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2025-09-19

高窓・地窓・天窓とは 窓の配置で暮らしが変わる 窓配置のポイントを押さえておしゃれで快適な住空間を

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。

窓の配置や大きさ、デザインは、採光や換気の効率を高めるだけでなく、住まいの美しさを左右します。高窓・地窓・天窓は、窓の位置を変えることで部屋を明るく快適にする手法の1つです。
今回は、それぞれの窓の特長と工夫の仕方、そして窓の表情をより豊かにするDAIKEN製品をご紹介します。

高窓・地窓・天窓とは?

窓の形や位置を工夫すると、部屋の居心地が変わります。目線の高さを外した場所に設ける“高窓(ハイサイドライト)”や“地窓(ローサイドライト)”、“天窓(トップライト)”は、光や風を上手に取り入れながら、プライバシーを守れる窓のスタイルです。高窓・地窓・天窓の基本的な特徴を解説します。

高窓(ハイサイドライト)とは

リビングに設けられた横長の高窓

高窓は、壁の高い位置に設置される窓です。視線より高い位置にあるため、外からの視線を特別気にしなくてもプライバシーを保てます。また、高い位置から自然光をたっぷり採り入れることで開放感を演出できます。

地窓(ローサイドライト)とは

庭の様子が見える和室の地窓

地窓は、床に近い位置に設けられた窓です。低い位置で外の景色を切り取るので、床座(ゆかざ)で過ごす和室などで庭の植栽を眺めるのに適しています。
通常の引き違い窓のほか、設置する場所によって、はめ殺し窓(FIX窓)や、少ししか開閉しないすべり出し窓にするケースもあります。
冬の冷気は部屋の床面近くに集まるため、地窓によって換気ができれば自然な通風が生まれ、空気が循環しやすくなります。

天窓(トップライト)とは

ロフトの勾配天井に設置された天窓

天窓は、屋根に設置して上から光を採り入れる窓です。光が入りやすく、周囲に建物がある場合や北向きの部屋でも採光を確保できるメリットがあります。
壁面の窓は方角や周辺環境、時間帯によって入る光の量が変わる一方、天窓は太陽が高い位置にある間は安定した光が入り、室内が明るくなります。
加えて、窓を開けることで通風ができ、室内の高い場所に溜まった熱をスムーズに外へ排出できるのも特長の1つです。
しかし、設置位置によっては夏場の直射日光で室内が暑くなりやすく、またメンテナンスや清掃がしにくいので、設置する高さや断熱性の高いガラスやブラインドを併用するなども検討しましょう。

採光・換気・視線が3大ポイント

光や風の入り方、人の視線の通り方に配慮すると、毎日の快適さが向上します。ここでは“採光” “換気” “視線”という3大ポイントから、理想的な窓の配置を考えてみましょう。

・採光 ―― 光を採り入れ開放的な空間に

部屋に太陽の光が入ると、それだけでほっとする方も少なくないでしょう。自然光は時間帯や季節によって明るさや強さなどが変わるため、空間に様々な表情をもたらします。
高窓や天窓を設置すれば日の入りにくい場所にも明るさが届き、快適性が上がります。

・換気 ―― 風が流れる心地良い空間に

風通しの良い家は、湿気がこもりにくく、結露やカビの発生を防ぎやすくなります。また、室内の空気を入れ替えることはニオイを軽減するポイントです。
風は基本的に低いところから高いところへ移動するので、地窓と高窓を組み合わせると自然な空気の流れを生み出します。
例えば、それぞれの窓を対面となる壁面に設け、さらに開閉可能な天窓を加えれば、上昇気流を利用して空気が効率良く循環し、より快適な室内環境になるでしょう。

・視線 ―― 人目を気にせずくつろげる空間に

プライバシー対策は、安心して生活することに直結する要素です。せっかく光や風を取り込める窓があっても、視線を気にしてカーテンを閉めっぱなしにするのは、その良さを活かせません。

高窓や地窓、天窓は、視線が届きにくい位置にあり、人の目を気にせず光を採り入れられる窓です。空間の設計や日光の入る方角なども考慮しながら、上手に取り入れていくと、より快適な住まいに近づくでしょう。

高窓で空間をおしゃれに演出

高窓には、室内を明るくするだけでなく、空間全体のデザインを引き立てる魅力もあります。

吹き抜けと組み合わせて開放感アップ

吹き抜け空間と高窓の組み合わせは、視線が自然と上へ向かい、空間をより広く感じさせて開放感を生み出します。窓の設置位置が高いほど、季節や時間帯によって変化する光を採り入れやすくなり、部屋全体に多彩な表情が生まれます。

壁面を有効活用

高窓の場合は、窓の下の壁面に家具や収納を配置しやすくなります。採光をキープしながらインテリアの自由度を高められるため、家具の配置に悩みがちな方におすすめです。例えば、本棚やソファを窓の近くに置きたい場合、腰高窓(大人の腰の高さに設けられる窓)よりも高い位置にあるため、窓を塞ぐことなく家具を配置でき、心地良い空間づくりができます。

地窓で落ち着きと奥行きを演出

室内に庭の景観を取り込むのに適するのが地窓です。和の空間と相性が良く、落ち着きのある上品な空間を演出します。

外の風景を切り取る窓

床座で過ごす和室に地窓を設けると、庭の植栽や飛び石、苔庭などの景色が、まるで額縁で飾られた絵のように楽しめます。自然の一部を室内に取り込むことで、見る人の心を和ませてくれるでしょう。

窓の上部を有効活用できる

地窓は、和室の空間づくりになじみます。和室に板の間を設けて地窓を配置したり、地窓の上を吊り押し入れにしたりすることで、視線の抜けと明るさが加わり、空間が広く感じられます。

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天窓で自然光を上手に採り込む

天窓は日差しが届きにくい室内を明るくします。隣家との距離が近い都市部の住宅にもぴったりです。

建物に囲まれても明るい

北向きの部屋や1階のリビングなど、日差しが入りにくい空間には天窓の設置が役立つでしょう。上部から長時間にわたって太陽の光を採り込むため、壁面の窓に比べて長い時間、室内が明るくなります。照明の使用時間が減り、省エネにもつながります。

視線を気にしない開放感

天窓は頭上にあるため、外から室内を見られることがありません。周りの視線が気にならないのでカーテンを閉める必要がなく、開放感を楽しめます。
また、天窓から見える空は、季節や時間によって表情が変わります。青空や流れる雲、夕焼けなど、ふとした瞬間に自然を感じられるのも天窓ならではの魅力です。

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家全体で考える窓の配置バランス

書斎スペースに設けられた高窓

風通しを良くして光を心地良く採り入れるには、家全体の窓の配置を見渡すことが大切です。部屋の役割や方角に応じてバランス良く窓を配置し、快適な空間を設計しましょう。

部屋の向きに合わせた取り入れ方

・南向きの部屋

1日を通して光が入りやすく、リビングやダイニングに適しています。大きめの窓を設けると、自然光だけで明るく過ごせる時間が長くなります。隣家との距離がない場合は高窓にするのもよいでしょう。

・東向きの部屋

朝日が入りやすいため、リビングやサニタリー、キッチンなど朝の活動に関わる場所に向いています。天窓や高窓で朝日を採り込むと、部屋全体がやさしい明るさにつつまれ、気持ちの良い時間になるでしょう。

・西向きの部屋

午後の強い日差しが入るため、夏場の暑さを和らげる工夫が求められます。掃き出し窓よりも高窓や地窓を選択したり、大きめの窓にはブラインドを併用するのもよいでしょう。

・北向きの部屋

直射日光は入りにくいのですが、かえって明るさが安定するという特徴があります。高窓や天窓を設置すると、常に目にやさしい明るさを得られます。

リビングと寝室では窓の役割が違う

リビングなど人が集まる空間と、寝室や子ども部屋のようなプライベート空間では、窓に求められる役割が異なります。
リビングでは、明るさや開放感を重視し、大きな掃き出し窓や高窓、天窓を使って自然光をたっぷり採り入れます。一方、寝室や子ども部屋では、落ち着いた雰囲気や集中できる環境、プライバシーの確保が重要です。外からの視線が届きにくい高窓を選ぶと、快適な部屋づくりに役立つでしょう。

窓周りに上質感をプラスするDAIKENの内装建材

窓周りの仕上げ材の選択によって、高窓や地窓も個性的な演出ができます。DAIKENの内装建材は、デザイン性・機能性にすぐれており、窓周りに上質感を加えます。

自然な風合いが魅力の『グラビオ羽目板V』

グラビオ羽目板V

グラビオ羽目板V』は、立体感のある木目が魅力で、空間にあたたかみと上品な雰囲気をプラスできる羽目板です。ナチュラルな美しさはもちろん、不燃性にもすぐれているので、デザイン性と安全性の両方を兼ね備えた内装建材としておすすめです。
屋外用の『ダイライト軒天羽目板』と色柄を揃えると、内と外とのつながりを感じられるコーディネートができます。天井材としてはもちろん、壁材としても使えるため、窓周りを含めた空間全体の印象を統一できるのもポイントです。

窓周りをおしゃれに引き締める『グラビオエッジ』

グラビオエッジ

リアルな素材感と深彫り調の陰影が印象的な『グラビオエッジ』は、窓周りの壁にアクセントをもたらす不燃壁材です。
深彫り調エンボス加工の陰影は、上質な素材による洗練された雰囲気をもたらします。新たに加わった木目調「レグノ」のほか、「ブロッコ」には<ダークグレー柄>や<シュガーホワイト柄>が、「フルッソ」には<グレージュ柄>や<ブラック柄>が加わり、選択の幅が広がりました。

まとめ

高窓・地窓・天窓は設置場所によって、窓から採り入れる光や風、空間の印象が大きく変わります。それぞれの特性を理解して、居住空間のスタイルや目的に合わせた窓を取り入れると、太陽光や風景を活かした室内設計が可能です。

DAIKENの内装建材は、窓周りのデザイン性とインテリアの完成度を高めます。窓の配置と建材選びにこだわって、理想の住まいを実現しましょう。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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