高齢者施設内の課題テーマ
2 音への配慮
入居者様のプライバシーを重視しながら、
音の響きや近隣への音の配慮、
コミュニケーションがとりやすい音環境を実現します。
高齢者施設における「音」の悩み

※写真は弊社製品ではありません。
- 入居者様
- 居室内のテレビの音だけでなく緊急のアラームも、
響いてよく聞き取れない…

※写真は弊社製品ではありません。
- スタッフ様
- スタッフルームからの音や廊下を歩く足音が
居室の中まで聞こえないか気を使う。

遮音対策や、反響音などの
課題を改善します。
「高齢者施設の音環境」について
施設内には居室をはじめ、オープンな談話室、娯楽室など、
入居者様が複数で会話されるスペースも多くあります。
プライバシー保護、会話漏れに関して、
どの程度気にされているのでしょうか?
高齢者施設にくわしい「トータル介護アドバイザー」の
青山氏にお話を伺いました。
-
ケアプロデュース RX組代表
青山幸広 氏
全国で施設向けの介護アドバイス、介護技術研修、介護人材育成、さらには福祉施設の設計アドバイスを手掛ける。著書に「青山流がんばらない介護術」講談社 他
高齢者施設での音に関する問題は、
どんなことがあるでしょうか?
●居室内で話す携帯電話の声や、テレビの音などが外に漏れてしまうこと、逆に廊下を歩く足音や、ドアの開け閉め、掃除機の音などが、居室内に聞こえてしまうことです。
●また、入居者様同士の会話や、笑い声など、耳が遠くなっておられる方にとっては、特に聞こえづらくストレスに感じる方も少なくありません。

高齢者施設内で音に配慮しなければ
いけない場所は、どんなところがあるでしょうか?
●施設内に必要な談話室などの共同生活スペースは、廊下に面していることが多く、会話の内容が、他の人に聞かれたり、また会話が漏れ聞こえたりするのを気にされる方がいます。
●会話漏れしない相談室のようなスペースの設置をおすすめします。

居室内での音環境に関しては
いかがでしょうか?
●現在、高齢者施設は一人部屋がほとんどです。そのため、音の反響が気になります。テレビの音や、ナースコールの音などが聞こえにくいとの話しをお聞きします。
●意外とナースステーションの、ナースコールのブザー音や、パソコンのキーボードをたたく音は、深夜気になる方がおられます。

音に関する問題で、
何らかの対策は行っていますか?
●共同スペースでは、感染予防ということもあり、テーブルにアクリル板を置いています。これで会話漏れは、ある程度防げます。また床をタイルカーペットにしたりして足音をおさえています。
●居室の壁や天井は、音が反響しにくい建材を採用。特に、畳敷きにしている部屋は、音の反響をおさえられている気がします。畳には、吸音効果があります。

●それでも、音に敏感な方には、トイレやナースステーション、食堂に近い部屋から離れた居室に移動していただくこともあり、何か改善できる建材や製品があれば、ありがたいですね。

写真:楽技介護塾 紫野庵
遮音性を高めるために

ドア:音配慮吊戸・片引 インセットタイプ Aデザイン〈ダルブラウン〉
壁材:グラビオLB 木目柄〈ダルブラウン〉
壁材:グラビオエッジ ブロッコ〈ライトグレー〉
壁材:グラビオUB〈ダルブラウン〉
壁材:グラビオLB 石目・抽象柄〈LB16〉
床材:コミュニケーションタフⅡ DW〈ウォールナット〉
開口部から室外に漏れる会話や音を軽減する吊戸です。
スピーチプライバシーへの配慮が必要な施設内医務室などにおすすめします。
※本提案は、施設内医務室の外の廊下でBGM(50dB程度)が流れていることを想定しています。廊下や隣室の暗騒音が50dB以下の場合は、本提案の遮音性能では足りませんので、予め現場の暗騒音をご確認ください。
※暗騒音とは、音漏れ先(隣の部屋、廊下など)が元々どのくらいの静けさなのかを表します。賑やかな場所は「暗騒音が大きい」、静かな場所は「暗騒音が小さい」と表現します。暗騒音が大きいと、部屋から漏れてきた音がかき消されて聞こえなくなりますが、暗騒音が小さいと音漏れがハッキリ聞こえてしまいます。
- 吊戸ドア
- 吊戸で約25㏈/500Hzの
遮音性能を実現します。
■対応製品 : 音配慮吊戸・片引

- ❶戸先側気密パッキン
- 目立ちにくい小型のパッキンを採用し、意匠性に配慮。

※写真はインセットタイプ
- ❷上部シャッター装置
- 気密パッキンが吊車の動きと連動して降りることで、パッキンによる操作時の抵抗を最小限に抑えます。

開放時

閉鎖時
- ❸下部シャッター装置
- 閉鎖直前にシャッターが降りる機構のため、操作中の違和感がなく、一般の吊戸に近い操作性を実現。

開放時

閉鎖時
- ❹戸尻側気密パッキン
- 方立と扉のクリアランスを15mmに設定し、隙間をふさぐパッキンを軟質ゴム製とすることで、指はさみなどの安全性に配慮。また、高さが異なる2枚のヒレを対面させて配置し、閉鎖時にパッキンが重なることで遮音性を確保します。

※写真はインセットタイプ
- 片開きドア
- 下枠無しで約35dB/500Hz の遮音性能を実現。
遮音性能とともに使い勝手も充実させました。
■対応製品:防音ドアWタイプ[G35]片開き

公共商業施設向けに特化した木製の防音ドア。相談室やスタッフルームなど、インテリア性にもこだわりながら、話し声などの音漏れに配慮したい場所におすすめです。
※上記性能は弊社実験室での測定結果です。実際の建物では様々な条件によりバラツキが発生しますが、30〜35dB/500Hz程度の遮音性能が見込まれます。
吸音性を高めるために

天井材:ダイロートン メディカルトーン ワイド直張〈クリアスター〉
ドア:防音ドア Wタイプ[G30]片開き 00デザイン〈クリアベージュ〉
床材:コミュニケーションタフⅡ DW 捨張工法用〈アッシュ(クリア)〉
音の響きを吸収して反響を少なくすることを「吸音」と言います。
医務室や相談室など大切な話をする空間において、天井材や壁材で、声の響きを和らげ、
会話を聞きやすくすることができます。

音の響きとニオイを抑えるメカニズム
表面の無数の穴から入った音が、内部の細かい繊維との摩擦により減衰、吸収されることで音の響きを抑えます。さらに表面に施した加工により、消臭効果を発揮します。
- 天 井
- 響きを抑えて会話や音を
聞き取りやすくします。
会話や音の聞き取りやすさが必要な場合は、
天井仕上げ材に吸音性能が優れた建材をおすすめします。
- 壁
- 会話や音の聞き取りやすさ(吸音)、
隣室への音漏れ(遮音)を改善します。
音の問題は開業後に気づくことも。
後から吸音対策ができる 後付けタイプもあります。
表面材
OFF TONE(オフトーン)
マグネットパネルN吸音

スチールパーティション等、スチール面に簡単に取付けできる吸音パネルです。
同梱部材を使用すれば石膏ボード下地にも取付けできます。
後付けができます
防音仕様提案
高齢者施設向け
関連コンテンツ
- 高齢者施設向けコラム(記事)
- 特養(特別養護老人ホーム)における尊厳の保持と自立支援を目指したユニットケアとは?
- 小規模多機能型居宅介護 創設の背景 利用条件や求められる基準、施設環境とは?
- 小規模多機能型居宅介護とは ~介護保険制度による注目の訪問+通所のサービスをご紹介~
- 人間の尊厳とは? 尊厳の保持と自立支援につながる施設環境づくり
- おしゃれな花壇の作り方 施設利用者の心身に良い効果をもたらす園芸療法と雑草対策にも注目
- 家のアプローチとは何のこと? 来訪者の第一印象を左右する“建物の顔”にこだわりを
- テラスとはどの部分? バルコニーやベランダ、ウッドデッキとの違いと施設名に「〇〇テラス」が多い理由
- 手すりはなぜ必要? 手すりの種類とそれぞれの役割、設置場所別の要注意ポイント
- 介護老人保健施設(老健)とは? 入所条件や特徴、リハビリからターミナルケアまで
- 高齢者施設におけるヒヤリハット事例!インシデントとの違いと予防策、求められる設備
- 特別養護老人ホーム(特養)とは? 入居の条件や特徴、早期入居が見込めるユニット型特養もご紹介
- 高齢者の暮らしをデザインする設計
- ピクトグラムでわかりやすく! ユニバーサルデザインを高齢者施設に
- 高齢者施設におけるインクルーシブデザイン ノーマライゼーションの違いとは?
- 認知症ケアで注目のユマニチュードとは? 人の尊厳を守るコミュニケーション方法と環境整備
- 部屋を快適な湿度にするには何%が適正? 高齢者には湿度が高い、低い どちらが良い?
- 高齢者施設に調和する色は? アースカラーでリラックスできる施設環境づくり
- 高齢者のQOL向上・ウェルビーイング実現のため、まずはスタッフの職場環境改善を
- 高齢者施設の種類と違い 「特養」「老健」「サ高住」など各施設の特徴をチェック
- グループホームと特養の違いとは? 看取り介護への対応や求められる設備について
- ADLとQOLの違いを知り、自立支援を! 介護スタッフと高齢者施設に求められるものは?
- ロボットが高齢者施設で活躍! 介護ロボットの見守り支援機器を自立支援に使う方法
- BCP(事業継続計画)が2024年から高齢者施設で義務化 その内容とやるべきこと
- 終活を始めるタイミングは? 生前整理から終のすみかの検討まで、やるべきことをチェック
- セカンドライフを考えよう 高齢者施設で充実した生活を送るには
- 【第1回】第一線で活躍する社会課題の解決を目指すデザイナーが語る「高齢者にやさしい環境づくり」
- 引き戸にも開き戸にもなる新発想のドアで高齢者施設トイレを使いやすくコンパクトに
- 【第1回】高齢者施設の安全について考える 高齢者特有の危険が潜む室内ドア
- 【第2回】高齢者施設の安全について考える 転倒・転落リスクを軽減させる床
- 【第3回】設計前に抑えておきたい 高齢者施設スタッフが感じる室内ドアの「困りごと」
- 【第4回】設計前に抑えておきたい 高齢者施設スタッフが感じる床の「困りごと」
- 筋力低下の予防に! 高齢者の全身運動に適したポールウォーキング
- 高齢者の低体温には要注意! 対策と高齢者施設に求められる設備
- 自分らしい生き方ができる高齢者施設
- クリニック・医院設計における建材選びについて
- 安心安全な高齢者施設を考える。建材で菌から守る空間づくり
- 湿気対策で快適に! 湿度が高い雨の日を健康的に過ごす方法
- 施設の収納に必要なおもいやり。満足度の高い共有スペースのあり方
- 車椅子はレンタルがお得? 選択のポイントと利用時の注意点
- 高齢者のレクリエーションを考える。お手入れしやすく喜ばれるくつろぎの畳スペース
- 高齢者施設の価値を高める 木質空間を叶えたWPC床材
- 筋力が低下した高齢者も安心できる転倒予防・対策を 高齢者施設に必要な気配りとは
- ニューノーマル時代の高齢者施設 接触衛生対策の負担を減らすには
- 介護スタッフの負担と保守費を抑えた高齢者施設づくりのポイントとは
- 多忙なスタッフの業務を効率化! 汚れに強く掃除しやすい内装建材に着目
- 快適な空間づくりの第一歩 居室の気になる”におい”を改善する意外な建材とは?