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2025-07-07

天井とは? 勾配天井、折り上げ天井などの種類や知らないともったいない機能性の話

天井は、普段の暮らしの中でじっくり眺める機会があまりないため、家づくりの際にお金をかけたくないと考える方もいるかもしれません。しかし天井は、空間演出と快適性に大きな影響を与える部材です。天井の素材や色合い、機能性で部屋の雰囲気や快適性も違ってくることをご存じでしょうか。
今回は天井の役割や形状の種類、仕上げ材の特長などを解説します。また空間の湿度を調整するDAIKENの天井材もご紹介します。

天井って何? 屋根とは何が違う?

(※)画像はイメージです。

天井とは、室内上部を仕切る仕上げ面のことです。室内の下部を仕切る床材や垂直部分を仕切る壁とともに居住空間を構成しています。

天井と混同されやすいのが屋根です。屋根は建物の最上部にあり、外壁と合わせて建物の外側を覆う“外皮”として機能します。一方、天井は内装材です。外装材である屋根とは役割や機能がまったく異なります。

天井の役割

天井は、単に室内の上部を仕切っているだけではありません。私たちが快適に暮らすためのいろいろな役割を担っています。天井の主な役割は以下の通りです。

部屋の温度・湿度を安定させる

天井がなかったり高い位置にあったりすると、暖かい空気が上のほうに移動してしまい、部屋全体の温度調整が難しくなります。逆に天井が低い位置にあると、暖かい空気や湿度がこもりやすくなるため、天井を適切な高さに設置して部屋の温度を快適に保ちやすくする工夫が必要です。

埃の落下を防ぐ

天井裏には設備配管が設置されています。これらの配管には埃が溜まりやすいため、天井がなければ通気・換気による空気の動きで室内に落ちる可能性があります。天井があれば埃が溜まりにくくなるだけでなく、埃が落下したときに受け止め、室内へ侵入するのを防止可能です。

部屋の印象を変える

天井は人の空間認識に大きな影響を与えています。天井の色や形状が変わると、部屋の雰囲気がガラッと変わり、空間の広さの感じ方も異なってくるでしょう。おしゃれな空間を演出したいときは天井の色やデザインにこだわってみましょう。

機能性をプラス

近年は天井材の高機能化が進み、天井にさらに多くの機能性をプラスできるようになりました。部屋の用途に合わせた天井材を選んでみるのはいかがでしょうか。

・照明の演出効果向上
天井は照明の光を反射したり吸収したりして、部屋の雰囲気に影響を与えます。特に間接照明を設置する場合は相性の良い天井材を選定すれば、より美しい演出効果が得られます。

・調湿性能
天井に調湿性能があるものを使用すると、湿度が高いときには水分を吸収し、低いときには水分を放出するので、湿度を快適に保ちやすくなります。

・吸音性能
天井に吸音性能があるものを使用すると、空間内の音の響きを抑えることができます。その部屋で行う活動に合わせて適切な音環境をつくれば、より快適に過ごせるようになります。

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天井の種類 主な形状

天井には様々な形状があり、それぞれ異なった印象を与えます。主な天井の形状をご紹介しましょう。

平天井

最も一般的な天井は平天井です。床と平行な水平の天井で、シンプルなだけにコストを抑えられます。見た目がスッキリしていますし、照明器具なども設置がしやすくなっています。

勾配天井

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

勾配天井は、屋根の勾配に合わせて斜めに仕上げられた天井です。勾配の上部は天井高が高くなるため空間に広がりが出やすく開放的に感じられるのが特長です。部屋に立体感も生まれて、おしゃれな雰囲気を演出できます。天井下地が少なくてすむ場合もありますが、施工の複雑さからコストの増加も考えられます。
関連記事⇒「勾配天井の魅力を知ろう インテリアや建材を工夫して空間をおしゃれに演出

折り上げ天井

折り上げ天井は、天井の中央部分を一段高く仕上げた天井です。空間に奥行きと高級感・重厚感を与えることができます。設備配管を折り上げ部分の外周に設置することで、階高が限られているマンションでも高い天井を実現できるのがメリットです。

下がり天井

下がり天井は天井の一部を低く仕上げており、折り下げ天井とも呼ばれます。梁や配管を隠すために造られることが多く、間接照明を設置しておしゃれな空間を演出したり、空間のゾーニングに役立てたりできます。

下がり天井は間取り図でも比較的見ることの多い天井でしょう。間取り図や間取りについてはこちらもご覧ください。
関連記事⇒「家の間取り図を見るコツ アルファベットの略語はどんな意味?
関連記事⇒「30坪2階建てのおうち おしゃれな間取りのつくりかた

舟底天井

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

舟底天井は、中央が高く両端に向かって傾斜する三角形状をしており、見上げるとシルエットが舟の底のような形になっている天井です。緩やかに傾斜した天井がやわらかな印象を生み、部屋を広く見せてくれます。

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天井の仕上げ材

天井は、仕上げ材によっても印象や機能が大きく異なります。住居に使われることが多い仕上げ材を知っておくと、自宅の天井にはどのような仕上げ材が合うのか選定しやすくなるでしょう。

クロス

クロスは、一般的によく使われる繊維状の天井仕上げ材です。ビニール、織物、紙、木質系、無機質系など様々な素材があり、色・質感のバリエーションも豊富なため、自分好みのデザインを選べます。壁用と同じクロスを貼ることも可能ですが、天井用のクロスは照明が当たっても下地の凸凹や継ぎ目が目立ちにくいようやや厚手になっている点を踏まえて検討しましょう。

漆喰・珪藻土

漆喰や珪藻土は、左官職人が手作業で塗り上げる仕上げ材です。調湿性・保温性・断熱性などにすぐれているほか、継ぎ目のないシームレスな表面の美しさが好まれています。

ロックウール吸音板

ロックウール吸音板とは、岩綿を板状に加工した、すぐれた吸音性が特長の天井仕上げ材です。学校の音楽室や、オフィスの会議室など人が集まる部屋で使われることの多い仕上げ材といえます。

羽目板

羽目板は、細長い木の板材を並べて張り合わせる仕上げ材です。天井のほか壁に採用されることもあり、木のぬくもりを感じられるナチュラルな空間が生み出せます。リビングや玄関に取り入れれば、味のある高級感を醸し出せるでしょう。

ルーバー

ルーバーは、細い板を等間隔に並べて取り付けたデザインです。間隔の広さを調整することで、視線や光の抜け具合をコントロールできます。間接照明と組み合わせると、独特の陰影が生まれ、ワンランク上の洗練されたデザインが実現可能です。

爽やかな空気をつくる天井材 DAIKEN『クリアトーン12SⅡ』

天井に調湿機能をプラスしたいなら、DAIKENの『クリアトーン12SⅡ』がおすすめです。天井材にこまかな孔が開けられており、湿度が高いときは空気中の湿気を吸収し、湿度が低いときはため込んだ湿気を放出します。人が快適に感じるとされる40~70%の湿度を保ちやすいほか、吸音性能や消臭性能も兼ね備えており、気になる反響音も抑えやすいでしょう。
シンプルなデザインは様々なコーディネートにマッチし、インテリアを引き立てます。オンクロス対応品のため、リフォームの際にクロスの上から施工することも可能です(※)。

(※)『クリアトーン12SⅡ』をオンクロス施工される場合は、スピーデル工法用接着剤をご使用ください。

おわりに

天井は部屋の印象を左右するだけでなく、快適性や機能性にも大きく影響する重要な内装材です。よく検討することで、より良い住環境を実現できます。普段あまり意識しない場所かもしれませんが、理想の住まいに相応しい天井を考えてみてはいかがでしょうか。

  • 淀川 美和
  • 監修者

    淀川 美和(よどがわ みわ)
    株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。

    一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。

    保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級

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