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目次
居間、居室、リビングダイニングなど、家の居住空間を表現する言葉はいくつかありますが、それぞれどのように使い分けられているかをご存じでしょうか。中には昔の文化から生まれた言葉もあり、正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。
今回は、居間やリビングダイニングといった言葉の違いを解説し、さらに、快適でおしゃれな居間をつくるためのレイアウトのポイントも紹介します。ぜひ参考にしてください。
居間・リビングダイニング・居室の違い

まずは居間・リビングダイニング・居室、それぞれの言葉の違いについてみていきましょう。
居間とリビングダイニング
昔は家族が生活する部屋とお客様を迎える部屋がそれぞれ用意されており、“居間”と“客間”として使い分けられていました。辞書によると居間とは家族が普段過ごす部屋、客間はお客様を迎えて応接するための部屋とされています。
現代では“リビングダイニング”と呼ばれることが一般的になり、応接も家族が集まる部屋で行うようになりました。文化の変化により居間と客間の区別が薄れると同時に、よりモダンな呼び方が定着したといえるでしょう。
ダイニングキッチン(DK)やLDKについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事をご参照ください。
関連記事⇒「ダイニングとは? リビングとの違いは? DKとLDKの違いと居心地の良いレイアウトを紹介」
居室とは 非居室との違い
建築基準法において、居室は「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」と定義されています。住宅ではリビングダイニング、寝室などが居室にあたります。
一方、居室ではない“非居室”に該当するのは納戸、トイレ、廊下などのような継続的に使用しない場所です。
物件広告などで居室として表記できるのは建築基準法で定められた条件を満たす部屋で、採光・換気・排煙のための窓が設置されています。しかし、納戸などのスペースは、間取り図では居室として使えるように見えても、継続的に使用するには採光や換気の不十分な可能性があることに留意しておきましょう。
使いやすい居間をデザインするポイント
快適に過ごせる居間をつくるためには、使いやすさを重視しましょう。居間が使いやすくなるデザインのポイントをご紹介します。
適切なサイズの家具を選ぶ
使いやすい居間をデザインするには、家具のサイズが大切です。大きすぎるソファは圧迫感があって部屋を狭く感じさせます。さらに、迂回などによる非効率的な動線になりやすいので、まずは動線の確保を意識して間取り図に家具を配置してみましょう。
オープンスペースを確保する
家族が落ち着ける居間を実現するには、適切なオープンスペースの確保も重要です。家具を壁際に配置するほか、動線が確保できるレイアウトを意識すると、ゆとりのある快適な居間になります。
リビングが狭いと感じている方やおしゃれなレイアウトにしたい方は、ぜひ下記の記事をご参照ください。
関連記事⇒「リビングレイアウトをおしゃれにしたい! 縦長・横長・正方形・狭いリビングでのポイント」
採光と通風を意識する
大きな窓を設置し、レースカーテンで外からの視線を遮りつつ光を採り入れると、居間は明るくなり開放的な空間になります。
また、窓の前に家具を配置する場合は、背の低い家具を選ぶと採光や通風の妨げになりません。
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おしゃれな居間をレイアウト・デザインするポイント

次におしゃれな居間をレイアウト・デザインするポイントについてご紹介します。
テーマを統一する
おしゃれな空間を演出するためには、テーマの統一が大切です。ナチュラルやモダン、ミッドセンチュリー、北欧、アジアン、ホテルライクなど、好みに合わせてテーマを選びましょう。その後はテーマに合う内装材、カーテン、家具、アートなどを決めていきます。
関連記事⇒「ミッドセンチュリーとは? フォルムやカラーの特徴とコーディネートのコツをご紹介」
関連記事⇒「インダストリアルインテリアとは? 部屋に取り入れる際のポイント 家具と照明が大切?」
カラーコーディネートの基本を押さえる
テーマに加えて全体を通して意識したいのが、カラーコーディネートです。ベースとなるカラーを決め、その後、アソートカラー(ベースカラーを引き立てる色)とアクセントカラー(強調色)を選びましょう。一般的にベースカラーを70~75%、アソートカラーを20~25%、アクセントカラーを5%にするとバランスが良いとされています。
収納の工夫で生活感を抑える
「おしゃれな居間にしたいけど部屋が散らかって生活感が出てしまう」といった場合は、新築時のオプションで発注できる造作家具や壁面収納のほか、収納ボックスや隠す収納を活用してできるだけ生活感を抑えると、洗練された空間に近付けられます。
開放感やインテリアテイストを意識する
開放感を演出し、スッキリした空間に見せると、居間全体の印象が良くなります。そのためには、前述したオープンスペースの確保や収納による整理整頓、背の低い家具による視線の抜けをつくることが大切です。
さらにおすすめなのが、インテリアテイストを意識した建材選びです。インテリアの多くの面積を占める床や壁は、部屋の印象に大きな影響を与えます。
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居間をおしゃれに見せる壁とは

壁をおしゃれにしたいと思ったときに選択肢となるものは、壁紙(クロス)、タイル、壁パネルや化粧パネルと呼ばれる化粧板といった様々な壁材です。中でも壁紙は、かわいいものやシンプルなもの、かっこいいもの、レトロ風や北欧風といったように多彩なイメージで展開されていますが、本物のような立体感がある化粧壁材やレトロなタイルなど質感までこだわると、よりインテリアに深みが出ます。
では、どのような壁紙や壁材を選ぶと、居間をおしゃれに見せられるのでしょうか。
居間のコンセプトに合った壁材を選ぶ
壁紙や化粧パネルなどの壁材はデザインが多いことから、なかなか決められない建材の1つかもしれません。
どのようなイメージの居間にしたいか、“インテリアテイスト”をまず考えてみましょう。
個室やDEN(書斎)とは違い、居間は家族の共用スペースとして利用される場所です。家族が集まりくつろぐ場所と考えると、あまり主張が強くなりすぎないナチュラルなテイストを選び、アイボリーや明るいグレージュなどの壁材にするという選択肢もあります。くつろげる落ち着いた部屋を目指すならグレー系でシックなテイストを、広々とした部屋を目指すならホワイト系やベージュ系の圧迫感がないテイストを選ぶとよいでしょう。
関連記事⇒「家の間取り図を見るコツ アルファベットの略語はどんな意味?」
居間と隣接する空間との調和を考えた壁に
居間の壁は、隣り合うスペースとのつながりを意識し、調和を考えて選びましょう。
居間はキッチンやダイニングとつながっていたり、DENとつながっていたりする間取りも多く、それぞれのイメージがあまりにかけ離れていると、違和感を持つ可能性もあります。隣接するインテリアとの統一感や、色の連続性を持たせると、居間がおしゃれに見えます。
ほかの建材、家具とのバランスを考慮する
壁だけが浮いてしまわないよう、ほかの建材や家具とのバランスが取れた壁にすることもポイントです。

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
例えば、ホワイト系の床材が使われている場合は、あたたかみのあるホワイト系の壁紙にすると清潔感や上品さが感じられますし、床に合わせた彩度が低い家具やドアと同じトーンの壁紙にすると、空間が広く見えます。
壁の一部にアクセントを加えておしゃれな壁を演出

メインの壁紙とは異なる“アクセントクロス”や“アクセントタイル”を壁の一部に取り入れると、おしゃれな壁の印象が強くなります。
中でもおすすめなのは壁の一部に立体感があるデザイン性の高い壁材を選び、アクセントを加える手法です。フラットな壁とタイルの凹凸が対比され、空間に豊かな表情が加わります。
また、明るい壁紙の居間に設置しているテレビやソファの後ろに1面だけ、モノトーンや寒色系のアクセントを施すのも人気です。周囲の壁紙との対比で視線が集まり、おしゃれな印象が与えられます。
照明や採光との組み合わせも考える
照明や採光から壁材選びを考えることも可能です。
例えば、居間に入る光が少ない場合は、オフホワイトの壁紙や壁材を選ぶと、壁に反射した光で部屋が明るくなります。
日当たりの良い居間の場合は、まぶしくなりすぎないように壁紙を落ち着いた色にする、シックなベージュ系・グレー系・ダーク系の壁材や表面に光沢がない壁材を選ぶという選択肢などがあります。
おしゃれな居間に 意匠性の高い壁材DAIKEN『グラビオエッジ』

『グラビオエッジ フルッソ<ブラック柄>』
居間の壁をおしゃれにするには、意匠性の高い壁材を取り入れるのもおすすめです。デザインを凝らした凹凸感のある壁面は、窓から差し込む光や照明を受け、味わい深く変化するでしょう。
エッジの効いた陰影と素材感のある意匠が魅力の不燃デザイン壁材『グラビオエッジ』は、空間に新たな表情美を描き、インテリアに格調と品格を生み出します。
幅広・立体感の意匠にこだわった化粧床材 DAIKEN『トリニティグランデ』

床材は、暗い色よりも明るい色の方が空間を広く感じられ、幅広の床材を採用して目地を減らすことで開放的に感じやすくなります。
DAIKEN『トリニティグランデ』は、表面の質感にこだわった立体感のある張り上がりで、デザイン性の高い部屋を実現できます。303mmの幅広タイプで目地が少なく、空間がスッキリした印象になるとともに、開放的で洗練された空間を演出しやすいでしょう。
まとめ
居間は団らんを楽しむスペースでもあるので、家づくりで特にこだわりたい部屋の1つです。使いやすさとおしゃれさを両立するためには、テーマの設定や家具・収納選びがポイントとなります。さらに床、壁、天井などの内装材にもこだわると、ワンランク上の居間を実現できるでしょう。ぜひこの記事を参考にして理想の居間づくりにチャレンジしてみてください。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
公開日:2025.04.30 最終更新日:2025.08.20
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