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目次
憧れのマイホームを建てるためにはそれなりの資金が必要だと分かっていても、「実際にはどのくらいかかるのか」「土地があるかないかで費用はどう変わるのか」など、費用に関する不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで、本記事では所有している土地がある場合とない場合のそれぞれにおいて、家を建てる際に必要な費用と住宅ローンの“年収倍率"について解説します。ほかにも費用を抑えるためのポイントや補助金・減税制度などを分かりやすくまとめました。
家を建てる費用 土地なしの平均費用はどれくらい?
土地を所有していない方が家を建てる場合は建築費用に加え、土地の購入費用が必要となります。
国土交通省が実施した令和5年度の調査によると、土地購入資金と建築資金を合わせた総額の全国平均は5,811万円でした。地方や郊外エリアでは土地の価格が比較的安いため、総額が低めに収まるケースも少なくありません。
参考:「令和5年度住宅市場動向調査報告書」(国土交通省)
家を建てる費用 土地ありの平均費用はどれくらい?

すでに土地を所有している方が家を建てる場合、土地を購入するためのコストがかからない分、初期費用を抑えられるという特徴があります。
令和5年度に行われた国土交通省の住宅市場動向調査では、土地の購入資金を除く建築費用の全国平均は4,319万円でした。所有している土地がある場合は土地の購入費用を考えなくてよい分、建物のグレードや設備に予算を回せるメリットがあります。
参考:「令和5年度住宅市場動向調査報告書」(国土交通省)
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2025.03.19
住宅ローンは年収の何倍が目安? 平均の年収倍率を確認

家を建てる際の費用を考えるうえで、住宅ローンは欠かせない存在です。借入金額や毎月の返済額は家計に大きく影響するため、無理のない範囲で返済計画を立てることが大切です。
●年収倍率とは
金融機関等で住宅ローンを借りる際、審査における1つの目安として、年収倍率が参考にされます。年収倍率は住宅の購入価格が年収の何倍にあたるかを示す指標です。
例えば、年収600万円の人が3,000万円の住宅を建てる場合、年収倍率は5倍(3,000万円 ÷ 600万円)となります。
●年収倍率の全国平均は?
2023年度における住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」によると、注文住宅融資利用者の年収倍率の全国平均は7倍となっています。かつては5~6倍が目安とされていましたが、近年は住宅価格の上昇に伴い、7倍前後が一般的となっています。ただし、これはあくまで目安なので、住宅ローンの借入額は年収倍率を参考に返済負担率も考慮して決めるとよいでしょう。
返済負担率というのは年収に対する住宅ローンの年間返済負担額の比率です。理想的な返済負担率は手取り年収の20~25%程度までといわれています。無理のない返済を続けるため、返済負担率も考慮しましょう。
参考:「2023年度 フラット35利用者調査」(住宅金融支援機構)
家を建てる費用の大まかな内訳は?

ここからは、家を建てる際の費用をもう少し具体的に見ていきます。大まかには土地の購入費用と建築費用、そして諸費用の3つに分けられます。
●土地購入費用
価格は希望するエリアや広さ、形状などによって大きく変動します。
また、都市部と地方で金額に大きな開きがあるのも特徴です。
●建築費用(本体工事費+付帯工事費+諸経費)
建築工事をするために必要な費用です。
建築費用は本体工事費、付帯工事費、諸経費から構成されます。
・本体工事費
建物本体の工事に必要な材料費や施工費です。
使用する建材や工法などによって、大きな違いが生じることもあります。
・付帯工事費
建物本体以外の部分にかかる工事費用です。
例としては、屋外配管工事、外構工事(駐車場、フェンス、庭づくり)などがあります。
・諸経費
建築費用の諸経費で必須のものとしては、建設工事請負契約書の印紙税、建物の登記費用があります。
また、必要に応じて上下水道やガスの引き込み費用、作業員の交通費や施工時に使用する事務用品費といった現場経費など、建築工事以外で必要な経費もあります。
●諸費用
上記以外に必要な諸費用(地鎮祭など)には以下のようなものがあります。
・各種税金、登記費用
土地を購入する場合は不動産取得税や登録免許税、印紙税、登記費用などが発生します。
・住宅ローン関連費用
事務手数料、保証料、火災保険料、地震保険料などがかかる場合があります。
・新生活の初期費用
建物完成後には引っ越し費用や家具家電の購入費用など、各家庭の状況に応じて新生活を始めるための初期費用が必要です。
こうした費用の合計が最終的な「家を建てる費用」となります。
家を建てる費用を抑えるには?

マイホームづくりにおいては、計画当初の希望と計画を進めているうちに出てくる希望をすべて取り入れると、予算がオーバーすることも珍しくありません。家づくりの費用を抑えるための方法をいくつかご紹介します。
●建物をシンプルにする
建物の形状やデザインをシンプルにすると材料や手間が減り、建築コストを削減しやすくなります。凸凹の多い間取りや複雑な形状の屋根はデザインが凝っていて魅力的ですが、工事費が高くなる傾向があります。シンプルな形状でもアクセントや素材選びでおしゃれな雰囲気を演出することは十分に可能です。
●間取りを見直す
部屋数の多い間取りにすると、壁量や照明などの配線が増える分、工事費も高くなりがちです。そんなときは間取りを見直してみましょう。将来的に仕切りを追加できるように考慮しつつ部屋数を減らすとドアや壁などの費用を削れるので、建築時点でかかる金額を抑えられます。家族構成やライフステージに合わせて調整できる間取りを設定し、無駄を省いて将来の変化に対応できるようにしましょう。
●設備・建材を見直す
キッチンや浴室などの水回り設備、床材や壁材のグレードを必要以上に下げると、コストは抑えられるかもしれませんが、日々の生活に対する満足度が低下しかねません。毎日目にする場所の内装や設備に関しては、選び抜いたものを採用してはいかがでしょうか。
例えば、内装ではリアルな素材感と立体感が魅力の不燃壁材『グラビオエッジ』をアクセントウォールに採用することで、シンプルながらもおしゃれで豊かな表情のある空間を演出することが可能です。すべてを高級仕様にするのではなく、「こだわりたいところは残し、譲れる部分は少しコストダウンを図る」という考え方がおすすめです。
費用を抑える工夫は大切ですが、家族が長く快適に暮らすためにもこだわりたい大切なポイントは残しておきましょう。
家を建てる際に利用できる補助金・減税制度は?

家づくりを考えるうえで見逃せないのが、国や自治体による補助金や税制優遇制度です。こうした制度をうまく活用すると、実質的な費用を抑えられる場合があります。
●国の補助金
・ZEH(ゼッチ)関連補助金
ZEHは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略語で、省エネ性能の高い住宅を指した言葉です。一定の断熱性能や省エネ設備を導入・申請すると、補助金を受け取ることができます。さらに、より省エネ性能の高い設備を導入すると、追加の補助金が交付されます。対象者に年齢や世帯構成の制限はなく、幅広い層の利用が可能となっています。
・子育てグリーン住宅支援事業
2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、省エネ性能の高い住宅建築を支援する制度です。2025年からスタートする新しい補助金制度で、ZEH基準を上回る省エネ性能を持ったGX志向型住宅を建築する場合、最大で160万円の補助金を受け取ることができます。
●自治体の補助金
家づくりの際には国の補助金だけでなく、自治体独自の補助金制度にも注目してみましょう。多くの自治体では省エネ性能の高い住宅や、子育て世帯の支援を目的とした補助金を用意しており、その内容や条件も地域ごとに異なっています。自治体の情報も積極的に収集してみるとよいでしょう。
●新築時における減税措置
家を建てる場合には、以下のような税金の優遇を受けられる場合があります。これらの制度は、条件によって受けられる金額が変わることもあるため、事前に調べておいて家づくりの資金計画に役立てましょう。
・住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)
住宅借入金等特別控除は “住宅ローン控除"とも呼ばれている制度です。床面積や住宅の環境性能など、一定の要件を満たすと毎年の住宅ローン残高の一部が所得税や住民税から控除されます。返済負担を軽減できるので利用者が多い制度の1つとなっていますが、条件の変更も多い制度ですので利用を希望する方は最新情報をチェックしましょう。
・不動産取得税の軽減制度
不動産取得税というのは不動産を取得した際にかかるもので、取得時のみ支払う税金のことです。一定の要件を満たす住宅を取得した場合に、不動産取得税が軽減される制度があります。(※令和5年2月現在の適用期限:令和9年3月31日)
・固定資産税の減額措置
住宅を新築後の3年間(マンション等の場合は5年間)固定資産税を減額する措置です。なお、既定の期間が終了した後は元の税額に戻るので注意しましょう。
各制度の最新情報に関する詳細については国土交通省やお住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。
壁面にアクセントを加えられるデザイン不燃壁材『グラビオエッジ』

家を建てるには多くの費用がかかります。でも、せっかく自分の家を建てるのだから、内装にも個性を加えたい、そんな方におすすめしたいのがDAIKENの『グラビオエッジ』です。深彫り調のエンボス加工によるエッジの効いた陰影と素材感のある意匠が魅力のデザイン不燃壁材で、間接照明と組み合わせることで空間にインパクトを与えられます。様々な素材をモチーフにしたデザインを取り揃えていますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
家づくりは人生における大イベントですが、知識を身につけて費用面をしっかり把握すれば、理想のマイホームも実現しやすくなります。ぜひ本記事を参考に、納得のいく家づくりを進めてみてください。
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監修者
淀川 美和(よどがわ みわ)
株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。
保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級
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