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※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
木造住宅の“梁(はり)”は、家を支える重要な構造部分の1つです。この梁をあえて見せる天井デザインの“梁見せ天井”が、リビングに開放感と木のぬくもりを与えると注目されています。
今回は、住宅における梁の役割や梁見せ天井のメリット、さらに梁見せ天井をおしゃれで機能的に仕上げるための工夫や注意点を解説し、あわせておしゃれな天井デザインを実現できるDAIKEN製品をご紹介します。
梁とは?
日本の戸建て住宅では、一般的な工法である“木造軸組工法”が広く採用されています。おしゃれな天井づくりを目指すために、まずは木造住宅の基本的な構造を理解しましょう。
そもそも梁とは何?

梁は、建物の軸組の中で「水平に通っている骨組み」を指し、垂直に立つ柱に渡して、上からの重さを柱に伝えます。
細かく分けると、柱と柱に渡すものを“大梁(おおばり)”、大梁と大梁の間に架けられるものを“小梁(こばり)”、小梁に取り付けるものを“孫梁(まごばり)”といいます。なお、同じ水平方向に架けられていても、建物の長辺に使われるものは“桁(けた)”と呼ばれ、屋根の頂部である棟木と平行に架けられる部材です。
建物を支える重要な部材 梁と柱
梁と柱は、建物の骨組みをつくるために欠かせない部分です。天井や壁紙が貼られると見えなくなることが多いものの、どちらも家の安全を支える大切な役割を果たします。
柱は縦の部材で建物を支え、建物や家具の重さを土台や基礎に伝え、梁は横の部材として柱と柱をつなぎ、屋根や上の階の重さをしっかり受け止めます。柱と梁の2つが組み合わさることで、地震などの揺れを逃がしながら安全に暮らせる空間ができるのです。
梁見せ天井とは?
最近、おしゃれなインテリアでよく見かけるのが梁見せ天井です。通常は天井仕上げで隠れる梁をあえて露出させ、デザインの1つとして取り入れた天井です。梁の直線や素材感がアクセントになって、空間に温かさや迫力といった表情をプラスします。
梁見せ天井では天井の高さや奥行きが強調されるため、開放感が生まれやすい点も魅力です。特に、広さを感じたいリビングなどの空間に適した手法といえるでしょう。
あらわし梁と化粧梁の違い
梁見せ天井には2つの種類があります。
・あらわし梁

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
“あらわし梁”は、天井を張らず、構造体として建物を支えている梁をそのまま見せる方法です。構造体を剥き出しにすることで、素朴ながら力強い雰囲気を演出できます。
・化粧梁

“化粧梁”は、装飾用の梁を取り付ける方法です。化粧梁は構造体ではないので、色や太さ、配置の選択肢が広がります。好みやインテリアに合わせて色や太さを選び、後付けすることも可能です。
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天井の梁を活かす色・素材、配置のコツ
梁見せ天井を取り入れる際は、素材の種類や配置方法などのポイントを押さえておくと、梁の魅力を最大限に活用できます。梁を活かすためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
勾配天井や吹き抜けと梁の相性
梁を見せるデザインでは、天井の高さや構造が強調されます。勾配天井や吹き抜けと組み合わせれば視線が上へと自然に導かれ、リビングなどの空間が、よりダイナミックで開放的な印象になります。
梁と壁・床材の色バランス
梁の存在感を活かすためには、天井材や壁、床とのコーディネートも欠かせません。明るい壁や床に濃い梁を組み合わせると、梁が際立って空間が引き締まります。
一方、梁を含めて全体をナチュラルなトーンでまとめると、やさしく穏やかな雰囲気になります。
梁の色や素材次第で空間の印象は大きく変わるため、インテリア全体の調和を意識して選ぶとよいでしょう。
スタイル別の梁の見せ方
梁見せ天井は、組み合わせるインテリアスタイルによって印象が大きく変わります。
梁見せ天井を使った3つのスタイルをご紹介しますので、インテリアスタイルとのコーディネートを検討する際の参考にしてください。
・ナチュラルスタイル

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
自然な木目が際立つ明るい色合いの梁は、木のぬくもりを大切にするナチュラルスタイルによく合います。床や家具も同系色の木材で揃えると空間に統一感が生まれ、やさしい雰囲気に仕上がるでしょう。
植物やシンプルなリネン素材のインテリアを取り入れると、さらにナチュラルでリラックス感のある空間になります。
・シンプルスタイル

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
すっきりとした印象を重視するシンプルスタイルでは、梁の存在感を抑えめにして、空間全体をフラットに見せるのがポイントです。梁の渡し方をシンプルにし、天井や壁と同じ白やベージュ系にすると、さりげなく空間になじみます。
・シックスタイル

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
濃い色やどっしりした質感は、シックで落ち着いた雰囲気を演出します。グレーやダークブラウンの梁は空間に深みと重厚感を与え、上質で洗練された印象がつくれます。
ブラックのアイアン素材や打ちっぱなしコンクリートとも相性が良く、インダストリアルスタイルにもよくなじみます。
天井と梁をおしゃれに演出する照明・シーリングファンの工夫

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
梁の存在をさらに活かす工夫については、デザイン性と快適性が両立できる照明やシーリングファンの取り入れ方をご紹介します。
梁に沿わせた間接照明
梁の陰影を美しく見せるには間接照明を活用するとよいでしょう。梁の側面や裏側にLEDライトを仕込むと光と影のコントラストが生まれ、梁の立体感が際立ちます。
ライティングレールで照明を自在に
化粧梁にライティングレール(ダクトレール)を取り付ければ、スポットライトやペンダント照明の設置調整がしやすくなります。梁の側面や下部など、設置する位置によっても印象が変わるのも興味深いところです。
複数の照明器具でお気に入りのアートや家具を照らすなどして、機能性とデザイン性を両立しやすくなります。
シーリングファンの取り入れ方
梁はシーリングファンの設置場所としても活用できます。インテリアのアクセントになるだけでなく、リビングの空気を循環させて室温を調整しやすくなります。
シーリングファンはインテリアスタイルに合わせたデザインを選びましょう。木目調のファンを選べばナチュラルに、メタリックな素材を選べばモダンな空間が生まれます。
シーリングファンの取り付けに関しては、いくつか注意点があります。化粧梁にシーリングファンを設置したい場合は、耐荷重の確認が必要です。シーリングファンは重量があるうえ、作動時には振動も伝わるため、梁の耐荷重に余裕がないと破損や落下のリスクがあります。
また、梁の位置が低い場合には、シーリングファンを設置すると空間に圧迫感が生じたり室内の空気が循環しにくくなります。
耐荷重や設置高さについては、専門家と相談しながら計画してください。
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梁見せ天井のデメリットと注意点
梁見せ天井には魅力がたくさんありますが、実際に取り入れる場合はいくつか注意点があります。
特に、デメリットとなりかねないメンテナンスや空調効率についてはしっかりと理解しておきましょう。
埃が溜まりやすい
梁の上部は高所かつ平面になるため、埃が溜まりやすく、定期的な掃除が必要です。梁の高さや設置場所によっては掃除道具が届きにくい場合もあるため、メンテナンスのことも考慮して設計する必要があります。
冷暖房効率に影響が出る場合も
梁の大きさや位置によっては、空気の流れが遮られて冷暖房が効きにくくなることもあります。特に高天井の空間では暖かい空気が上に溜まりやすくなるため、「屋根断熱をしっかり施工する」「空気を循環させるサーキュレーターやシーリングファンを使用する」などの工夫が必要です。
天井を美しく仕上げるDAIKENの『グラビオルーバーUB 直付式』

梁を見せるデザインは天井に奥行きや表情を加えます。化粧梁(ルーバー)は、見た目の美しさと実用性を両立できます。
DAIKENの『グラビオルーバーUB 直付式』は、空間に立体感と高級感を与える不燃造作材のルーバーです。多彩な木目柄のラインアップで、様々なインテリアとのコーディネートが可能で、デザイン性の高い天井を演出します。
また、『グラビオルーバーUB 直付式』は施工ピッチ(間隔)の調整により、空間イメージに合わせた柔軟な対応が可能です。
色柄のバリエーションも多いので、インテリアの雰囲気に合わせて選んでいただけます。

まとめ
天井材の選定は、空間全体の印象を左右する重要なポイントです。梁見せ天井は、空間の印象を大きく変えるデザイン手法で、ナチュラルにもシックにも演出できます。照明やシーリングファンと組み合わせて、よりおしゃれな空間にすることもできます。
DAIKENの『グラビオルーバーUB 直付式』などの活用も検討し、デザイン性と機能性を備えた天井を目指してみませんか。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
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