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家づくりの大切な節目になるものとして、上棟式(じょうとうしき)があります。しかし、こうした建築祭式はよく知られているものではないため、マイホームの建設に当たって不安を感じる方もいるかもしれません。このような行事に臨む際は何を用意し、ご祝儀はどれぐらい包めばよいのでしょうか。今回は上棟式の内容や準備、当日の流れなどについて解説します。また、上棟式後に始まる内装工程でおすすめしたいDAIKEN製品の情報もご紹介します。
上棟式とは何をするもの?
上棟式は建物の柱や梁(はり)といった骨組みが完成したタイミングで行われ、日本の木造建築では古くから大切にされてきた儀式です。
伝統的な木造建築では、屋根の最上部に「棟木(むなぎ)」と呼ばれる部材を取り付けるのが、骨組みをつくる最後の工程(棟上げ:むねあげ)です。重機がない時代の棟上げは大変な作業でした。この難しい作業を一致団結して乗り越え、迎えた大きな節目を祝うために行うのが上棟式なのです。
現在は鉄筋コンクリート造、鉄骨造、ツーバイフォー工法の木造など、棟上げのない建物が増えていますが、それでも多くの建築現場で上棟式は行われています。骨組みの完成はどんな建物をつくるときも1つの節目となります。このまま無事に工事が進んで建物が完成することを祈願するとともに、工事関係者へ感謝を伝える場にもなっているのが上棟式です。
一方で、戸建て住宅のような小規模な建物の建築では、上棟式などを実施しないケースも増えています。工事関係者に感謝を伝える貴重な機会ではありますが、施主にとって負担になるのであれば実施しなくてもかまいません。
建築三大祭式とは
建築には“建築三大祭式”と呼ばれる重要な儀式があり、上棟式はそのうちの1つです。他の2つは地鎮祭(じちんさい:工事開始前に土地の神様に土地を使う許しを請い、工事の安全を祈願する儀式)と竣工式(しゅんこうしき:建物の完成を祝う儀式)です。いずれも実施するかしないかは施主次第なので、家族の意向や地域の風習に合わせて判断しましょう。
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上棟式に向けた準備
上棟式を行うと決めた場合は、どんな準備が必要なのでしょうか。用意するものや、ご祝儀の相場、服装などを解説します。ただし、この記事で紹介するのは一般的な例であり、必要なものは施工会社や地域によっても異なるため、詳しくは施工会社などに相談してください。
施工会社への依頼
上棟式を実施するにあたっては、まず施工会社にその旨を伝えましょう。基礎工事が完成すると、あっという間に上棟式のタイミングです。作業スケジュールは決まっているため、早い段階で相談しておくことが大切です。上棟式は施工会社に依頼するのが一般的ですが、神主に神事を依頼したい場合は神社にも連絡をします。
上棟式の段取りなどは基本的に施工会社が進めてくれるので、指定された日までに希望する日時と参加人数を伝えましょう。日程を決める際は冠婚葬祭で重んじられている“六曜”の吉日のほか、建築で大切にされている“十二直(じゅうにちょく)”の建築吉日を参考にすることもできます。
上棟式に適しているといわれる六曜・十二直は以下の通りです。
・上棟式に適している六曜:大安、友引の午前中、先勝の午前中、先負の午後
・上棟式に適している十二直:建(たつ)、満(みつ)、定(さだん)、成(なる)、開(ひらく) ※平(たいら)を加える場合もあります。
上棟式に用意するもの

上棟式で用意するのは、一般的に以下の品々です。施工会社が用意してくれるものもあるため、施主として用意すべきものはあらかじめ施工会社に確認しておきましょう。
・棟札(むなふだ):施主名、施工者名、工事年月日などを記して棟木に取り付ける札。神社やオンラインショップで購入可能
・御幣(ごへい):板に両紙垂れを挟み、扇子や水引で飾られた神事で使用されるお供え物。神社やオンラインショップで購入可能
・お供え物(米、酒、果物、野菜など)
・弁当、菓子、飲み物、紙コップ
・ご祝儀
・引き出物など
飲み物はビールなどのアルコール類が多いと思いますが、お茶やソフトドリンクも必ず用意しておきましょう。ご祝儀や引き出物ののしには施主名と“御祝” “御祝儀”、もしくは“上棟祝い” “祝上棟”などと書くのが一般的です。
ご祝儀などの費用はどれぐらい?
一般的なご祝儀などの費用は以下の通りです。総額で10~15万、高くても30万円程度が相場ですが、地域の風習によって異なるため、施工会社に相談しておくことをおすすめします。
・ご祝儀:棟梁1~3万円、職人3,000~1万円/人、現場監督1万円程度/人
・お供え物:1万円程度
・飲食物:2,000~3,000円程度
上棟式での服装
上棟式は祭式ですのでスーツやジャケットなど、フォーマルな服装で参加する方が適切です。しかし、特に決まりがあるわけではありません。失礼のないように、清潔感のある服装を選びましょう。
なお、工事現場は安全第一です。転んでケガをしてしまうと施工会社に迷惑がかかるため、かかとの高い靴は避けて動きやすい靴で参加することをおすすめします。
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上棟式の流れ 正式と略式の違いは?
上棟式は、どのようなスケジュールで行われるのでしょうか。正式な上棟式は神主を招いて儀式が行われますが、近年は施主や施工会社の負担を減らすため、戸建て住宅などでは一般的に略式で行われます。
今回は、現在の主流である略式の上棟式における流れをご紹介しますが、詳しくは施工会社に確認してください。
1.棟梁が棟木や祭壇に棟札・御幣・神饌(しんせん)を飾る
2.棟梁と施主が家の四隅の柱に水、塩、米、酒をまいてお清めする
3.棟梁による祈願
4.施主の挨拶
5.施主がご祝儀や引き出物を配る
6.食事会
上棟式は棟上げの作業が終わる午後~夕方に始まることが多いようです。儀式自体は30分程度で終わり、そのあと宴会や食事会となります。

家づくりに欠かせない床材をチェック!
家の骨組みが完成し、上棟式を終えると、次はいよいよ屋根や床、壁などをつくり、内外装の仕上工程に入ります。内外装は素材や色合いによって見た目や快適性が大きく変わるので特に楽しみな部分でもありますよね。
DAIKENでは、こだわりの床材を数多く取り揃えています。例えば、フローリングなら幅広でスッキリした見た目が特徴の『トリニティグランデ』がおすすめです。立体感のあるデザインは木の質感を化粧シートでリアルに再現しています。四周木口面まで化粧が施され、表面の肌触りも心地良く快適です。曲面の継ぎ目が滑らかなので汚れも拭き取りやすく、毎日の掃除も簡単です。

天然木へのこだわりが強い方には『フォレスナチュラルⅡ』もおすすめです。こちらはハードメープル、チェリー、ウォールナット、ナラ、ニレなどの天然木化粧床材で、銘木の美しさと天然木の自然な風合いを楽しめます。マットコート仕上げ(艶消し)のため、木ならではの肌触りを実感できます。

上棟式後の内装工程が楽しみになる商品がDAIKENには多数揃っています。理想の家づくりにぜひお役立てください。
まとめ
上棟式は家づくりの節目に開催される大切な儀式です。実施する場合は家族の意向や地域の風習を参考にしつつ、施工会社と相談してスケジュールを決めて家族で参加すれば、家づくりの良い思い出になることでしょう。多くの人にとって人生で最も大きな買い物になるマイホームですので、悔いのない家づくりをしたいものです。
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監修者
淀川 美和(よどがわ みわ)
株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。
保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級
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