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2025-04-30

尺貫法とは? 間、尺、寸の長さはどれぐらい? 家づくりで耳にする単位をマスター!

“間(けん)” “尺(しゃく)” “寸(すん)”という単位を耳にしたことはありませんか?
これらはいずれも長さの単位なのですが、普段の生活ではほとんど使われないためイメージが湧きにくいですよね。

しかし、これらは家づくりにとってとても重要な単位なのです。今回はこの単位の計量法である“尺貫法”について解説するとともに、現代の尺貫法の位置付けを考えます。

尺貫法とは 使われている長さの単位は?

“尺貫法(しゃっかんほう)”とは、長さの単位を“尺”、体積の単位を“升”、質量の単位を“貫”とする古来の計量法です。中でも家づくりで重要なのは、尺、寸、間の3つのサイズですが、それぞれどれほどの長さを指すのでしょうか。

(※)写真はイメージです。弊社製品ではありません。

尺(しゃく)

尺取り虫(しゃくとりむし)、なんて言葉もありますよね。“尺”は、親指と人さし指を広げた長さ(約15cm)を基本に考え、それを2倍にした長さを1尺(約30.3cm)とする単位です。

寸(すん)

最も小さい単位の“寸”は、1尺の10分の1の長さ(約3.03cm)。つまり10寸=1尺となります。寸の長さの由来は親指の幅といわれており、家づくりにおいては例えば屋根の勾配を表すとき“3寸勾配”のように使われます。3寸勾配とは縦3寸・横10寸の直角三角形と同じ傾斜角の勾配屋根のことで、傾斜角度は約16.7度になります。

間(けん)

最も大きい単位の“間”は、1尺の6倍の長さ(約181.8cm)で、1間=6尺となります。
畳の長辺の長さは1間で、これは平均的な身長の人間が横になれる広さです。通常、廊下の幅は半間=約91cm、和室の押し入れの幅は1間であることが多いです。ちなみに1間×1間の広さが1坪になります。

参考:「測量用語」(一般社団法人 東京都測量設計業協会)

江戸間と関西間(京間)の違い

先ほど「1間=6尺で、畳の長辺の長さ」とご紹介しましたが、実は地域によって畳のサイズが異なることをご存じでしょうか。観光など、旅先で見かけた畳の大きさに、少し違和感を覚えたことはありませんか。

例えば、“江戸間”は東京を中心とする関東で広く使われている畳で、1畳のサイズは約1.55平方メートル(1.76m×0.88m)です。一方、“関西間(京間)”は京都を中心とした関西圏以西で使われている畳で、1畳のサイズは1.82平方メートル(1.91m×0.955m)です。なぜこのような違いがあるかというと、部屋の広さを測る際に関東は柱芯間の距離が基準(柱割り)だったのに対し、関西エリアは畳の寸法が基準(畳割り)だったからといわれています。

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尺貫法は今でも使われている!?

古くから使われてきた尺貫法ですが、実は現在では廃止されています。それなのになぜ、今も家づくりの際に尺貫法が使われているのでしょうか。

1959年に廃止されていた尺貫法

尺貫法はもともと中国が起源といわれており、その後日本に渡り、大宝律令(701年)から日本の尺度として使われました。以降、1,000年以上にわたり人々の暮らしの中で使われてきたのです。やがて度量衡法(1891年)の制定によりメートル法が日本で正式に認められ、計量単位として尺貫法とメートル法の2つが併用されることになりました。

第二次世界大戦の後、メートル法が広く使用されるようになったため尺貫法が廃止(1959年)され、土地や建物の取引における尺貫法の使用以外では用いられなくなりました。
国際単位系統一(1966年)以降、尺貫法の単位は内部計算などでのみ使用され、不動産取引・証明においてはメートル法が使用されています。

メートル法とは

メートル法とは「長さの単位をメートル、質量の単位をキログラム」とし、世界共通で使える統一された単位です。日本では1891年に、尺貫法とともに公認されました。

なぜ現在も尺貫法が使われるのか

それではなぜ、家づくりでは今でも尺貫法が使われているのでしょうか。

これに関しては諸説ありますが、私たちの身体サイズをもとに生まれた尺貫法の単位が、建築空間を計画する際にとても便利で、家づくりに必要な各種建材や設備類の多くが今でも尺貫法をベースとしたサイズ感で構成されているから、という説が多いようです。

住宅設計の正式な書類や図面では尺貫法の単位を用いることはありませんが、日本の“伝統的な文化”である尺貫法は今なお私たちの暮らしに息づいているといってよいでしょう。

尺モジュールとメーターモジュールの違い

“モジュール”とは、住宅設計や建築の際に基準となる寸法を指します。現在では尺貫法を用いた計量法は廃止されているのですが、効率良く大きさを把握するために今も“尺モジュール”は利用されています。家づくりの打ち合わせなどでたびたび登場する言葉なので、事前に知っておくとスムーズに理解できるかもしれません。

・メーターモジュール
1000mm(1m)を基本とする寸法で、設計図では1m×1mを1マス(グリッド)としている

・尺モジュール
3尺(半間)=910mm(約91cm)で、設計図では3尺×3尺を1マスとしている

同じ1マスでも、尺モジュールとメーターモジュールではかなり違いがあります。どちらを採用しているかにより家の大きさは異なるため、建築費用なども変わってきます。
もし、尺モジュールを基本寸法として家を建てる場合は、メーターモジュールよりも約20%狭くなります。
家を建てる際は、ハウスメーカーや工務店がどちらの基準を採用しているのか確認しておきましょう。

家づくりにおける尺貫法の役割

私たちの身体のサイズをもとにつくられた尺貫法ですが、尺や寸、間で表現されてもピンとこないので普段からなじみのあるメートル法で家づくりをしたいと思われる方もいるのではないでしょうか。

実際、建築業界ではいまだに尺貫法が使われているとはいえ、メートル法を採用している会社も増えています。尺貫法とメートル法、それぞれのサイズ感と良さを把握したうえで検討できるとよいですね。

和紙の畳表が魅力! DAIKEN『ダイケン畳 健やかくん』

古来使われてきた尺貫法のように、ずっと日本で親しまれてきた畳や和室。より住みやすい家づくりのために、好きなときにゴロリと横になれる和室を設けてみるのはいかがでしょうか。

和紙の畳表が魅力のDAIKEN『ダイケン畳 健やかくん』は、畳のもつあたたかでやさしい風合いを大切にしながらも、傷や汚れに強い性能を備えた製品です。高温熱処理滅菌済みなのでカビの発生やダニの増殖を抑え、快適さを長くキープします。さらに、低ホルムアルデヒドにも対応済みです(※1)。

撥水性があるので水分や汚れが染み込みにくく、時間がたっても変色しにくいといった特徴があります。また、耐摩耗性もあり、ペットの爪や玩具の傷もつきにくく美しさを保ちやすいという特徴も持ち合わせています(※2)。

14種58色柄ものラインアップがあり、伝統的な和室からモダンな空間まで美しく演出してくれます。さらに人にも環境にもやさしい『ダイケン畳 健やかくん』を、家の雰囲気に合わせて取り入れてみてはいかがでしょうか。

(※1)機械すき和紙を使用しています。コウゾ、ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。
(※2)表面に撥水(はっすい)加工していますが、しょう油やコーヒーなど液体をこぼした場合は乾いたタオルでただちに(2~3分の間に)拭きとってください。長時間放置すると汚れが落ちにくくなります。汚れが付着した場合には、薄めた中性洗剤を布に含ませ固く絞ってから強くこすらずに拭き取ってください。

まとめ

家づくりでは、意見を自由に出し合えるプランニングの段階がとても重要です。ハウスメーカーや工務店との会話では、尺貫法の単位をベースにプランニングを進めることも少なくありません。尺貫法への理解を深めることは家づくりにおける基本的な寸法やサイズ感を把握することにもつながり、より快適な家づくりへの手助けになるかもしれません。

  • 淀川 美和
  • 監修者

    淀川 美和(よどがわ みわ)
    株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。

    一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。

    保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級

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