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2025-05-20

和室は必要? 知っておきたい和室の名称と利便性 おしゃれな和モダン演出のコツ

最近の家づくりでは和室を取り入れる人が減りつつあります。しかし、“温故知新”という言葉があるように、家づくりでも和の良さを学ぶことで新しい発想が生まれることもあります。人気の“和モダン”も和の良さを見直すことで誕生したインテリアスタイルです。

そこで、今回は和室の基本的な名称やしつらえをあらためて解説するとともに、和モダンな家づくりを実現させるコツをまとめました。さらに、今の暮らしに和の心地良さを取り入れやすくするDAIKENのインテリア畳『ここち和座』もご紹介します。

和室は長く使用されてきた日本の文化

近年の住宅には、和室を設けない間取りが増えています。最近着工された家の約半分には和室や畳がないともいわれており、ライフスタイルが変化するにつれ、「和室は使わない」「和室や畳はお手入れが大変」といった意見も聞かれます。

しかし、和室はつくらなくても、“畳コーナー”は採用したいという需要が若年層を中心に高まっています。和室の需要は減っているとはいえ、今でも「畳は便利」「畳はあったほうがいい」と考えている人は少なくないでしょう。
古来、住まいに用いられてきた和室や畳は、日本の伝統文化といえます。日本の風土や暮らし方に合った様式です。
座卓を置けば居間になり、布団を敷けば寝室になるなど、幅広い使い方ができることが和室の魅力です。また、自然素材で作られた畳、壁は吸湿性が高く、湿気の多い日本に適しています。
クッション性を備えた畳のある生活では、足を伸ばして座ったり寝転がったりと楽な姿勢で過ごせます。また、畳は赤ちゃんやお子様にもやさしい床材です。
襖は取り外しできることなどから応用性が高く、和紙を用いた障子は光を取り入れる一方でゆるやかに空間を仕切ります。

長い間、日本の住宅に欠かせなかった和室や畳は、本当に不要なのでしょうか。今のライフスタイルには合わないのでしょうか。まずは和室の構造をおさらいするところからスタートし、和室のメリットやデメリットを整理しつつ、現代の住まいにおける和室の在り方を考えます。

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和室の構造と名称 基礎知識

和室は多くのパーツから成り立っています。ここではそれぞれの構造や基本的な名称をご紹介します。和室の伝統的なスタイルを知り、どの部分がなぜ必要なのかを理解すると、家づくりや部屋づくりに応用できるかもしれません。

畳は和室に使用される日本古来の床材です。畳表には通常、い草が使われており、独特の香りと肌触りに特徴があります。畳の大きさは地域によって異なり、“京間” “中京間” “江戸間”などの規格があります。畳はクッション性があるだけでなく断熱性や吸湿性にもすぐれ、高温多湿な日本の気候に適しています。ただ、定期的なメンテナンスが必要です。

床の間・床柱

床の間(とこのま)は和室における装飾スペースです。本来はお客様をもてなすための特別な空間に設置するものでしたが、現代でも美意識を象徴する要素として重宝されて、掛け軸や生け花などを飾ります。床の間の片側に建てられる床柱(とこばしら)は装飾柱として木目や形状にこだわったものが多く、部屋の格式を示す役割を持っています。

欄間

欄間(らんま)は和室の鴨居(かもい)と天井の間に設けられた装飾的な仕切りで、通風や採光を確保しながら空間に美しさを加える部材です。透かし彫りや格子状の木彫り、組子細工など多様なデザインがあり、和室の装飾要素となっています。ただし、現代では機能性が重視され、欄間自体を設置しないケースも多いようです。

長押

長押(なげし)は和室の壁面上部に取り付けられた横木で、元々は構造を補強するための部材でした。現在では装飾材として用いられており、格式のある和室には欠かせない要素となっています。
近年は飾り棚の役割を果たすものや衣類を掛けられるよう溝を付けたものもあります。

鴨居

鴨居(かもい)は障子や襖をはめ込む上部の横木で、柱と柱の間にわたす部材です。敷居との間に障子や襖を滑らせて開閉させられるよう、溝を付けた構造になっています。

敷居

敷居(しきい)は障子や襖をはめ込む下部の横木で、鴨居と対になる部分として柱と柱の間にわたす部材です。床面に設けられ、障子や襖が滑りやすいように溝が付けられています。障子や襖の摩耗に耐えられるよう硬い樹種が使われます。敷居がしっかりしていると障子や襖の開閉がスムーズになり、和室全体の使い勝手が向上します。

障子・襖

障子(しょうじ)は木枠に和紙を貼った間仕切り用の建具で、桟の配置や本数により多様なデザインがあります。和紙が柔らかく光を通すため、部屋を明るく保ちつつ、適度なプライバシーも確保できます。また、襖(ふすま)は布や紙を貼った木枠の建具で、部屋の仕切りや収納扉として使われます。

どちらも簡単に取り外しでき、空間の広さを自由に調整できるのが利点です。和紙や布の柄を張り替えることで、和室の雰囲気を大きく変えることもできます。

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和室のメリット・デメリット

日本の伝統的な住まいにおいて長らく愛されてきた和室には、前述したように多くのメリットがあります。畳や壁など多くの部分が日本産のものでつくられていたことも、風土や暮らしに合っていたからかもしれません。

床に直接座ったり寝転んだりできることに加え、客間にも寝室にも使い分けられるなど、柔軟性があり、フレキシブルな使い方ができるのは、住宅スペースが限られた日本では便利な仕組みです。

ただし、和室にもデメリットは存在します。自然素材の畳は比較的傷みやすく、定期的な張り替えが必要なので、メンテナンスコストがかかります。また、襖紙や障子紙は破れやすく、特にお子様やペットがいるご家庭では注意が必要です。
こういったメリット・デメリットを踏まえ、和室を設けるかどうかは慎重に検討しましょう。

一方で、ライフスタイルや家族構成に合わせて和室や畳の選び方・使い方を工夫することにより、伝統的な畳を現代的な暮らしに適応させている例もあります。その一例が“和モダン”です。

和モダン演出のコツ

和モダンとは伝統的な和室とモダン(現代的)なデザインを融合したインテリアスタイルです。現代の住宅では洋風のインテリアが主流ですが、和と洋の融合を実現できるアイテムを上手に選ぶことで、和洋それぞれの良さを活かした空間をつくることができます。和モダンを演出するためのポイントをご紹介します。

自然の色・素材にこだわる

自然の色と素材を大切にするのが和モダンのポイントです。部屋に使う色は落ち着いたベージュやグリーン、ブラウンなどのアースカラーを選び、木材や石、竹などの素材を活かしましょう。自然素材ならではの色と質感は“和”独特の落ち着いた雰囲気に調和します。

例えば畳の部屋に、無垢材を使用してつくられたシンプルで洋風な家具を置けば、和の要素を感じさせつつモダンな雰囲気も漂う部屋を比較的簡単につくれるでしょう。

照明や家具、ファブリックにこだわる

和モダンはテイストの異なるデザインを組み合わせるスタイルのため、細部までこだわることが大切です。和モダンといっても、“和”寄りか、“モダン”寄りかで、選ぶものは異なります。

照明1つとっても和紙や竹などを使ったやわらかな光を放つライトか、シャープでシンプルなデザインの照明器具かで部屋の雰囲気は変わります。基本的に、家具は無駄な装飾がなく、直線的で機能性を重視したものなら、どちら寄りになっても合わせやすいでしょう。
リネン類やクッション、ソファカバーなどのファブリックは色柄を統一する、小物は自然素材のものにするなど細部まで気を配りましょう。

畳や壁、天井にこだわる

和モダンでは、畳や壁、天井の選び方も重要です。例えばグレーやブラウンなど、落ち着いた色の畳はリビングに隣接した“畳コーナー”やモダンな和室として、洋風のインテリアにも自然になじみそうです。

和の要素は、できるだけシンプルなもの、色味や質感が現代的なものを選ぶとよいでしょう。柱や壁はダークカラーのものを、障子や襖は柄の入っていない白を基調としたものを選ぶと洋風の家具とも調和しやすいでしょう。間仕切りとして、襖の代わりに無地の和紙風やすだれ風のプリーツスクリーンなどを採用するのもよいかもしれません。

天井は木質を活かした梁(はり)を見せたり、シンプルなデザインの羽目板を取り入れたりすることで、和の風情を感じさせながら現代的な要素を加えることもできます。

気軽に和モダン演出ができるDAIKENの『ここち和座』

和モダンな雰囲気を手軽に演出できるのがDAIKENの『ここち和座』です。『ここち和座』は機械すき和紙を“こより”状にして編み込み、樹脂コーティングしたインテリア畳で、様々な機能を兼ね備えています。

多彩な色柄バリエーションがラインアップ

ここち和座』の大きな魅力は、色やデザインが豊富なことです。定番のグリーン系から、灰桜色、ベージュ、ダークなブラウンなどたくさんの色柄が揃っています。2色を市松模様に配置すれば、タイルカーペットのようによりモダンに見せることもできます。“和”寄りの和モダンにも“モダン”寄りの和モダンでも、ぴったりマッチする畳を探せるでしょう。

置き敷き、敷き込みの2タイプ

置き敷きタイプと敷き込みタイプという、2つのバリエーションがあることも『ここち和座』の特長です。

置き敷きタイプなら、床の上に置くだけで畳スペースをつくれます。不要なときには収納できるので、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応可能です。
敷き込みタイプは床に組み込んで使います。床材を変えることでリビングをゾーニング(空間分け)できます。昔ながらの畳の厚みがなく一般的なフローリングと同じ厚みに揃えられているため、床下地を下げる必要がありません。

機能性にすぐれ、お手入れが簡単

DAIKENの『ここち和座』は、抗菌性を持つ高機能な畳表を使用した畳です。高温熱処理滅菌済みでカビの発生やダニの増殖を抑え、表面に撥水加工がしてあるので汚れや水分も染み込みにくいという特長があります。さらに、傷が付きにくい仕様で美しさを長く保てるのも魅力です。

(※)機械すき和紙を使用しています。コウゾ、ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。
※表面に撥水加工していますが、しょう油やコーヒーなど液体をこぼした場合は乾いたタオルでただちに(2~3分の間に)拭き取ってください。長時間放置すると汚れが落ちにくくなります。

まとめ

和室を設けない間取りが増えているとはいえ、和室の魅力を評価する人は少なくありません。和と洋、双方の良さを活かした和モダンなインテリアは、利便性とくつろぎを両立できる方法の1つといえます。機能性とデザイン性をあわせ持つ畳を用いることで、和モダンな部屋づくりは、ぐっと身近なものになります。

落ち着ける和室が欲しい、今の空間を活かした和モダンな部屋をつくりたい、とお考えの方は、DAIKENの『ここち和座』を取り入れてみてはいかがでしょうか。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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