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※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
部屋からいつでも緑が眺められる暮らしは、多くの人にとって憧れかもしれません。中庭があれば、プライバシーを守りつつ家の中から四季折々の自然を楽しむことが可能です。
今回は、中庭をつくるメリット・デメリットと、中庭をおしゃれに仕上げるアイデアについて解説します。あわせて、室内から中庭へのスムーズなつながりを演出するDAIKEN製品もご紹介します。
中庭とは? パティオ、テラスとの違い
“中庭”とは、住宅の内側につくられた屋外スペースを指します。建物の中央部分や一部、または複数の棟の間に設けられ、室内にいながら風や光を感じられる場所として活用されます。
日本では古くから、“坪庭”と呼ばれる1~3坪程度の小さな中庭が設けられていました。街中など限られた敷地であっても、自然を楽しめる工夫として取り入れられてきたのです。
中庭と似た空間として“パティオ”や“テラス”があります。これらはどこが違うのでしょうか。
パティオ
パティオはスペイン語に由来する言葉で、南欧や中南米などで多く見られます。パティオも坪庭と同様に建物で囲まれた屋外スペースですが、パティオは石畳やタイルを敷いた床や噴水、植栽などを取り入れ、装飾性やくつろぎを重視したデザインが特徴です。
日本でも南欧風のデザインを取り入れた建築物では、坪庭ではなくパティオの名称が使われることもあります。
テラス
テラスは建物1階に接して設けられた屋外スペースで、特に屋根がないものをテラスと呼ぶことが多いようです。
あくまで庭である中庭やパティオとは異なり、テラスは建物から連続して外側に張り出す形で設けられ、建物から庭や景色へのつながりを重視した空間です。床材にはタイルや木が使われ、屋外ダイニングやバーベキュー、リラックスのためのスペースとして活用されます。
中庭のある住宅のメリット

中庭を設ける場合、家全体の床面積を広げない場合は居住スペースを減らすことになります。しかし、それ以上に心地良い暮らしをもたらす魅力があるといえます。
中庭があると、植栽などを通して四季の自然を楽しめるのはもちろん、毎日の生活がより便利で快適になります。それでは、中庭の主なメリットを暮らしの快適さや機能性の面からご紹介しましょう。
採光と通風が向上する
家の中心に中庭を設けた間取りにすると、周囲の部屋にも自然光が届きやすくなり、日中は照明をつけなくても過ごせるようになるでしょう。
そして風の通り道ができることで室内の空気をゆるやかに循環し、換気や湿気対策を意識した空間づくりにもつながります。
プライバシーを確保できる
中庭は建物で囲まれているので、プライベートな屋外スペースとして活用できます。人目を気にせず洗濯物を干したり、草花を育てたりと、外部に開かれた庭とは異なる安心感があります。
中庭を取り入れれば、住宅が密集したエリアでもプライバシーを守りつつ、開放的な空間をつくれます。
家族が集まる空間として
複数の部屋に囲まれた中庭は、家族が自然と集まる場としても機能することがあります。住まいの中心に位置する間取りにすると、リビングやダイニングなど複数の居室から直接アクセスできるため、家族が交流する場所として適しています。
日常的に目が届きやすいため、お子様の遊び場やペットが過ごすスペースとしても安心して利用できます。それぞれが家族の気配を感じながら、安全に過ごせる空間になるでしょう。
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中庭のある住宅のデメリット

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
中庭を設けることで様々なメリットがある一方、注意点も存在します。主なものをご紹介するので、現実的な課題も理解しながらバランスの取れた計画を立てましょう。
建築コストが増加することも
建物が中庭を囲むような構造になると、外壁の面積や必要な建材が増え施工費も上がるため、一般的な間取りの家に比べて建築コストは高くなる傾向があります。
定期的なメンテナンスが必要
中庭は屋外空間なので、雨や風の影響を受け、汚れや劣化が生じやすくなります。家の寿命を延ばすためにも、排水のチェックや床材の掃除、植栽の手入れなど定期的なメンテナンスを心がけましょう。
冷暖房効率が低下するケースもある
中庭があると外気と接する面が増えるため、断熱性が下がる場合もあります。掃き出し窓などの大きな窓の断熱性能が低いと、冷暖房の効率が良くないと感じるかもしれません。
2枚以上のガラスを重ねた“複層ガラス”や、ガラス表面に特殊な金属膜をコーティングした“Low-Eガラス”に樹脂サッシや気密性能の高いサッシ枠を組み合わせるなど、暑さ・寒さへの対策を考えましょう。
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中庭を取り入れた間取りの例
長所と短所を理解したうえで中庭を設置すると決定したら、次は敷地条件やライフスタイルに合う配置を考えましょう。中庭の配置は、ロの字型・コの字型・L字型が代表的です。それぞれの特徴をご紹介します。
ロの字型
ロの字型の間取りは建物が中庭を完全に囲んでいるので、プライバシーと採光を両立できます。中心に中庭があることで各部屋に自然光を採り入れやすく、家族の気配を感じやすい間取りです。
コの字型
コの字型とは、中庭の3方向を建物が囲む形です。1面が開放されて庭や外部とつながっているので、開放感とプライバシーのバランスが取れた形といえるでしょう。
外からの視線は気になりにくく、光が十分に採り込め、風通しも良い間取りです。
L字型
L字型の間取りでは、中庭は住宅の一角に配置されます。中庭をリビングやダイニングと隣接させたプランが多く、日常的に中庭を利用しやすい空間になります。それほど広い庭が確保できない場合でも、L字型の中庭なら比較的取り入れやすいかもしれません。
中庭をおしゃれにするアイデア

(※)写真はイメージです。
中庭を設けるなら、空間をおしゃれに演出してみてはいかがでしょうか。統一感とオリジナリティを両立させた中庭のアイデアをご紹介します。
植栽とガーデンファニチャーでアクセントを加えれば上品な空間に
中庭には植栽だけでなく、ガーデンファニチャー(屋外で使用する家具)をバランス良く配置するとよいアクセントになります。植栽は高木や低木、草花を組み合わせて立体感を演出し、庭の雰囲気に合ったチェアやテーブルを設ければ、お茶などを楽しみながらくつろげる空間が完成します。
植栽の選び方次第では、和風にも洋風にもアレンジが可能です。日の当たり方にもよりますが、例えば、植栽にイロハモミジを植え、石灯籠や水鉢を取り入れると落ち着きのある和風の中庭になります。洋風にしたいならオリーブやソヨゴ、クリスマスローズなどを選ぶと、花や緑を長く楽しめるでしょう。
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照明でおしゃれに演出する
植栽を照らすスポットライトなどの照明を取り入れ、ライトアップしてみましょう。足元を照らすフットライトがあると、視認性も向上します。照明の色味や配置にこだわれば、昼とは異なる中庭の風景を楽しめます。
素材と色の統一感が落ち着きを生む
中庭に使用する部材を室内の床材や家具と合わせてコーディネートすると、屋内外で統一感が出て、より視覚的な広がりを感じやすくなります。
中庭のタイルやレンガ、木材などに使う素材や色合いを室内の床材・壁材・天井材などと揃えることで、空間全体にまとまりが生まれます。好みに合わせたテイストでコーディネートして、居心地の良い中庭にしましょう。
DAIKEN製品で中庭と室内の一体感を演出

室内の天井と軒下の色合いを揃え、屋内外のデザインを連動させると、より素敵な中庭になります。屋内外のつながりを意識した空間づくりに役立つDAIKEN製品をご紹介します。
『ダイライト軒天羽目板』でナチュラルに統一
『ダイライト軒天羽目板』は、軽量でデザイン性にすぐれた不燃軒天羽目板で、美しい木目調のデザインが特長です。
軒天に使用すれば、中庭の植栽や外構周りと調和して、外観にナチュラルな印象を演出できます。
『グラビオ羽目板V』は木目の立体感が特長
DAIKENの『グラビオ羽目板V』は、木目の立体感のある風合いが魅力の、不燃性にもすぐれた羽目板です。天井材だけでなく、壁材としても使用できます。
『ダイライト軒天羽目板』と同系色デザインのため、軒には『ダイライト軒天羽目板』を、室内の天井や壁には『グラビオ羽目板V』を使えば、屋内外に統一感を持たせた空間づくりが目指せます。
まとめ
中庭は、プライバシーを確保しながら光や風を取り込める快適な空間です。家族との団らんや、1人でゆっくりくつろぐ時間など、日々の暮らしに彩りを添えてくれます。一方で、建築コストやメンテナンス、冷暖房効率については注意点もあります。
建築の計画段階でメリットとデメリットを把握し、自分たちのライフスタイルに合った間取りやデザインを選びましょう。中庭を魅力的に演出するための内装材や軒天材などの建材にもこだわって、室内と一体感のある心地良い空間づくりを目指してみてください。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
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