高齢者のレクリエーションを考える。お手入れしやすく喜ばれるくつろぎの畳スペース

高齢者レクリエーション

高齢者施設では、定期的に運動やゲーム、歌を歌うなど様々なレクリエーションが行われていますが、これらはなぜ必要なのでしょうか。今回は高齢者施設におけるレクリエーションの必要性や種類などに加え、それを行うのに適した環境についても考えます。

レクリエーションはなぜ必要なの?

高齢者レクリエーション

高齢者施設では職員が日々様々なレクリエーションを企画し、実行しています。
これは実を言うと非常に大切なことなのです。

●レクリエーションの必要性
レクリエーションの必要性はいろいろありますが、今回はその中でも特に重要なものについて解説します。

・身体の機能を向上・維持する
レクリエーションを通して体をしっかり動かすことで、身体機能の向上と維持が可能となり、健康的な生活を送ることができます。

また、レクリエーションを通して腕・足・体幹などを集中的に鍛えれば、高齢者でも筋力を向上させることができます。

・他者と交流する機会が増える
高齢者になると他者とのコミュニケーションが少なくなります。介護が必要な人は特にその傾向が強くなります。そのような状態の人でも、レクリエーションに参加して、スタッフや他の利用者とコミュニケーションをとれば孤独を感じず、日常生活を送る上での楽しみを見つけることができます。

●レクリエーションの種類
レクリエーションには様々な種類があるため、介助が必要な人でもそれぞれに合ったものを選んで楽しむことができます。
主な例としては次のようなものが挙げられます。

・体を動かす
レクリエーションの代表的な種類です。体を動かすことで筋力を維持・向上することができ、転倒予防・歩行能力の持続などが期待できます。

・頭を使う
ボードゲームやカードゲーム、クイズに答える・課題を考えるなど、物事を比較したり計画を立てたりして頭を使うことにより、脳の機能を活性化させることができ、認知症の予防にもつながります。

・指先を使う
手芸や工作などの指先を使うレクリエーションは、手先の機能を維持するだけでなく、考える力も必要なため、身体と脳の両方に有効です。また、座った状態でも実行可能なため、常時介護が必要な人にもできるなど、様々な状態の人に適用することができます。

・音楽を使う
好きな音楽などを聴いたり歌を歌ったりするレクリエーションも気持ちがリラックスできるだけでなくストレスの発散に効果があります。

高齢者には落ち着いてくつろげる空間が大切

レクリエーションが行われる場所は、施設内の談話コーナーや食堂などが多いと思いますが、高齢者がくつろいでレクリエーションをする場所としておすすめしたいのが畳スペースです。特に茶道や生け花、日本画、百人一首など、和風のレクリエーションを行う時は畳のスペースがあると重宝します。

日本人はもともと和室を好む民族です。2017年発行の「日本家政学会誌」に掲載された『居住者の和室に対する思い入れ及び要求と今後の和室の展望について』によると、9割以上の人は和室が好きと感じていることが分かりました。

●和室に対する意識「和室は好きですか」

高齢者レクリエーション

出典:一般社団法人 日本家政学会「日本家政学会誌vol.68 No.12 P674~686『居住者の和室に対する思い入れ及び要求と今後の和室の展望について』」表2より(2017年)※共に回答者の平均年齢は43.8才(男性25.8%、女性72.6%)

和室は高齢者にとって子供の頃からごく身近な存在でした。また、その頃に感じた「におい・感触が好き」などの記憶を五感が覚えているため、上記の学会誌による調査では、半数以上の高齢者が和室に特別の思い入れを持っていることが分かっています。

●「和室に対して特別の思い入れがあるか」

高齢者レクリエーション

出典:一般社団法人 日本家政学会「日本家政学会誌vol.68 No.12 P674~686『居住者の和室に対する思い入れ及び要求と今後の和室の展望について』」表5より(2017年)

畳が持つ肌触りの良さは独特で他に類がないため、高齢者がリラックスして過ごせる空間づくりを目指す際には、ぜひとも採用を検討したいものです。

安心してレクリエーションに使える畳

高齢者レクリエーション

施設で多くの時間を過ごすことになる高齢者にとって、気持ちの安らぐ空間があることはとても大事です。そうした観点からも畳スペースをつくることは大きなメリットを生みます。

ただ、高齢者にとっての畳はメリットも多いものの、長期間使用した場合は日焼けや傷による張り替えが必要になったり、水をこぼしてしまったりした時などの処置に手間がかり、メンテナンスや掃除をするスタッフの負担が増えてしまう可能性もあります。

しかし、最近はい草の畳だけでなく、和紙や樹脂製などの擦り傷や汚れに強い畳も登場しています。これらは日焼けもしづらいため、張り替えの回数を減らせるのもポイントです。スタッフの手間を増やすことなく高齢者に適した畳スペースを用意したい場合は、選択肢のひとつとして検討してみても良いかもしれません。

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