車椅子はレンタルがお得? 選択のポイントと利用時の注意点

車椅子

歩行が困難な人の移動をサポートし、介助者の負担を軽くしてくれる車椅子。
いざ必要になった時、導入する方法としては主に「購入」か「レンタル」が挙げられますが、どちらを選択すべきなのでしょうか?

この記事では、それぞれの特徴をご紹介し、どちらがお得なのか、分析していきます。

車椅子はレンタル、購入のどっちがいい?

結論からいうと、使う人の状況や使用する期間によって、どちらを選択すべきかは異なります。

まずレンタルについてですが、要介護認定または要支援認定を受けた人は、介護保険の適用を受けることにより、通常料金の1割負担で車椅子をレンタルできる可能性があります。
車椅子レンタルの相場は月額約5000~6000円ほどなので、介護保険を活用することで月額約500~600円と、レンタル料金をかなり抑えることができます。

しかしその一方、車椅子を購入する場合には介護保険が適用されません。標準的な車椅子を購入するなら、安価なもので20000円程度でしょう。これを自己負担することになります。

以上を踏まえ、介護保険が適用できる状況なら、レンタルのほうがお得な可能性があります。

ただし、長期間利用する前提の場合は購入も視野に入れることをおすすめします。
料金はレンタル、購入ともに業者や製品の種類によって違いますが、おおよそ4~5年使うなら、レンタルよりも購入したほうがトータルコストは安く済む可能性があります。長期間にわたって車椅子を利用する可能性が高い場合は、慎重に検討しましょう。

また、要介護1または要支援1~2の方は原則的に介護保険の適用対象外(例外的に認められる場合もあり)となりますので、その場合はレンタルよりも購入の方がトータルコストを抑えられる可能性が高いです。

車椅子を購入するかレンタルするかは介護の度合や利用する期間などを踏まえた上で判断しましょう。

車椅子は体に合ったものを慎重に選ぼう

車椅子

車椅子は、どのような基準で選べばよいのでしょうか。
一般的な車椅子には、自走式と介助式の2種類があります。

自走式は、車椅子の利用者が自走させることのできる車椅子で、後輪が大きく、操作するためのハンドリムと呼ばれる部品が取り付けてあるものをいいます。介助者が操作することも多い場合は、介助ブレーキ付きの自走介助兼用車椅子が便利です。

一方、介助式は介助者が押して移動させるタイプの車椅子で、後輪が小さくてハンドリムがなく、利用者が自走させることのできないものをいいます。介助者が操作しやすいように介助ブレーキが付いており、車輪が小さいため小回りがしやすく、収納もしやすいものが多いのが特徴です。

また、一般的な車椅子の他にも、背もたれが倒れるリクライニング式や、電動で移動ができるタイプなど、種類もかなり豊富ですので、利用する方に適した車椅子を選びましょう。

車椅子を選ぶ基準としてはサイズも重要です。サイズが身体に合っていないものは、座り心地が悪かったり、滑り落ちてしまったり、場合によっては褥瘡(じょくそう=お尻の傷)などにつながったりする場合もありますので、必ず身体に合ったサイズを選んでください。

さらに、使用する場所や時間を踏まえ「問題なく移動できるか」「通路を通れる大きさか」「周囲の邪魔にならないか」などにも気を配りましょう。

介助式の車椅子は介助者の存在を含めて考え、「操作時に周囲にぶつからないか」という点も重要です。

車椅子で過ごす室内の配慮

車椅子

車椅子の操作は一見シンプルですが、様々な点に注意する必要があります。

基本的な操作に加え、「しっかりと腰掛けられているか」「身体が傾いていたり、前のめりになっていないか」「両手は膝の上など、安全な場所にあるか」「両足はフットレスト(足を乗せるための台のようなもの)に乗っているか」などの点に注意しながらゆっくりと操作しましょう。
周囲に気をつけてゆっくりと操作をすれば、大きな事故を防ぐことができます。

しかし、車椅子のフットサポートやタイヤ、介助者が握るハンドルなどは設計上ぶつかりやすく、壁などに接触する場面がどうしても発生してしまいます。
特に、車椅子を操作しながらドアを開けたり、狭い通路で直角に曲がったりする時などは気を付けましょう。ドアの表面や開口部、通路のコーナー、狭い場所の壁などは非常に接触しやすいので要注意です。ぶつけやすい柱の角などには、カバーを取り付けるのも一つの手段です。カバーがあれば、万が一ぶつけた際に傷つくのを防げます。

車椅子の利用が多い高齢者施設は、あらかじめ耐久性が高く、傷や汚れがつきにくい建材の採用も踏まえて設計するのが望ましいでしょう。気をつけていても車椅子とドア・壁の接触は完全に防ぐことが難しいので、傷に配慮した建材を導入しておけば、被害を最小限にとどめることができます。居室の出入口など、ついついぶつけてしまいがちな場所にはうってつけですので、ぜひご検討ください。

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