快適な空間づくりの第一歩 居室の気になる”におい”を改善する意外な建材とは?
目次
多数の高齢者の方が集う施設では、必ずといってよいほど“におい”に関する問題があります。
その要因は様々ですが、放置しておくと施設の利用者やその関係者だけでなく、そこで働くスタッフが不快な思いをし続けることになり、さらには施設のイメージにも影響してしまいます。今回は高齢者施設における、においの問題と対処法に加え、快適な空間づくりについて考えていきます。
高齢者施設特有のにおいの原因は“複合臭”?
高齢者施設のにおいについて考えられる原因の筆頭としては、排泄介助の際などに発せられる尿や便などの排泄物臭が挙げられます。しかし、実際の原因はそれだけにとどまらず、汗や加齢臭などの体臭や、唾液不足による口臭、寝具や衣服に染み付いた臭い、食物の臭い、薬品の臭いなど、様々な臭いが混ざり合った複合臭が高齢者施設特有の不快なにおいになっているようです。
糖尿病などの慢性疾患を抱えている人は特に体臭が出やすい傾向にあり、動くのが面倒で入浴をしたがらない利用者もいるため、対応が難しい場合もあります。
スタッフは我慢している? 施設におけるにおいの問題
そもそも、高齢者施設に勤務するスタッフは、においをどのように捉えているのでしょうか。
全国の高齢者施設で働くスタッフを対象に実施された「高齢者施設のにおい環境と対策に関する全国調査(金 勲、阪東 美智子、 林 基哉、大澤 元毅/日本建築学会環境系論文集/2018)」では、においが気になる場所として「居室」が最も多く、次いで「廊下」「共用室」という結果が出ています。
また、気になるにおいとして9割以上が「排泄臭」を挙げ、次いで「体臭」「食物臭」の順となっています。 この結果から言えることは、不快なにおいを感じているものの、高齢者施設という特性上、我慢しながら働いているスタッフが多いということです。ただ、スタッフが不快に感じているということは、同時に利用している人たちも不快なにおいを認識している可能性が高いでしょう。
快適な環境づくりには様々な要因が絡み合ってきますが、においの問題も決して無視できないということです。
換気に清掃! 快適な環境づくりにはこまめな対策を
それでは、具体的なにおい対策としてはどのようなものがあるでしょうか。
不快なにおいが発生しやすいポータブルトイレはこまめに消毒・清掃をおこない、晴れの日は天日干しで殺菌します。また、排泄物を入れるバケツにはトレイットペーパーを敷いておくと後の処理がしやすくなります。 そして大事なのが、定期的に建物内の空気を入れ換えること。さらには空気清浄機・脱臭機の導入、消臭スプレーや置き型消臭剤の使用、トイレや建物内のこまめな消毒・清掃、フタつきゴミ箱の使用などが挙げられます。
ただ、多忙なスタッフがこれらの対策を常に実行し続けるのは大きな負担であり、例えすべての対策を行ったとしても、においの問題はなかなか解消しづらいのが現状です。
天井が消臭? スタッフも利用者も快適に過ごせる施設へ
スタッフの手をわずらわせることなく、におい対策をすることはできないのでしょうか。
それが可能な建材としておすすめしたいのが、消臭機能を備えた天井材です。
天井材であれば室内の邪魔にならず、設置するだけで自然な形でにおいを低減してくれるので、多忙なスタッフに負担をかけず、施設の利用者も快適な空間を享受できます。
施設の第一印象を大きく左右するにおいの問題。高齢者施設だから当たり前、と放置するのではなく、少しでも軽減化する努力が求められています。 利用者・スタッフに気持ちよく過ごしてもらうためにも、快適な空間をつくることを「当たり前」にしていきましょう。
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