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2025-05-20

インダストリアルインテリアとは? 部屋に取り入れる際のポイント 家具と照明が大切?

武骨でクールなヴィンテージ感あふれる雰囲気――インダストリアルインテリアは日本で最近人気のインテリアテイストですが、海外では古くから知られているスタイルです。インダストリアルインテリアにはどのような特徴があり、どのような素材が使われているのでしょうか。

今回は、インダストリアルな部屋をつくるためのポイントを解説するとともに、インダストリアルスタイルを演出するのに役立つDAIKEN製品もあわせてご紹介します。

インダストリアルって何?

インダストリアルインテリアは、海外では100年以上の歴史を持っています。まずはインダストリアルインテリアの歴史や特長、魅力について理解しましょう。

インダストリアルの意味、魅力

インダストリアル(industrial)は、“工業の” “産業の”という意味であり、インテリアの世界では工業的で機能的なスタイルを指します。
インダストリアルインテリアは、1900年初めにアメリカで提唱されました。当時の製造業界では、それまで手作業で行われていた作業が機械を使った大量生産へと移行しており、大量生産だからこその機能的・合理的なデザインが生まれたのです。

インダストリアルインテリアには、機能性とは関係のない華やかな装飾はほとんどありません。鉄やコンクリート、木材などの素材感そのままのシンプルなアイテムを使用し、古い工場や倉庫を思わせる無機質な雰囲気が特長です。“無駄な装飾のない格好いいインテリアテイスト”と認識され、多くの人から支持を集めているようです。

ブルックリンテイストとの違い

インダストリアルインテリアと似ているものにブルックリンテイスト(ブルックリンスタイル)があります。ブルックリンテイストは手作業の工場化とは関係なく、アメリカ・ニューヨーク州の工業地域・ブルックリン地区の町から生まれたインテリアテイストです。

どちらも視覚的な装飾が少ないという点では似ていますが、インダストリアルはクールでシンプル、ブルックリンはラフであたたかみを感じる、という違いがあるといえるでしょう。両者には違いがあるものの、似ている部分も多いため両方を織り交ぜたコーディネートも可能です。

差し色や小物でやわらかめにアレンジも可能

武骨でクールな印象が強いインダストリアルインテリアは、差し色や小物を活用することでやわらかさを加えることもできます。例えばクッションやラグにあたたかみのある色を加えたり、観葉植物を配置したりすることで、武骨さが緩和できるなど、様々なアレンジができます。

インダストリアルインテリアの特長

インダストリアルインテリアは、デザインや素材、色味に特色があります。

デザイン:装飾のないシンプルな見た目や機能性、ヴィンテージ感

工業的という言葉からも想像できるように、装飾を極力排除したシンプルな見た目と機能性が特色です。むき出しのダクトや裸電球など、工場街や倉庫を思わせる、武骨ながらも使い勝手を重視したものが多く見られます。

また、傷やサビ、色落ちなどあえて経年劣化した質感のある家具などを使うことで、ヴィンテージ感が加わります。それにより、無機質でクールながらも味わい深さが感じられる空間になります。

素材:金属や木材、皮革、ガラス、コンクリート、レンガなどの組み合わせ

素材にも特色があります。アイアンやスチール、真鍮(しんちゅう)、木、レザーなどを多用します。アイアンのフレーム、無垢材の家具、レザーソファ、コンクリートやモルタルの壁や床、レンガの壁などが代表的な構成アイテムです。

また、異なる素材と組み合わせることもあります。武骨さと味わい深さが独特の風合いは、異なる質感の組み合わせから生み出されます。

色味:ブラックやグレー、ブラウンなどのダークカラーで落ち着いた雰囲気

ブラックやグレー、ブラウンなどのダークカラーがよく使われます。グレーを中心に、アクセントとしてブラックのアイアンやメタリックカラー、さびた風合いなどを取り入れると、味わい深い雰囲気になります。

木製の家具も多くはブラウンカラーのものが選ばれますが、圧迫感を薄めるために明るめの色を合わせることもあるようです。

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インダストリアルを上手に取り入れるポイント

部屋をインダストリアルな雰囲気にコーディネートするには、何から始めればよいのでしょうか。ここからは重要な土台・家具・照明・小物に注目し、インダストリアルな空間を実現する手順を解説します。

壁紙や床材でインダストリアル空間の土台づくり

まずは、壁紙と床材から着手するとよいでしょう。コンクリート打ちっぱなしを模した色柄の壁紙を貼ると、それだけでインダストリアルな雰囲気を表現できます。もう少しあたたかみを出したい場合は、色あせたレンガ調の壁紙やタイルを使うのがおすすめです。

床材にはヴィンテージ感のあるフローリングやコンクリート調のタイルを選ぶと、工場や倉庫をほうふつとさせる空間に仕上がります。カラーは、コンクリートを思わせるグレーやダークブラウン系がおすすめです。

机やイス、棚……金属×木材で作られた家具は定番アイテム

インダストリアルインテリアの家具は、金属と木材を組み合わせたデザインが中心です。アイアンフレームに無垢材の天板を合わせたテーブルやアイアン脚のチェア、スチール製の棚などが代表的なアイテムです。どの家具も使い込むほどに味わいが増していくのも魅力です。

照明は素材と光の色を意識して選ぶ

照明選びも重要です。金属製やガラス製のペンダントライト、アイアンフレームのシーリングライトなどを採用することで無機質でありながらおしゃれな雰囲気を演出できます。

機器の色は、ブラックやブロンズカラー、光の色は、暖色系(電球色)を選ぶと落ち着いた雰囲気が生まれやすくなります。蛍光灯ではなく、裸電球やフィラメント電球タイプのLEDを使い、インダストリアルスタイルらしさを際立たせましょう。

相性の良い小物で雰囲気アップ

小物選びも楽しんでみてはいかがでしょうか。レトロな雑貨やヴィンテージの小物、ポスターなどを飾ると雰囲気が高まります。レザー素材のクッションやアイアンバスケットもおすすめです。

細かい部分では、スイッチを既存のものから、トグルタイプ(つまみ状のレバーを上下あるいは左右に倒すタイプ)にすると、よりインダストリアルスタイルの世界観を演出できるでしょう。さらに観葉植物を加えれば、自然のみずみずしさや癒やしがプラスされて心地良さがアップします。ドラセナやパキラなどがクールなインテリアによく合います。

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インダストリアルを気軽に再現できるDAIKENの『フィットシェルフ』「インテリアハンガー」

インダストリアルインテリアに合う製品としておすすめなのがDAIKEN『フィットシェルフ』「インテリアハンガー」です。

ヴィンテージ感を味わえる見せる収納『フィットシェルフ』

フィットシェルフ』は、棚板と方立(垂直方向に設置する板)の厚みを統一した直線的なフォルムのシステム収納で、シンプルなインダストリアルスタイルのインテリアに合うアイテムです。
背板のないオープンな仕様なので、コンクリートやレンガ柄などインダストリアルな壁紙を楽しめます。加えて、棚板と方立のみなら“見せる収納”を、扉やボックスを設置すれば“隠す収納”になります。
棚板と扉、方立とボックスはスタンダードだとそれぞれ8種類の色柄から選べ、他の家具と色合いを揃えたトータルコーディネートに一役買ってくれるでしょう。色柄はスタンダードのほかにもグロス調、単色など合計12種類の色柄を用意しています。

ブラックの金属が空間のアクセントになる「インテリアハンガー」

インテリアハンガー」はブラックの金属製フレームで、天井や壁面に取り付けて使います。インダストリアルスタイルに欠かせない素材の1つであるブラックアイアンを思わせるデザインが魅力です。部屋に取り付けると、見た目はシンプルでありながらも空間を引き締め、インダストリアル感がアップします。

インテリア性にすぐれているだけでなく、衣類を掛けたり、グリーンを吊るしたりと用途は幅広く、おしゃれさと機能性を両立できるでしょう。設置する場所にあわせて高さカットも可能です。

まとめ

インダストリアルインテリアは無機質でクールな見た目が魅力ですが、そんな中でも個性的に、またセンス良く仕上げるために工夫するなど、様々な楽しみ方ができるインテリアスタイルです。
デザインや素材、色味のポイントを押さえながら、インダストリアルなデザインの家具や小物を取り入れた、格好良く居心地の良い部屋づくりにチャレンジしてみてください。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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