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2025-04-30

睡眠の質を上げる! 寝室のレイアウト、インテリアと照明の選び方

人の睡眠時間は人生のおよそ3分の1に及ぶともいわれており、人生80年とするとおよそ27年を睡眠に費やしている計算になります。快適な睡眠を取るための対策は、より良い人生のためにも大切といえるのではないでしょうか。
自分に合った寝具を選ぶことも1つの方法ですが、寝室自体を良い環境にすることが快眠には欠かせません。
本記事では、快適な睡眠を得るための寝室づくりのポイントをご紹介します。

知っておきたい 寝室づくりのポイント

光・音・温湿度を意識してリラックスできる空間に

質の良い睡眠を取るためには、光や音、温度・湿度といった環境面の条件を整えることが大切です。例えば、朝の光が入る窓には遮光性能の低いカーテンを付けて、体内時計のリズムを整えるのがおすすめです。一方、夜の暗さをしっかり確保したい場合は遮光性能の高いカーテンで光を遮断するとよいでしょう。
そして、寝室ではできるだけ外部からの騒音や家の生活音を遠ざけたいところです。遮音性にすぐれた床材や壁材を取り入れたり、やわらかい素材のラグやカーテンを使ったりして、音の反響をなるべく抑えるのがおすすめです。

快眠には室温も関係します。夜間の就寝時は人の体温が低下するので、冷暖房を適切にコントロールすることも大切です。暑すぎず寒すぎない室温を心がけるとよいでしょう。特に冬季は目安として18℃以上になるよう調整すると、快適な睡眠につながりやすくなります。

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6畳? 8畳? 理想的な寝室の広さ

ライフスタイルや家族構成、家の間取りによって、適する寝室の広さは異なります。一般的には6畳程度あればシングルベッドを2台並べることが可能ですが、クローゼットやドレッサーなどの家具を置く場合や小さなワークスペースをつくりたい場合などは8畳以上が望ましいでしょう。
ただし、広ければ良いというわけでもなく、広すぎると空間の余白が多くなって落ち着かなくなる場合もあります。必要な大きさのベッドなどの家具を配置でき、かつ人がスムーズに通れる動線を確保できる広さにすると、過ごしやすい寝室に近づきます。

間取りやインテリアでも居心地が変わる

寝室の位置は、家の間取りの中でも重要です。できれば、リビングから離れた位置や別の階に設けると、家族が起きている時間帯の音や光を避けやすくなります。
また、インテリアは寝室全体の雰囲気を左右する大きな要素です。壁や床の色、家具のデザイン、カーテンやベッドカバーなどのファブリック素材などをトータルコーディネートすると、落ち着いて安眠できる空間を演出できます。自分好みのテイストを決めて統一感を出すことを意識して、空間づくりをしましょう。

寝室レイアウトのアイデア

ベッド位置は寝心地に影響する

ベッドの位置は、部屋の使い勝手に大きく影響します。朝日の差す場所にベッドを置くと快適な目覚めをサポートしてくれますが、人によっては日差しが強すぎると感じる場合もあるため、カーテンを工夫するなどの対策が必要です。また、大きな窓のそばは外気の影響を受けやすく、寒暖差が大きくなって睡眠を妨げることがあるので注意しましょう。
人の出入りがあるドアの近くも睡眠の妨げになることがあります。ドア近くにベッドの頭側を置く場合は、できるだけドアとの距離を確保して配置するようにしましょう。

動線・間取りを考えたレイアウト

クローゼットやキャビネットなどがある場合は、取り出しやすさに配慮します。扉がある場合は開閉スペースに加え、人が通る分の広さを確保する、引き戸や扉のないオープン収納にするなどの工夫をしましょう。加えて、ベッドからクローゼットへの移動を短くして動きを最小限に抑える、などの工夫をするのが理想的です。
ベッドは、壁に付けて置くと部屋の中央を広く使えますが、壁との間に通路幅を確保しておくと、掛け布団が一方へずり落ちるのを防ぐとともにシーツ交換や掃除などもスムーズにできます。
また、ベッド脇にコンセントがあると、モバイル端末の充電やベッドサイドに照明を設置しやすくなります。

レイアウトを考える際の注意点

レイアウトを決めるうえで注意したいのが、家具の詰め込みすぎです。床や空間に適度な余白を残しておくと部屋の空気が循環して、快適な睡眠環境をつくりやすくなります。また、圧迫感もなく、ゆったりと過ごせるでしょう。
ベッドを2台置く場合は、それぞれの横に通路をしっかり確保しておくと、夜中にトイレに行く際も安全に移動できます。
もしもの地震のときに、ベッドに背の高い家具が倒れてこない配置も考慮しましょう。

おしゃれな寝室をつくるインテリアのコツ

安眠、くつろぎのための色使い

寝室は、安眠を誘う落ち着いた色でカラーコーディネートするのがおすすめです。
色彩心理学では、興奮を沈め気持ちを落ち着かせるといわれている青をはじめ、緑やベージュ、ブラウンなどのアースカラーを壁や床、カーテンなどに取り入れるのもよいでしょう。
アクセントカラーを加えたい場合は、ベースカラーの面積に対して小さい面積で使用します。寝具やクッションカバーに差し色として加えると、落ち着きの中にも引き締め感とおしゃれ感を演出できます。
なお、赤やオレンジなど興奮色ともいわれるビビットな暖色は、寝室では広範囲には使わないほうが無難です。

カーテンは全体との調和や機能性を考慮する

(※)写真のオトピタは2025年6月生産中止予定です。後継品は2025年6月発売予定のサウンドフィーユ・サウンドブランチをご検討ください。

カーテンは、単なる目隠しや遮光の役割だけでなく、部屋の雰囲気づくりにも大きな影響を与える要素の1つです。
カーテンの色や柄は、壁や床、ベッドカバーとのバランスを見ながら決めると統一感が出ます。寝室全体のテーマに合わせてコーディネートするのもコツです。ナチュラルな風合いを出したい場合は麻やコットンといった天然素材を選ぶなど、素材にこだわることで、寝室にあたたかみをプラスできます。

観葉植物を置く

観葉植物を寝室に置くと、部屋に自然のぬくもりが加わり、目にも心にもやさしい空間を演出できます。ただし、水やりのタイミングや日当たりなど、植物が元気に育つ条件を満たせるかを事前に確認しましょう。日中は寝室のカーテンを開けないという方はパキラやアイビーなど耐陰性があり育てやすい植物がおすすめです。

照明でつくる、くつろぎの空間

寝室に適した照明の設置位置や明るさ・色の目安

照明は寝室の雰囲気と快適性を決定づける重要な要素の1つです。一般的な家庭のリビングの明るさは30~75lx(ルクス)ですが、就寝時の寝室の明るさは10~30lx(ルクス)程度が目安です。寝室全体が明るすぎたり、ベッドに横になったときに光源が直接目に入ったりするのは避けたいところです。
照明の色はあたたかみのある電球色を採用し、メインとなるシーリングライトだけでなくベッドサイドに間接照明やスタンドライトを置いて、リラックス感のあるやわらかい光を得るとよいでしょう。

多灯照明でホテルライクな寝室に

ホテルの寝室が落ち着いた雰囲気である理由の1つに、多灯照明の使い分けがあります。多灯照明は1つの照明で部屋全体を均一に照らすのではなく、ベッドサイドやデスクまわり、足元など必要な部分を個別に照らすスタイルです。
必要な場所だけを照明で明るくし、他のエリアは落ち着いた暗さを保つことができます。夜中に起きるときにも全灯にしなくて済むので、睡眠の妨げになりにくいというメリットもあります。

タイプ別 おすすめの照明

寝室にはシーリングライトのほか、ダウンライトやフロアライト、デスクライト(読書灯)、フットライトなど様々なタイプの照明を組み合わせると便利です。

シーリングライト:メインの照明として部屋全体を照らす。近年は調光・調色機能が標準搭載されていて、リモコンで操作できるものが多い。
フロアライト(フロアスタンド):空間のアクセントになりやすい。床に直接置くタイプや目の高さの位置を照らすものなど様々なタイプがある。
デスクライト(テーブルスタンド):手元を照らすのに適していて、読書灯として用いられる。
ダウンライト:天井埋め込みタイプ。多くは設置場所の真下を照らす。
フットライト:低い位置で足元を照らす。ベッドサイドのほか、廊下や階段に設置されることが多い。

最近ではシーリングライト以外にも調光機能や調色機能を持つLED照明も増えています。就寝前は暗めの電球色、日中は自然光に近い色に切り替えるなど、シーンに応じて柔軟に使い分けることが可能です。

心地良い眠りを生む安らぎの空間を演出するDAIKEN『グラビオエッジ』

間接照明とあわせて空間を演出する壁材

インテリアの雰囲気を変える要素として、壁材も見逃せません。特に質感や立体感のある壁材は表情豊かな空間を生み出してくれます。
DAIKENの不燃壁材『グラビオエッジ』は、深彫り調のエンボス加工が施された壁材で、間接照明と組み合わせることで生まれる陰影が安らぎの時間をもたらしてくれます。『グラビオエッジ』の色柄や照明の色によって印象は大きく変わりますが、いずれもリアルな素材感で空間に豊かな表情を生み出してくれます。

大谷石がモチーフ 凹凸が重厚感を与える『グラビオエッジ カルセ』

グラビオエッジ カルセ』は、天然石である大谷石をモチーフにしたデザインが特徴です。大きなピースサイズと凹凸感が自然な陰影を再現し、気品あふれる雰囲気をつくり出します。

織物生地がモチーフ 湾曲した形状がやわらかさを感じさせる『グラビオエッジ カーヴァ』

グラビオエッジ カーヴァ』は織物生地をモチーフにした意匠が特徴です。ゆるやかに湾曲した形状のピースが、布の織り目のような印象を与えてくれます。明るいカントリー調やモノトーン空間にも映える6色展開で選びやすいのも魅力です。

まとめ

快適な寝室づくりを考えるときは、光・音・温湿度といったリラックスのための環境要素を整え、適切な広さや家具のレイアウトを意識することが大切です。色使いや家具のテイスト、カーテンなどのインテリアを統一すると、居心地の良いプライベート空間に仕上がります。さらに多灯照明や間接照明を取り入れると、ホテルライクな上質感や落ち着き感を得られるでしょう。
そして、もう一歩踏み込んだこだわりとして検討したいのが、寝室の壁材です。壁の色や質感が変わると、部屋全体に変化が生まれます。DAIKENの『グラビオエッジ』は、天然石や織物生地をモチーフにした意匠性の高い壁材で、お部屋を個性的に演出してくれます。
プライベート空間である寝室を、自分好みの心地良い場所に整えることは、日々の疲れを癒やし、明日の活力を得るためにも欠かせません。ぜひ今回ご紹介したアイデアを取り入れながら、理想の寝室づくりを楽しんでみてください。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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