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リビング収納にもなる”小上がり” 和紙の畳おもてが魅せる快適生活

リビング収納にもなる”小上がり” 和紙の畳おもてが魅せる快適生活



昔ながらの日本家屋を訪れた時、の上を風が通り抜けるような何ともいえない開放感を感じたことはないでしょうか。

随筆、徒然草にある「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」という言葉からも分かるように、日本では昔から風通しや涼しさを重視した家づくりが行われてきました。壁やドアで空間を分断するのではなく、ふすまや障子などの薄くて軽いもので曖昧に仕切るという方法がとられてきたのです。

さらに日本では、間仕切り以外の方法で空間を分けるという知恵も受け継がれてきました。その1つに“小上がり”というが少し高くなった小さな座敷があります。小料理屋や和風旅館などでよく見かけるこの小上がりには、ふすまなどの仕切りがない場合も多く、同じ敷きのでもその段差によって「こことあそこは違う空間だ」と認識できます。

近年、この小上がりを自宅にも取り入れたいと考える人が増えています。その背景には何があるのでしょうか。この記事では、現代のライフスタイルに活きる小上がりの魅力について解説します。

日本家屋に見る“仕切り”の知恵 小上がりで新しいライフスペースを

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の高さを変えるだけで視覚的な仕切りの効果をもたらし、周囲と違った雰囲気の空間をつくり出す小上がり。実は、スペースが限られがちな現代のリビングとも非常に相性が良いのです。

最近人気の、仕切りのないオープンなリビングは確かに部屋が広く見えますが、単調で目的のはっきりしない空間になってしまうこともあります。そのようなリビングだと、家事や仕事のスペースとリラックスするためのスペースが混ざって落ちつかない、ということにもなりかねません。

小上がりを設けるとリビングの中に少し違う雰囲気を持つ場所がつくれます。空間全体にメリハリをつけることで曖昧な広さが引き締まります。さらには段差に腰かけて家族や友人との会話を楽しむ、小上がりに設置されたの上でくつろぐなど、暮らしも様々に変化させることができるのです。そんな小上がりがもし自宅のリビングにあったとしたら……日々の生活が新鮮なものになりそうな気がしませんか?

小上がりとスキップフロアはどう違う?

小上がり同様、高さで空間を分ける方法にスキップフロア(ステップフロア)があります。
実は、小上がりはスキップフロアの1種で、同じ意味として使用される場合もあります。

小上がりは、床の高さよりも少し高さのある小さなスペースで、前述したように和風の小料理屋などに設置された段差のある座敷(畳空間)を指して使われることが多いです。リビングの中の畳スペースとして設置されていることもあります。

スキップフロアとは、上の階と下の階の中間に設置する空間や構造を指します。小上がりのほかに、1階と2階の間につくる中2階や、ロフトや半地下などもスキップフロアといえます。
スキップフロアのメリットは、扉や仕切りを使わずに独立した空間をつくれることです。遮蔽物で仕切らないので開放感がありますし、人の目も届きやすいです。例えば、スキップフロアで中2階につくった畳コーナーを子どものお昼寝や遊びスペースとして利用すると、見守りがしやすく安心感があるでしょう。
ほかにも、限られた空間を有効利用できるというメリットもあります。縦方向に階が増やせるので狭い敷地でも間取りが増やせます。また、家を建てる土地に傾斜があるときでも、スキップフロアを取り入れると、傾斜を使い間取りをつくりやすくなります。

一方でスキップフロアのデメリットとしては、構造が複雑で設計や施工にコストがかかるほか、階段があるのでバリアフリー化は難しいという点があります。また、スキップフロアにした空間はほかの空間とつながっているので、生活音や臭いが伝わりやすくなったり、空調効率が悪くなったりすることもあります。

なお、広いスキップフロアをつくるにはある程度の費用がかかりますが、ちょっとした小上がりが欲しいのなら、小上がりユニットを使う方法もおすすめです。ユニットを並べるだけで小上がりができるため、ライフスタイルの変化に合わせやすいでしょう。

リビングダイニングの小上がりを上手く収納に活かす

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リビングに小上がりをつくるメリットの1つは、高さを活かして収納スペースを増やせることです。床より高くした部分に引き出しを設置し、リビング収納としても有効活用できる点は、小上がりが好まれる理由として大きなものです。

「収納付きの小上がりは床を壊さなければいけないだろうし、時間もお金もかかりそう。」と思う方もいるでしょう。しかし、収納付きの小上がりをリビングにつくる場合、大掛かりな工事は必ずしも必要ありません。例えば、DAIKENのシステム収納『MiSEL(ミセル)』を採用すれば、リビングの床を壊すことなく簡単に小上がりをつくることができます。

MiSEL(ミセル)』は、使う人のニーズに応じてカスタマイズできるシステム収納です。リビングの壁をフルに使った大きな壁面収納や、ライフスタイルに合わせて組み合わせできるTVボードなど、多彩な収納スペースを自由につくれます。リビング収納を兼ねた小上がりをつくる際も、『MiSEL(ミセル)』の「小上がりユニット」を使うとスムーズです。

つくり方は蓋つきの頑丈な箱型ユニットに天板を載せ、リビングのに連結しながら並べていくだけと、とてもシンプルです。

小上がりの手前側には、中が空洞の「床置オープンユニット」を配置しておくと、キャスター付きの引き出しをセットできます。
一方、小上がりの奥側には上部が蓋を兼ねた可動天板になっている箱型の「床置ユニット」を配置すれば、天板を外して開けることで中の物が出し入れできます。布団や毛布、季節のアイテムなど使用頻度があまり高くない物の収納場所として使うのがおすすめです。

奥まで無駄なく収納スペースとして使える『MiSEL(ミセル)』の「小上がりユニット」。その収納力は、すっきり片付いたおしゃれなリビング空間づくりにきっと一役買ってくれることでしょう。

いくらあっても困らないリビング収納

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ここで、小上がりを使ってリビングの収納容量を増やすメリットを床面積の観点から考えてみましょう。クローゼットなどの収納に使われる面積が住居全体の床面積に占める割合(収納率)は平均13〜15%程度(戸建ての場合)とされています。収納スペースが広ければ、それだけ片付けやすくなります。ただし、その一方で収納率が高ければ居住スペースも圧迫されるという点には注意が必要です。

リビングは家の中心的な空間でもあるので、個人の持ち物や共有で使う家電製品などが集まり、多くの収納スペースが必要となります。家族が増えたり成長したりするごとに、収納しなければならない物も増えていきますので、リビングの収納スペースはいくらあっても困りません。

しかし、収納スペースを増やそうとしても、既にリビングはテーブルやテレビ、ソファなどの家電製品・家具が大きな場所をとっていて、収納棚を買っても置き場所に悩んでしまうかもしれません。小上がりなら居住スペースとして利用できますので、収納率を増やしつつも居住面積には影響しません。

小上がりの床に畳がおすすめの理由

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小上がりを設置する場合はデザインにもこだわりたいものです。洋風のリビングが増えている今、表面にウッディな素材を取り入れ、フロアとの統一感を出すこともできます。

小上がりを空間上のアクセントとしたい場合は、あえてを使い、和のテイストにするのもおしゃれです。日本建築の知恵として受け継がれてきた小上がりだからこそ、を使ったデザインがしっくりくるのです。縁なし畳、カラフルな畳、正方形の畳など、モダンな畳を敷き詰めれば、洋風リビングともバランスがとれます。

また、素材の床にはクッション性があるのでスリッパを脱いで直に寝転んでリラックスできるというメリットがあります。洗練された洋風のリビングに小上がりを設置して、くつろぎのスペースにしたいならがぴったりですよ。

小上がりで和モダンを意識したおしゃれな室内空間を

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素材の小上がりが欲しいという人にも『MiSEL(ミセル)』はぴったりの建材です。『MiSEL(ミセル)』の小上がりユニットでは、になるユニットの天板に和紙(※)でつくられた『ダイケン健やかおもて』の畳を使用しているからです。

ダイケン健やかおもて』は機械ですいた和紙をこより状に加工して樹脂コーティングしたあと、織機で織り上げてつくった畳おもてです。本物のイ草を使ったにも引けをとらない端整な織目の表情と色合いの美しさ、そして優しい肌触りが特長の魅力的な製品です。その優れた品質から、多くのホテルの客室や旅館、寺院などでも採用されています。

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和紙に樹脂コーティングを施しているので撥水性に優れ、紫外線や引っ掻きなどに強い耐久性も大きなポイント。カビの発生やダニの増殖を抑え、家族の健康にも配慮することができます。

和紙でつくられているからこそ実現した豊富な色も魅力的です。『MiSEL(ミセル)』の小上がりユニットに使用されている畳の色は、オーソドックスなグリーンから部屋を明るく見せるアイボリーやシックなダークブラウンまで全6種類。あなたのリビングにぴったりな色が、きっと見つかるでしょう。

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のない正方形の畳おもてを並べた琉球畳ような小上がりは、和風になり過ぎない小粋な雰囲気が魅力。洋風の空間にほんのりと和のテイストが加わり、スタイリッシュな和モダンインテリアのリビングが完成します。

に寝転がってのんびりくつろげて便利なリビング収納としての役割も果たし、そのうえ空間にメリハリをつけて和の雰囲気を添えてくれる小上がりをあなたの家にも取り入れてみてはいかがでしょう。きっと、想像以上に快適な生活が待っているはずです。小上がりを使ったリビング収納に興味を持たれた方は、ぜひ大建工業のホームページやWebカタログなどをご覧ください。

(※)機械すき和紙を使用しています。コウゾ・ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。また、本ページで記載の和紙の畳とは、畳のおもて部分のことを指し、畳床部分まで、全てが和紙製ではありません。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

公開日:2019.09.01 最終更新日:2025.01.20

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