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2025-05-20

家の間取り図を見るコツ アルファベットの略語はどんな意味?

間取り図は家の基本的な空間構成が読み取れる便利な図面です。しかし、記号や符号が多用されているので、間取り図を見てもどのような部屋や設備があるのかわからないという方もいるようです。間取り図には建築の専門用語が記号で書き込まれているため、すべてを理解するのはなかなか難しいでしょう。

今回は、間取り図を見るコツや記号の意味について解説します。効率的に家探しをしたり、理想の家づくりを進めたりする際は、間取り図を理解しておくと役立つことが多いので、ぜひ参考にしてください。

間取り図とはどのようなもの?

まずは間取り図の概要について説明します。

間取り図の基礎知識

間取り図は部屋の基本的な情報が確認できる図面です。よく物件情報誌に掲載されていたり、不動産会社の店頭に貼り出されていたりしますが、そんな間取り図からは部屋の広さやレイアウト、窓・ドア、収納スペースの位置など、様々な情報を読み取ることができます。

間取り図と平面図、設計図書の違い

住宅の購入者が目にする機会のある図面には、他にも“平面図” “設計図書”などがあります。これらの図面と間取り図はどう違うのでしょうか。

間取り図は主に部屋の位置やレイアウトを把握することを目的とした図面ですから、サイズは必ずしも正確ではありません。対して平面図は正確な寸法・縮尺で作成されており、正しい面積を知ることができます。また、設計図書(建築図面)は電気や照明、外構などの工事に必要な構造や形状などの情報を伝えるもので、意匠図・構造図・設備図・外構図などの情報が含まれています。

・間取り図:部屋のレイアウトや広さなどを簡略的に示した図面
・平面図:正確な寸法で作図された見下ろしの図面。プロの設計・施工や契約で使われます
・設計図書(建築図面):建築物に関する図面や仕様書の総称

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間取り図に使われる記号とその意味

間取り図には、様々な記号が使われていることがあります。中には日本語で書かれているものもありますが、たいていはアルファベット(略語)で記載されています。まずは基本的な記号の意味を知り、部屋のレイアウトをつかみましょう。

部屋など

・LDK:リビングダイニングキッチン
・BR:洋室(ベッドルーム)
・CL:クローゼット
・DEN:書斎
・S・SR:サービスルーム(納戸、収納など)
・WIC・WCL:ウォークインクローゼット
・SIC・SCL:シューズインクローゼット
・SB:シューズボックス
・W:洗濯機置き場
・PS:パイプスペース(設備の配管が通るスペース)
・MB:メーターボックス(ガスメーターなどが設置されるスペース)

ドアや窓

ドアや窓については国土交通省の資料から抜粋して紹介します。

ドア・窓の記号と意味
※引用:「建築工事設計図書作成基準」(国土交通省)p.12-13

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間取り図を見るコツ

間取り図はあくまでも平面で表現されているため、記号が分かっても部屋全体のイメージがつかめない…という方もいらっしゃるかもしれません。ちょっと地図に似ていますね。実は間取り図を見るにはコツがあります。それは、実際の暮らしを頭の中に思い浮かべることです。具体的な方法をご紹介しましょう。

基本的な空間構成・ゾーニングを把握する

家の空間は大きく4つに分けることができます。間取り図を見るときの最初のコツは、これらのエリア分けを意識することです。

・パブリックゾーン:家族や来客が共有する場(リビング・ダイニング・キッチンなど)
・プライベートゾーン:家族がそれぞれの時間を過ごす場(寝室・子ども部屋・書斎など)
・サービスゾーン:日常生活に必要な機能を有する場(洗面所・浴室・トイレ・収納スペースなど)
・通路ゾーン:家の中を移動する際に通る場(廊下・階段・玄関など)

ゾーンが把握できると、どこでどのような生活をするのか、おおまかにイメージできるようになります。まずは家全体の基本的な空間構成を把握しましょう。

空間のエリア分け(ゾーニング)については下記の記事で詳しく解説しています。
⇒「住宅におけるゾーニングとは? 機能的な動線や癒しのある家に近づく間取りのポイント

開口の位置・大きさを確認する

次に開口、つまり窓や出入り口の位置・大きさを確認しましょう。開口がどこにあるのかで日当たりや風通しがある程度決まってきます。ただし、間取り図では窓の位置や横幅は分かりますが窓の高さ、例えば掃き出し窓なのか腰高窓なのかは分かりません。窓の高さや部屋の明るさをつかむためには、各部屋の壁面を表す展開図を見る必要がある点に注意しましょう。

周囲の環境によっては窓の外から聞こえる音や視線が気になるかもしれないと気づいたら、新築の場合は開口の位置や大きさの変更を検討する必要があるかもしれません。

周辺環境との関係を読み取る

室内環境と周辺環境の関係性は非常に大切な問題です。道路や公園・店舗・隣家など、周辺の環境によって室内環境は大きく変わります。例えば公園が近くにある場合、家族が集まるリビングにいるときなら、公園で遊ぶ子どもの声が聞こえても気にならないかもしれませんが、静かに過ごしたい寝室を公園側に配置するのは避けた方がよいでしょう。

間取り図には家の周辺に何があるか、書かれていないこともあります。実際にどの方向には何があるのかを確認し、変更が必要であれば早めに相談しましょう。

生活をイメージする

どの部屋でどのようなことをするのか具体的に想像することも重要です。料理をする場合、考えている間取りでキッチンと収納スペースの間をスムーズに行き来できるでしょうか。朝起きて身支度をする場合、寝室や子ども部屋から洗面所まで移動しやすいでしょうか。

家探しや家づくりの段階から効率的な動線を意識することで、ストレスの少ない生活を実現できます。

家具や収納を書き込んでみる

家具や収納グッズを間取り図に書き込んでみる方法もおすすめです。大きな家具は設置できる場所が限られているため、どこに置くかである程度暮らし方が決まってきます。ベッドや冷蔵庫、テレビ、ダイニングテーブルなどを間取り図に書き込んでみましょう。窓からの陽射しやドアの開き方によっては、家具や家電の場所を変えたほうがいい場合もあるかもしれません。

家具を含めた形でレイアウトを考えると、入居後の生活がより具体的にイメージできます。

開閉方式も選べるおしゃれな室内ドア

(※)写真の『hapia(ハピア)』は2025年6月生産中止予定です。後継品は2025年6月発売予定の『ieria(イエリア)』をご検討ください。

使い勝手の良い空間を実現したいなら、建具にもこだわって家づくりを進めたいところです。工務店などに戸建て住宅を発注する際は、ドアなどの建具を指定できるか確認するとよいでしょう。

DAIKENでも様々な建具を取り揃えています。例えば、『hapia 片開きドア』は、様々なバリエーションがあり、空間のアクセントとなるドアです。間取り図では分からない部分ですが、ベージュ系から濃茶まで色柄が豊富で、ドアにはめ込まれた採光部のデザインも、スリットや格子など様々です。ドアが閉まる音をやわらげる特殊気密パッキンや、消音ラッチなどの工夫も凝らされています。

部屋を区切って使う場合や和室には『hapia 引戸・片引』もおすすめです。ちなみに、片引というのは1枚の扉をスライドさせる形式です。前後に押して開ける開き戸(ドア)のような開閉スペースが不要で、開けっ放しにすると空間が広く使えるなどのメリットがありますが、引き込み部分の幅が必要になります。

間取り図と開口部の記号をよく見て、より空間を活用できる出入口の設計を検討してみましょう。

まとめ

間取り図には見慣れない記号や符号が並んでいることも多いのですが、正しく読み取ることができればより多くの情報を得ることができます。間取り図が読めると家で暮らすときのイメージもはっきりしてきます。具体的な窓やドアの形、部屋のインテリアも想像できるでしょう。ぜひ間取り図を効率的な家探しや理想の家づくりにお役立てください。

(※)記事内で使用されている『hapia(ハピア)』は2025年6月生産中止予定です。2025年6月に発売予定の後継品『ieria(イエリア)』をご検討ください。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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