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2025-06-23

勾配天井の魅力を知ろう インテリアや建材を工夫して空間をおしゃれに演出

屋根の傾斜を活かした勾配天井は、おしゃれで開放的な雰囲気を演出します。理想の家づくりに取り入れたいと考える方もいるかもしれません。
今回は勾配天井の魅力と、おしゃれに演出する方法、取り入れる際の注意点と、それをカバーするアイデアを紹介します。あわせて、勾配天井をより魅力的に見せるDAIKENの製品も紹介します。

勾配天井とは

部屋の天井は、通常、屋根裏の空間を天井板でふさぎ、クロスなどの仕上げ材を張って水平に仕上げます。一方、勾配天井は、屋根に沿って天井板を張って仕上げるため、天井面が傾斜した形になります。

梁(はり)や束(つか)などの構造材を見せる天井は、“梁見せ天井”や“現し(あらわし)天井”とも呼ばれ、勾配天井と組み合わせるケースも多くみられます。
空間に開放感をもたらす勾配天井は、平屋やロフトを設けた住宅、吹き抜けのある住宅などに採用されることの多いデザインです。

勾配天井のメリット

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

勾配天井はなぜ人気があるのでしょうか。実用性、デザイン性の両面から勾配天井のメリットをご紹介します。

開放的な空間になる

勾配天井の一番の魅力は、開放感が得られることです。平らな天井(フラット天井)と異なり、視線が上に抜けるので空間全体が広く感じられます。また、傾斜部分に窓を設ければ高い位置から自然光が入り、明るく気持ちの良い空間になります。
限られた床面積の住宅でも、勾配天井によって縦方向にゆとりができると、より空間の広がりが生まれます。

狭くてもおしゃれで居心地の良いリビングにするポイントはこちらをご覧ください。
関連記事⇒「リビングレイアウトをおしゃれにしたい! 縦長・横長・正方形・狭いリビングでのポイント

おしゃれな部屋をつくりやすい

勾配天井は住まいのデザイン性を高めるポイントにもなります。天井の形状が変化することで、空間にリズムが生まれるからです。
また、梁を見せたり間接照明を設置したりと工夫の余地があり、ナチュラル、モダン、北欧風など様々なテイストに対応できます。

通気性が良い

温かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まります。この性質を利用して勾配天井の高い位置に窓を設けると、1階部分の窓から取り込まれた冷たい外気が上昇し、部屋にこもった空気は高窓から自然に排出されるので、室内の換気効率が高まります。

ロフトとの相性が良い

勾配天井の高さを活かしたロフトがあると、収納スペースや子どものプレイルーム、趣味を楽しむ空間として活用できます。リビングの勾配天井部分にロフトを設ければ、より広さを感じるロフトにできるでしょう。

ロフトを設けるにあたっては、勾配天井の一番高い部分でも1.4m以下、広さは直下の階の床面積の2分の1未満に設定すれば建築基準法上の延床面積には算入されません。ただし、用途、仕様、また自治体によって詳細な条件や課税対象、消防設備などが異なるため、必ず専門家や担当官庁に確認してください。

限られた面積の中でデザイン性と機能性を両立させたおしゃれで暮らしやすい2階建ての家づくりに勾配天井は適しているといえるでしょう。
関連記事⇒「30坪2階建てのおうち おしゃれな間取りのつくりかた

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2025.06.23

勾配天井のデメリット・注意点

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

実用性やデザイン性が高い勾配天井ですが、注意点もあります。勾配天井の良さをできるだけ活かせるように、デメリットをカバーする工夫もご紹介します。

確かな断熱性が求められる

勾配天井は、外気温が屋根から室内に伝わりやすいなど外気の影響を受ける傾向があります。また、前述のように温かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まるため、広い空間になると冷暖房が効きにくくなりがちです。特に冬場はなかなか部屋全体が暖まらず、足元が冷えやすいと感じるかもしれません。

対策として、高断熱・高気密の家づくりを得意とする施工会社を選ぶのも1つの方法です。このほか、空気を循環させるためのサーキュレーターやシーリングファンを活用するなど、日常の生活でも工夫することが大切です。

照明は計画的に設置する必要がある

勾配天井の部屋では、天井が高くなるため人と照明との距離が遠くなり、部屋が暗く感じることもあります。

ただし、部屋の面積と天井高に合わせた照明の数と配置を計画すれば、明るさを確保できる場合は少なくありません。
埋め込み型のダウンライトは光を拡散するタイプと真下を照らす集光タイプ、スポットライトのように光の向きを変えられるタイプなどがあります。
ダウンライトのみで天井をすっきり仕上げたいときは拡散タイプ、ペンダントライトなどと併用するときは集光タイプなど、お好みによって選択するとよいでしょう。

なお、どのタイプの照明を採用するにしても、勾配天井対応の製品を選ぶ必要があります。

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勾配天井におすすめの部屋

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勾配天井の良さを活かせるおすすめの部屋と、居心地をより良くするためのアイデアを紹介します。

リビング

人が集まるリビングに勾配天井を取り入れると、ゆったり過ごせる広がりのある空間になります。屋根の傾斜角度や方向によって室内の印象は大きく変わるため、計画段階でイメージを確認しておきましょう。
また、梁を見せたり間接照明を使ったりと変化をつけやすく、暮らしの中心となるスペースにふさわしい魅力的な場所に仕上げることもできます。

子ども部屋

小さめのスペースになりがちな子ども部屋に勾配天井を設けると、天井高があるので限られたスペースでも圧迫感なく、のびのびと過ごせる部屋に仕上がります。
高さを活かしてロフトを設け、ベッドや秘密基地のようなスペースにすると、子どもの好奇心をくすぐる、遊び心のある空間になるでしょう。

寝室

勾配天井のある寝室は、ゆったりしていて心地よい眠りを促す環境になります。間接照明を使えば、柔らかな光でより落ち着いた雰囲気に仕上げることができます。
高窓や天窓があれば朝の光が入って気持ち良い目覚めになり、夜には星空が見えて癒やしの空間としての魅力が高まるでしょう。

勾配天井をもっとおしゃれに演出する方法

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

勾配天井をよりおしゃれに演出するために、間取りや天井材、照明を工夫してみましょう。それぞれの側面からどんなアプローチができるかをご紹介します。

間取りを工夫する

勾配天井のリビングで天井の高さや抜け感をより引き立たせる方法の1つにリビング階段があります。上下の空間につながりができ、階段のデザイン次第で、モダンにもナチュラルにも演出できます。

2階建ての場合、吹き抜けになる部分や2階部分に採用しやすい勾配天井は、平屋にもなじみます。勾配天井の高低差が空間に遊び心と実用性をもたらすので、勾配に合わせてコンパクトなロフトをつくるのもよいでしょう。

天井材を工夫する

壁や天井といった面積が広い部分の色使いは、部屋全体の印象を大きく左右します。勾配天井のように高さのある天井と白いクロスを組み合わせると、開放感が引き立ちます。また、木目の天井材を使用すると、温かみがありながら洗練された雰囲気になり、木目を勾配天井の傾斜のラインに沿って張ることで視覚的な動きが生まれ、おしゃれで奥行きを感じる天井になります。

梁見せ天井の場合、梁のデザインや色で印象が変わります。例えば、パイン材など木目や節を残した素材なら、木の質感が際立ちナチュラルでおしゃれな部屋になるでしょう。照明やシーリングファンなどと組み合わせて多彩な雰囲気を楽しんでください。

照明を工夫する

天井に埋め込むタイプのダウンライトは、天井の形をそのまま活かせるだけでなくすっきりとした印象に仕上がります。ただし、高い位置に設置すると交換やメンテナンスが大変です。
2階フロアや階段から手の届く場所などに設置しましょう。また、明るさにも注意が必要です。適切な明るさを計画し、サイズや数を決定することも大切です。

梁や壁の上部にスポットライトを設置すると、壁や家具に陰影ができて空間に立体感が生まれます。間接照明で天井面を照らすのもおすすめです。
また、デザイン性の高いペンダントライトを選べば、天井の高さと相まって、アクセントの効いた個性的な部屋になります。

DAIKEN『グラビオ羽目板V』でおしゃれな勾配天井に

勾配天井の仕上げに使用する天井材として、DAIKENの『グラビオ羽目板V 古木柄』はいかがでしょうか。古木調の風合いが魅力で、不燃性にもすぐれた羽目板です。また、壁材としても施工できるので、壁と勾配天井の一体感を楽しめます。

明るい色からダークな色まで6つの色柄を揃えており、ナチュラル・モダン・和モダンなど様々なインテリアにマッチして理想の部屋づくりをサポートします。

まとめ

勾配天井は、開放感やおしゃれなデザイン性を活かした空間演出のアイデアとして人気です。照明や天井材を工夫することで、勾配天井のある空間をより魅力的に仕上げられます。

天井が高いことによる注意点も理解したうえで、理想の家にぴったりの演出方法を見つけてください。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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