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住まいをつくるうえで外観や庭のデザインは重要な要素ですが、よく耳にするのが“外構"と“エクステリア"という言葉です。ここでは混同されがちなこの2つの違いや外構を構成する構造物について解説し、それぞれが持つ役割とスタイルの種類や特徴を詳しくご紹介します。
外構とエクステリアの違い
外構とエクステリアは家の外回りに関する工事やデザインを考える際によく聞く言葉ですが、どのように違うのでしょうか。
●外構とは
家の敷地内に設けられる門扉やフェンス、カーポート、庭など、建物本体以外の外周部分の構造物や設備を外構と呼びます。敷地の機能性や利便性を高めるために計画されることが多く、主にプライバシーの確保や安全性の向上といった役割を果たします。
●エクステリアとは
建物の外壁や屋根、庭の景観といった外観と家の周囲全体を指す外構も含めた広い概念で、見た目や美観のような視覚的魅力を高めるデザインが重視されます。
●外構とエクステリアの違い
外構が機能性を重視する一方、エクステリアはデザイン性が重視されます。両者の違いは範囲と目的にあります。
外構が門扉や車庫、通路といった家に必要不可欠な要素を担うのに対し、エクステリアは植栽や装飾的な壁の設置など、美しさと楽しさを追求します。
これらの要素をうまく調和させると、家はさらに魅力的で居心地の良い空間へと変わるでしょう。
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2025.04.30
外構の種類
●門扉・門柱

門扉や門柱は家の入口を象徴する外構設備です。門扉には開閉のしやすさや耐久性が求められ、素材やデザインも多岐にわたります。また、敷地の防犯性を高めるという重要な役割も担います。
●玄関アプローチ

玄関へと続く通路部分であるアプローチは、住まいの第一印象を決める重要なポイントの1つです。タイルや自然石を取り入れた石畳やコンクリートに加え、植栽などを使って歩きやすさやデザイン性、耐久性を高めます。階段やスロープなどバリアフリーを考慮した設計のほか、夜間の安全を考慮した照明の配置も重要です。
●フェンス・塀

フェンスや塀は隣接する敷地との境界を明確にしつつ、プライバシーの保護や防犯対策、さらには景観の向上と維持を目的に設置されます。素材は木やアルミ、コンクリートなどがあり、それぞれに耐久性やデザインの自由度が異なります。例えば、庭の景観と調和するように設計されたフェンスや、風通しと視線を遮る機能を兼ね備えたタイプなどがあります。フェンスや塀をつくる際には地震対策にも配慮する必要があり、特にコンクリートブロック塀は建築基準法で最低条件が定められ、日本建築学会により設計・施工について規定されていますので、採用したい場合は専門家に相談しましょう。
●デッキ・テラス

リビングと庭をつなぐ役割のデッキやテラスは、リラクゼーション(リラクセーション)や趣味の時間が楽しめる屋外空間を活用したスペースです。ウッドデッキの場合、天然木材や人工木材が用いられていることが多く、自然と調和してあたたかみを感じられるでしょう。テラスの素材はタイルやコンクリートが主流で、屋外家具を配置すればアウトドアリビングとしても活用できます。
ただし、天然木などでウッドデッキをつくった場合、腐食したりシロアリ被害を受ける可能性があるため、こまめなメンテナンスが必要になることも事前に認識しておきましょう。
●カーポート・ガレージ

カーポートとガレージは雨風や紫外線から車を保護し、洗車やメンテナンスの負担を軽減して愛車の利便性を高めます。アルミやスチール製のものが一般的なカーポートは、比較的手軽に設置できる車専用の屋根付きスペースです。一方、ガレージは箱で車を覆う構造となっており、天候や防犯面での車両保護にすぐれています。
●植栽

庭や敷地に植えられる樹木や花々は、住まいに彩りを添えてくれます。庭木や花木、芝生を含む多種多様な植物を育てながら、季節の移ろいや自然の香りを楽しみましょう。植栽を選ぶ際はどのような庭にするか考えながら、敷地の日当たりや水はけといった気候や環境などの条件に合わせることが重要です。
植栽の注意点としては、植えた植物が敷地からはみ出したり、虫が発生したりすると、周囲の家や通行人に迷惑をかけてしまう可能性があることです。こまめな剪定、落ち葉掃除、害虫対策を心がける必要があります。
●照明
外構用の照明は防犯効果のある人感センサーが搭載されたタイプのように、夜間の安全性を高めるだけでなく、家の外観を美しく演出するというビジュアル面のメリットももたらしてくれます。足元を照らすポールライトや庭を引き立てるスポットライトなど、目的に応じて選びましょう。照明の種類も豊富で、ソーラーライトやLEDライトのように消費電力が少なく長寿命で環境負荷が低い、エコロジーでサステナビリティなものも増えています。
●ポスト・宅配ボックス
郵便物や宅配便の受け取りに便利な大きめのポストや宅配ボックスもニーズが高まっています。中でもデザイン性と実用性を兼ね備え、セキュリティ機能を持った宅配ボックスが人気です。また、近年では非接触型の宅配ボックスも登場し、安心して利用できるようになっています。
外構スタイルの種類
外部から建物へと続く空間のプライバシーや安全性を確保しつつ、美観も考慮した外構のデザインは大きく分けて3種類あります。
それぞれの特徴を理解して、ご家庭に合ったスタイルを選びましょう。
●オープン外構

フェンスや塀で敷地全体を囲わない開放的なデザインが特徴です。フェンスや塀を設けていてもまたげる程度の高さで、敷地内が外からほぼ見えるものはオープン外構に含まれます。広々とした印象を与えるスタイルなので、通行人や近隣との交流が生まれやすく、コストが抑えられるのもメリットです。ただし、一方ではプライバシーや防犯面でほかのスタイルに比べて不安が残ります。選択に際しては、小さなお子様や高齢者の有無といった家族構成、在宅時間や外出頻度などのライフスタイル、地域の状況を考慮し、防犯カメラやセンサーライトなどの設置も検討しましょう。
●セミクローズ(セミクローズド)外構

敷地の一部をフェンスや塀・植栽で囲み、なおかつ適度な開放感を保つスタイルです。周囲の一部に目隠しや侵入防止を目的としたフェンスや塀・生け垣などを設け、外からは敷地の中が見える箇所と見えない箇所があるのが特徴です。目隠しをする箇所の位置や範囲によっては死角が生まれやすいため、「入りやすく見つかりにくい」外構にならないようにプランニング時には注意しましょう。プライバシーと開放感のバランスが取れています。
●クローズ(クローズド)外構

敷地全体をフェンスや塀で囲み外部の視線を遮るスタイルで、プライバシーやセキュリティを最優先に考える方から選ばれています。高い塀やフェンス、ゲートなどの設置で敷地を完全に囲むことにより、外部からの視線を大幅に遮断します。
ただし、閉鎖的な印象を与えるため、デザインには工夫が必要です。また、高い塀は侵入する際の死角をつくりやすいうえに人目に付きにくく、空き巣に狙われやすい傾向がありますので、防犯カメラやセンサーライトの設置などセキュリティを充実させましょう。
マルチング材で雑草を予防! 環境にも配慮した『Decoマルチ』

庭や外構を美しく保つためには雑草対策が欠かせません。そこで役立つのがマルチング材です。
●マルチングとは
マルチングとは、庭や畑の地表を有機物や防草シートなどで覆うことです。雑草が生長するのを抑制するほか、土壌の乾燥や急激な温度変化を防ぎ、手軽に庭を管理する手段として広く利用されています。
●雑草予防なら、国産材100%使用の『Decoマルチ(デコマルチ)』
『Decoマルチ』は、DAIKENが開発した環境に優しいマルチング材です。国産材を100%使用しており、庭や外構を美しく保ちながら雑草の発生も防ぎます(※)。自然素材ならではの風合いが庭のデザインになじみやすく、見た目も美しい仕上がりになります。
(※)本製品は雑草の発生を予防するものであり、完全に雑草を防ぐものではありません。
●炭素を固定して環境にも配慮できる
『Decoマルチ』は1袋あたり約6kgの二酸化炭素を貯蔵することが可能な、環境負荷の軽減も期待できる商品です。国産の廃材を再利用してつくられており、資源の有効活用や廃棄物削減に貢献し、持続可能な社会を実現していきます。
まとめ
家の顔ともいえる外構とエクステリア。その違いを理解して機能性とデザイン性を兼ね備えた外構を計画することは、こだわりの住まいづくりを実現に導くうえでの重要なポイントです。雑草予防や庭の管理に役立つ『Decoマルチ』のようなマルチング材を活用して、外構を美しく保ちながら環境にも配慮した暮らしを手に入れましょう。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
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