程も重要です。施工不良があると、雨水の浸入やクラックの原因となるため、寸法精度や動きへの追従性を考慮した設計と施工が不可欠です。意匠性と機能性を両立させるためには、納まり図や仕様書による明確な指示と、現場での丁寧な対応が求められます。

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<監修>

  • 塩野 良 (しおの まこと)

    ■資格
    一級建築士、管理建築士

    1979年生まれ。一級建築士事務所シオノマコトアーキテクツ代表。東洋大学工学部建築学科卒業後、総合建築設計事務所にて教育施設・福祉施設・住宅・店舗・オフィスビル・機械製作工場など、幅広い用途の建築設計・監理業務に携わる。

    現在は医薬、飲料・食品プラントエンジニアリング会社にて、建築設計から施工管理までを担当し、全国各地の様々な工場立ち上げに関与。
    実務経験を通じて、機能性を重視した意匠性の高い空間づくりを追求している。

    個人事務所では、これまでの経験を活かした執筆活動から、住宅設計やリノベーション、移動式住宅の設計、工場敷地の遵法化調査・是正提案なども手がけ、クライアントの多様なニーズに寄り添った提案を心がけている。

    人と環境にやさしい建築を目指し、ユーザーの視点を大切にした設計を信条としている。ユーザーの日々の暮らしに寄り添い、喜んでもらえる建物をつくることが、建築士としての喜びであり原動力となっている。