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2025-06-23

ビルトインガレージが住まいと暮らしの充実につながる!? ガレージ計画のポイント

家づくりにおいて、愛車の保管場所をどう確保するかは重要な検討材料の1つです。カーポートを設けたり、別棟にガレージを建てたりするほかに、ビルトインガレージを選択する方もいます。
ビルトインガレージは車を安全に駐車するのに適した方法ですが、使いやすさと安全性を確保するには慎重な計画が必要です。
今回は、暮らしをより豊かにするビルトインガレージの魅力と、建築時に注意したいポイントを、機能とデザインの両面から解説します。
あわせて、ビルトインガレージを素敵に演出するDAIKENの製品もご紹介します。

ビルトインガレージとは

ビルトインガレージとは建物の中に組み込まれるガレージで“インナーガレージ”とも呼ばれます。ほかにも、車好きの方がガレージを中心とする家を設計した場合に“ガレージハウス”などと呼ばれることもあります。

通常、ビルトインガレージは2階建て以上の住宅の1階部分に設置されますが、平屋でも間取りを工夫してビルトインガレージを取り入れることは可能です。
ただし、建ぺい率や容積率による制限でガレージ部分が住宅全体のプランに影響を与える場合があるため、家を建てる際は施工会社と相談し、慎重に検討しましょう。

ビルトインガレージのメリット

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

ビルトインガレージには様々なメリットがあります。その中でも主なものを紹介します。

愛車を守りやすい

ビルトインガレージは屋内のため、愛車が風雨や直射日光によるダメージを受けにくく、洗車やメンテナンスの頻度が減ります。
防犯面でも盗難やいたずらなどのリスクを軽減できるのが大きな利点です。

生活動線がスムーズになる

ガレージが玄関から遠いと、悪天候の日や荷物が多いときは荷物の出し入れが大変になります。例えばビルトインガレージを玄関やキッチンの近くに設け、屋内とビルトインガレージをつなぐ出入り口を設置すれば、荷物の搬出入や乗降が楽になる快適な生活動線が生まれるでしょう。

土地の有効活用ができる

都市部では月極駐車場の料金が高くなりがちですが、ビルトインガレージなら自宅の土地を有効活用し、限られた敷地でも駐車スペースを確保できます。結果として、長期的なコスト削減につながります。

収納などにも使える

ビルトインガレージは車を停めるだけでなく、アウトドア用品などの収納場所や趣味を楽しむスペースとしても使用できます。また、車を外に出してホームパーティーなどに活用するなど、多目的なスペースとしての可能性も広がります。

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ビルトインガレージのデメリット

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

ビルトインガレージには、いくつかのデメリットもあります。

耐震性・防火性対策により建築コストは高め

ビルトインガレージは柱のない大きな空間を確保するため、構造の補強をしっかりしておかなければいけません。また、建築基準法に基づき防火性能のある建材の使用が求められるため、一般的な住宅に比べてコストが多くかかる傾向にあります。
また、ビルトインガレージの場合は建物の3要件(3方向が壁に囲まれている・基礎などで土地に固定されている・特定の用途を有する)を満たしている場合は固定資産税の対象となる場合があります。
関連記事⇒「カーポートとは? ガレージとの違いと値段、固定資産税についてもチェック!

居住スペースが制限される

住宅の一部をガレージとして使うので、どうしても居住スペースは限られてしまいます。計画の段階から間取りやゾーニングの工夫が求められることも少なくありません。

エンジン音やシャッター音がうるさい

ガレージが居住空間とつながっていると、早朝や夜間など出入りの際にシャッターの開閉音やエンジン音が気になるかもしれません。

車の買い替えや台数を増やせないなどの制限がある

今持っている車に合わせた大きさのビルトインガレージだと、大きな車への買い替えや台数を増やせないという悩みが生まれる場合もあります。

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便利でおしゃれなビルトインガレージを計画しよう

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

ビルトインガレージの計画・建設にあたっては、どのようなガレージを望んでいるのか、ライフステージなども考慮しながら計画しましょう。 ガレージには種類や位置によって、いくつかのパターンが考えられます。

シンプルな車庫として

余計な装飾を抑えたシンプルなビルトインガレージは、車の出し入れがしやすく、床・壁の掃除やメンテナンスも比較的容易です。必要な機能だけをコンパクトにまとめながら、コストを抑えつつ快適な駐車スペースを確保できます。
広い敷地を確保しにくい都市部で3階建てにするなどの際に採用されるケースが多くあるようです。
関連記事⇒「3階建てのメリットとデメリットを考える ビルトインガレージがある家も可能に!

部屋に隣接するビルトインガレージ

車好きの方なら、ビルトインガレージをリビングに隣接させ、室内から愛車を眺められる設計にするのもよいかもしれません。ガレージの内装にも気を配れば、まるでショールームのような雰囲気を楽しめます。愛車を引き立てる空間づくりにも熱が入りそうです。

玄関とつながるビルトインガレージ

ビルトインガレージを玄関に直結させれば、雨の日でもぬれずに荷物の搬出入ができ、家族の送迎などもスムーズになります。
玄関ポーチを兼ねるガレージなら、家の“顔”となる玄関周りが印象的になり、外観のアクセントにもなるでしょう。

ビルトインガレージを採用する際の注意点

ビルトインガレージを安全に、快適に使用するには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。車の出し入れや動線との関係、安全面の配慮など、採用する際に注意しておきたい点を解説します。

入出庫と人の動線をあわせて考える

使いやすいガレージにするためには、生活する人の動線に気を配ることが大切です。
車への出入りがスムーズなのはもちろんですが、安全面にも考慮して、玄関や勝手口などを結ぶ人の動線と、車の入出庫の動線ができるだけ重ならないようにしましょう。

排ガス対策を忘れずに

壁に囲まれたビルトインガレージは排ガスがこもりやすいため、適切な換気計画が必須です。機械換気設備の設置、もしくは自然換気ができる窓を付けるなどの設計、通気性のあるシャッターの選択などが考えられます。

また、排気が居住スペースに入らないよう考慮すると同時に、排気の方向が近隣の迷惑にならないように設計する必要もあります。

床・壁・天井の部材について

ビルトインガレージを計画する際は、火災時のリスクを軽減するため、使用する素材の耐火性や耐久性に配慮する必要があります。
建築基準法の内装制限に基づき、ガレージの壁や天井には不燃材料または準不燃材料(※)を使用することが義務付けられています。

また、開口部や耐力壁を高強度な構造にすることで、大きな空間があっても耐震性を確保できます。床には耐水性や耐油性にすぐれた塗料を使用すると、オイル汚れなどが染み込みにくくなるためおすすめです。
(※)不燃材料とは、火災時に一定時間燃焼しない性能を持つと国土交通大臣が認定した建材のこと。不燃継続時間は、不燃材料20分、準不燃材料10分。

音・寒さ・防犯の対策も必要

早朝や夜間のエンジン音やシャッターの開閉音は気になるものです。シャッターを設けないビルトインガレージもありますが、防犯やプライバシー保護のためにシャッターを付ける場合は静音タイプのものを選びましょう。
さらに、施錠機能や防犯カメラ、センサーライトの導入などの対策を講じれば、安心感も高まります。

また、ビルトインガレージを居住空間として日常的に使用する場合は、前述した内装制限のほか、24時間換気や採光のための窓、冷暖房機器の設置を考慮する場合もあります。

細部にも気を配る

ビルトインガレージを快適な場所にするには、照明、収納など細部の工夫も大切です。間接照明やスポットライトを設置すれば、車を美しく見せられるうえ、庫内が明るくなり安全性も向上します。
カーグッズや工具は“見せる収納”で収納すれば、機能性とデザイン性を兼ね備えた空間になるでしょう。

おしゃれでかっこいいビルトインガレージを叶えるDAIKENの建材

DAIKENでは、ビルトインガレージにぴったりの製品をラインアップしています。室内とガレージの間に設置することでスタイリッシュな空間を演出できる室内窓と、隠れ家的に趣味のアイテムなどをディスプレイできる収納ユニットをご紹介します。

部屋とガレージをスタイリッシュに演出する『ieria(イエリア)ルームウインドウ』

『ieria(イエリア)ルームウインドウ』は、室内とガレージが隣接する壁面に設置することで、空間の開放感と一体感を演出できる室内窓です。

開閉形態はFIXタイプ、フラップタイプ、引違タイプの3種類があり、いずれも細めのスタイリッシュなフレームのラインが空間を引き立ててくれます。

ガレージ内に隠れ家兼収納を! 『内部ユニットFiTIO(フィティオ) 背面棚柱タイプ個室プラン』

内部ユニット FiTIO(フィティオ) 背面棚柱タイプ』の個室プランは、ガレージ内に“隠れ家”をつくるのに役立つ内部ユニットです。背面の壁に棚柱を取り付け、棚板を設置することで、限られたガレージスペースを有効活用した、飾れる収納を実現します。

木製棚板は8色柄、棚を支える金具は3色のバリエーションがあり、ガレージの内装に合わせてコーディネートできます。

まとめ

ビルトインガレージは、日常の便利さと非日常の楽しさをあわせ持つ空間です。安全性や動線に注意して計画することで、単なる“車の置き場所”という枠を超え、家族のライフスタイルを広げる場として利用できます。

もう1つの部屋として、『ルームウインドウ』や、『内部ユニット FiTIO(フィティオ) 背面棚柱タイプ』の個室プランなどを採用してインテリアにもこだわれば、家の中に特別な場所をつくることができるのではないでしょうか。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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