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2025-09-19

神棚は家に必要? 配置する場所や方角、飾り方、お供え物のポイント

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。

自宅に神棚を設置したいけど、「飾り方や方角がわからない」「インテリアに合わないのでは」と迷いながらも、暮らしの中に伝統的な要素を取り入れて大切にしたいと考える方は少なくありません。
そこで今回は、神棚の役割や種類といった基本的な情報のほか、適切な設置場所や飾り方のポイント、タブーなどを解説します。あわせて、神棚のある部屋をおしゃれに演出するDAIKEN製品もご紹介します。

神棚とは? 家に必要?

神棚

現代における神棚の設置は、個人の価値観やライフスタイルによって異なります。まずは神棚の役割と種類をみていきましょう。

神棚の役割

神棚とは、家の中に設けられた小さな社(やしろ)、つまり小型の神社のことです。神道の神様をお迎えする神聖な場所であり、神社に足を運ばなくても自宅で家族の安全や繁栄、厄除けを祈願することができます。かつては多くの家に設置され、神様への感謝や敬意を表す習慣が暮らしの中に根付いていました。

神棚の種類

自宅に設置する神棚には、様々な種類があります。一見するとどれも似た形に見えますが、扉の数や屋根の形、お神札(おふだ)の祀り方などが異なります。

・一社神棚

中央に扉が1つだけある、省スペースな神棚です。一番手前に神宮大麻(※1)、次に氏神神社(※2)、その次に崇敬神社(※3)と、3枚のお神札を重ねて祀ります。
崇敬神社を持たない場合、そのお神札は不要です。また、台所・火災除けの神様“荒神様(こうじんさま)”を祀る場合は“荒神棚”に祀るのが一般的です。

(※1)神宮大麻(じんぐうたいま):伊勢神宮から頒布されたお神札
(※2)氏神神社(うじがみじんじゃ):地域の氏神様を祀っている神社
(※3)崇敬神社(すうけいじんじゃ):地域とは関係なく個人的に崇拝している神社

・三社神棚

3つの扉が並ぶ形式で、中央に神宮大麻、向かって右に氏神神社、左に崇敬神社のお神札を祀ります。伝統的なスタイルで、格式ある造りの神棚です。

・五社神棚

5つの扉が並ぶ、壮大で豪華な神棚です。中央の扉には神宮大麻、右隣に氏神神社、それ以外には崇敬神社のお神札を祀ります。崇敬神社が多い方におすすめです。

・箱宮神棚

箱型の神棚です。神具を中に並べられるため、コンパクトにまとめやすく、お手入れもしやすいです。

・簡易神棚

扉や屋根がないなどシンプルな神棚で、“お札立て”や“ミニ神棚”とも呼ばれています。置き型や壁掛け型など、限られたスペースでも設置しやすい豊富なデザインが展開されています。

・モダン神棚

洋室にもなじみやすいモダンスタイルの神棚です。アクリルやスチールを使ったものや、グッドデザイン賞を受賞したスタイリッシュな製品もあります。

必ずしも家に神棚を設置する必要はない

最近は神棚を設置しないご家庭も増えており、必ずしも飾らなければいけないものではありません。信仰の有無や価値観、ライフスタイルによって、自由に決めることができます。
設置する場合は毎日のお供えや定期的な掃除が欠かせないため、家族とよく話し合って決めましょう。

神棚を配置する場所

神棚

神棚を設置すると決めたら、どこに置くのがよいのでしょうか。神様への敬意を示すためにも、神棚を置く適切な場所や方角を知っておきましょう。

神棚を配置するのに向いている方角や場所

神棚は、南向きか東向きがよいとされています。神棚に祀られている天照大御神(あまてらすおおみかみ)は太陽をつかさどる神様なので、太陽が昇る方角や日差しがよく当たる方角に神棚を向けましょう。

また神様を見下ろしてしまわないように、神棚は人の目線より高い位置に飾るのが基本です。さらに、明るくて風通しが良く清潔な環境が適しています。リビングや和室など、家族が気軽に手を合わせられる場所がおすすめです。

神棚を配置すべきではない場所

一方で、神様に対して失礼になってしまうタブーとされている場所もあります。神棚を配置する際に避けたい場所をご紹介します。

・通路として使われている場所:玄関や廊下など
・汚れやすい場所:トイレやキッチンの周辺
・開放感のない場所:クローゼットの中など
・上階に部屋や廊下がある天井付近の壁:2階の部屋の真下に位置するリビングなど

神棚の上を人が歩くのは避けたほうがよいとされていますが、間取りによってはやむを得ないケースもあります。その際は、天井に「雲」「天」「空」と書いた紙を貼ることで、上に何もないことを示すのがよいでしょう。マンションやアパートにお住まいでも適した対処法なので、覚えておくと安心です。

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神棚の飾り方

多くの場合、神棚にはお神札と神様への感謝を表す食べ物である“神饌(しんせん)”などをお供えします。何をどこに置くか、お供え物など一般的な飾り方をご紹介します。

お神札

お神札に巻いてある薄紙(上巻紙)は、取り外してからお祀りします。神棚にお神札が入らない場合は、神棚の横に立てかけたり、ほかのお神札に重ねたりしてお祀りしましょう。
また、神棚がない場合は棚やタンスの上など、高い位置で掃除のしやすい場所にお祀りするとよいでしょう。

お供え物

神棚へのお供え物は、それぞれの神具の中に食物や榊を入れてお供えします。

神具 お供え物
水玉(水器)
平瓮(ひらか) 米や塩
榊立て
瓶子(へいじ)

水・塩・米などは毎日、榊や酒は半月に1回やお祭りなどの特別な日に交換するのが理想とされています。ただし、厳密なルールがあるわけではありませんので、お供え物は傷まないように定期的に下げて交換し、神棚を常に清潔に保つよう心がけましょう。また、下げたお供え物は衛生面に問題がなければ、神様のお下がりとしていただくようにしましょう。

家づくりの際に行う儀式、地鎮祭については下記の記事をご参照ください。
関連記事⇒「地鎮祭とは? 実際の流れや服装・お供え物・のし袋などの準備の仕方

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神棚に関するタブーとは?

神棚

神棚の扱い方には、古くから伝わる考え方や慣習があります。どのような行動が敬意を欠いた行動になるのか、神棚に関するタブーをご紹介します。

神棚の掃除をしない

神棚はこまめに掃除をして、清潔な状態を保つことが大切です。高い位置にあるため手が届きにくいかもしれませんが、心を込めて掃除することで敬意や感謝の気持ちを表せます。
個人の思い出の品や、宝くじなどを置くこともあるかもしれませんが、整理された状態を保ちましょう。

神棚に手を合わせていない

神棚を設置したら、日々手を合わせて感謝の気持ちを伝えましょう。1日1回や朝と夕方の2回など、ルールを決めておくと習慣化しやすくなります。

同じ神棚やお神札を飾ったままにしている

神棚やお神札は新しいときほど神聖さが宿るとされており、次第に弱まっていくといわれています。できればお神札は毎年新しいものと交換しましょう。古いお神札は神社などでお焚き上げをお願いすることができます。

神棚は5~10年を目安に、傷み具合を見ながら交換を検討しましょう。長くても20年ぐらいで新しい神棚に交換するのがおすすめです。

神棚に足を向ける

神様に足を向けることは失礼にあたるとされています。ソファやベッドとの位置関係に配慮し、足が神棚に向かないように注意しましょう。

静かで落ち着いた空間を演出するDAIKEN『グラビオ羽目板V 古木柄』

神棚

最近は和室・洋室を問わず、インテリアになじみやすい神棚も登場していますが、神様をお祀りする場所はできるだけ静かで落ち着いたスペースにしたいものです。

DAIKENでは部屋を様々な印象に演出できる建材を展開しています。『グラビオ羽目板V 古木柄』は、古木調の風合いにより静かで落ち着いた空間を演出する不燃羽目板です。
不燃性にすぐれており、天井だけでなく壁材としても使用できるため、神棚を設置するのにぴったりの静謐な空間をつくり出せます。神様をお祀りするのにふさわしい落ち着ける部屋に神棚を用意して、家族の健康と無事を願う場を設けてみませんか。

まとめ

神棚は、家族や家を守る神様をお祀りする大切な場所です。近年は神棚を置かないご家庭も増えていますが、神様に見守ってもらうことで心の拠り所ができ、安心して暮らせると考える人も少なくありません。

長く付き合っていく神棚だからこそ、どのような神棚にするか、どこに飾るのかなどよく考えて設置することが大切です。お供えやお神札は大切に扱い、日々心を込めてお手入れを続けていきましょう。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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