おしゃれな花壇の作り方 施設利用者の心身に良い効果をもたらす園芸療法と雑草対策にも注目

認知症や障がいを持つ高齢の方々にとって、心身の健康維持や生活の質を向上させることは重要な課題です。そこで注目されているのが、園芸療法というアクティビティ(体を使う活動)です。園芸療法は植物を育てる体験を通して、心身の健康に好影響をもたらすものであり、その効果が高齢者施設でも期待されています。
この記事では、園芸療法の効果や方法、高齢者施設への取り入れ方について解説します。また、園芸療法を始める際に検討しておきたい、おしゃれな花壇の作り方と雑草対策についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
園芸療法とは? 期待できる効果は?

園芸療法は、植物を育てる過程を通して、心身の健康や生活の質を向上させる目的で行われます。
この療法は1990年代初頭から日本でも一般的に知られるようになりました。
特に高齢者や障がいを持つ方々に対して、様々な効果が期待されています。
例えば園芸療法の効果として挙げられるのは、社会性の向上です。園芸を通じて共同作業を行ったり、他の参加者とコミュニケーションしたりすることで、交流の機会が増え、孤立感の軽減や社会的なつながりの強化が期待できるでしょう。
また、園芸療法は、精神面・身体面にも非常に良い影響を与えます。植物を育てる際に必要な、座る、立ち上がる、土を耕す、草をとる、運搬するなどの軽度な運動は、筋力の維持やリハビリに効果的です。加えて、自然と触れ合い、植物を育てる過程での満足感や達成感は、思考力や想像力の向上、ストレスや不安の軽減にもつながります。
高齢者施設に花壇を 園芸療法を取り入れるには

園芸療法を導入するには、まず施設の内外に適切なスペースを確保する必要があります。
もし花壇をつくるための庭や畑がない場合は、プランターをひとつ用意するだけで始めることができます。とりわけ、車イスの利用者が多い施設には、レイズドベッド(高さのある花壇)がおすすめですが、テーブルや台にプランターを置いて作業することも可能なため、環境に合わせた工夫を取り入れて、利用者が快適に参加できる空間をつくりましょう。
次に、介護や園芸の知識と経験を持ったスタッフや、ボランティアの募集が必要となります。園芸が好きで利用者とコミュニケーションが取れる人であれば始められますが、園芸療法士という専門の資格を持った人がいれば、効率よく効果的に園芸療法を行うことができるでしょう。
園芸療法を始める際は、目的を明確にし、利用者の心と身体の状態、興味、関心に応じて、何を育てるかなどを考えたうえで、プログラムを計画することがとても重要です。
おしゃれな花壇を作るコツ 雑草対策もポイント

おしゃれな花壇は、施設内や庭園に鮮やかな彩りと活気を与える重要な要素です。利用者が興味を持ち、心地良さを感じるためには、花壇のデザインや手入れも大切です。
ここからは、おしゃれな花壇を作るコツをいくつかご紹介します。
【育てやすい植物を選ぶ】
手間がかからない植物や長く咲き続ける花を選びましょう。手始めには、メンテナンスの負担が軽く色も豊富なリーフ類や、比較的育てやすく開花の期間も長いマーガレットなどがおすすめです。
【視覚的なバランスを考える】
高低差をつけることで花壇に立体感を与えましょう。手前には丈の低い植物を配置し、奥に行くほど高い植物を植えるとバランスの取れた美しい花壇になります。また、レンガや天然石、人工木製の柵などを使って土留めや縁切りを行うと、より魅力的になります。
【雑草対策をしっかり行う】
おしゃれな花壇を維持するためには雑草対策も重要です。利用者の健康に及ぼす影響を考慮すると、除草剤ではなく防草シートがおすすめ。防草シートは雑草が生えるのを防ぎながら、植物の成長は妨げません。一度敷いてしまえば、手間のかからない長期間の雑草対策が可能です。
まとめ
園芸療法は施設利用者の心身を健康に保つとともに、生活の質を向上させるために効果的なアクティビティとして注目されています。さらには心地良さや喜びを感じさせるだけでなく、身体的なリハビリテーションや社会性の向上にも役立ちます。また、おしゃれな花壇は施設の内外に活気を与える大切な要素となります。そのような効果をもたらす花壇を美しく保つためにも、雑草対策は欠かせません。防草シートの活用に適切な植物選びや配置など、手間をかけずに美観を維持し、より効果的な園芸療法が行える環境を作っていきましょう。
なお、雑草対策は商業施設においても非常に大切です。下記の記事を参考にしてみてください。
⇒「店舗周辺の雑草対策 お客様に好印象をもってもらうためにできることは?」
他にも、学校や保育・幼稚園の現場における雑草対策についても下記の記事でまとめていますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
⇒「学校の校庭における雑草対策 除草剤を使用せずに敷地内の美観を維持するには」
⇒「保育園・幼稚園での雑草対策 ビオトープを導入する際の注意点もご紹介」
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