サードプレイス（第三の居場所）とは　サードプレイスとしての時間と空間を自宅で楽しむコツ

第三の居場所“サードプレイス”は、1989年にアメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが提唱した概念です。オルデンバーグはサードプレイスを「家庭や職場での役割から解放され、一個人として気軽にくつろげる場」と定義しました。

そして、サードプレイスの条件として次の8つの条件をあげています。

・中立性：誰もが自由に出入りできる、偏見や派閥といったしがらみのない場所
・社会的平等：年齢や性別、社会的地位などにしばられず平等な権利が与えられる場所
・会話重視：その場にいる人同士で、特に目的を決めずにその場を楽しむ自然な会話が生まれる場所
・利便性が高い：足を運びやすく、親しみを持てる場所
・目立たない場所：リラックスして、落ち着いて会話ができるひっそりとした場所
・遊び心がある：緊張感がなく、陽気に談笑できるリラックスした場所
・常連になれる：常連が、その空間と雰囲気をつくり、新しい人を受け入れていく
・ぬくもりと家らしさがある：憎悪や緊張などなく、家にいるような安心した気持ちになる場所

ファーストプレイス、セカンドプレイスとの違い

第一の居場所“ファーストプレイス”は家を、第二の居場所“セカンドプレイス”は職場を指しており、どちらも生活の中心となる重要な場所です。それに対し、サードプレイスは“家庭や職場以外でくつろげる場所”で、具体的にはカフェや公園、図書館などがあげられます。

第四の居場所、フォースプレイス

最近は、第四の場所“フォースプレイス”という概念も広まっているようです。フォースプレイスはサードプレイスのような居心地の良さを求める場ではなく、自分の価値観を見つめ直し、他者とつながりながらの自己研鑽（けんさん）を目的とする場です。ただし、キャリアに直結しないのが特徴です。

人によっては資格の勉強をする場所、ワークショップの場などがフォースプレイスになるでしょう。デジタル空間やオンラインコミュニティにもフォースプレイスを見いだすことができます。

サードプレイスには、大きく分けて2つのタイプがあります。自分のライフスタイルに合ったサードプレイスを見つけてみましょう。

交流型

交流型のサードプレイスは、人々が集まって交流する場です。積極的なコミュニケーションが生まれ、他者との会話を楽しむことが主な目的となります。

交流型サードプレイスには、カフェや居酒屋などが当てはまります。また趣味の集まりやオフ会、ボランティア活動などをサードプレイスとしている人もいるかもしれません。

マイプレイス（プライベート）型

マイプレイス型は、サードプレイスの中でも完全に個人で過ごす空間や場所を指します。自分だけの趣味に没頭したり、ひたすらのんびり過ごしたりと、1人の時間を充実させて心身を休めることを目的とした場所です。

マイプレイス型のサードプレイスとしては、個人専用の小さな書斎や趣味の部屋などが該当します。

通勤に時間がかかる、または仕事が終わるとすぐに帰るのが習慣となっている人が多い日本では、サードプレイスはなじみのない考え方かもしれません。しかし、サードプレイスには様々なメリットがあります。

気分転換になる

サードプレイスを持つメリットの1つは、気分転換ができることです。家庭や職場にも楽しみは多いとはいえ、そこを往復するだけの日々の中で、ほっとする時間を得るのは限界があると感じる人はいるでしょう。
そのようなとき、サードプレイスは休息やリフレッシュを図れる場所になるのです。

新しいアイデアが浮かびやすくなる

サードプレイスは日常から離れた環境なので、くつろげるだけでなく新鮮な刺激を受け取る場にもなり得ます。
カフェや居酒屋で生まれる何気ない会話から新しい知識を得たり、意外なひらめきにつながったりした、という経験を持つ人もいるでしょう。
日常から解放された状態は、柔軟な思考や大胆な発想を生み出す土壌となります。

好きなことを深められる

交流型のサードプレイスは、普段あまり接する機会のない人やコミュニティとつながる場になります。
例えば、趣味や関心事を共有するグループや地域のイベント、オンラインのSNSコミュニティなどでは、多様な背景を持った人々と交流するチャンスになるでしょう。

日常では出会う機会の少ない人々と交流し知見を深め、多様な価値観や意見に触れると視野が広がります。自己表現の幅を広げ、さらなる気づきを与えてくれる可能性があります。

自宅のサードプレイスでは、誰にも気兼ねなくストレッチを楽しむのもありです。スペースも、自室で動画を見ながら、あるいはリビングの一角をストレッチスペースとするのもよいでしょう。取り入れやすいストレッチはこちらでご紹介しています。
関連記事⇒「自宅でできるストレッチの種類とやり方　注意するポイントとおすすめの床材もご紹介」

サードプレイスを持つことには様々なメリットがありますが、注意すべき点も存在します。サードプレイスのメリットを最大限に活かすためには、どのような点に気をつければよいか、みていきましょう。

自宅やオフィスから遠いと不便な場合も

サードプレイスを選ぶ際、自宅やオフィスから遠く離れた場所だと移動に時間がかかり、結局利用するのが面倒になってしまう可能性もあります。
家からも仕事場からも通いやすい距離にあってこそ、理想的なサードプレイスになるのです。

利用費がかかる場合もある

サードプレイスによっては、利用費がかかる場合もあります。カフェや居酒屋は行くたびに飲食代がかかりますし、コワーキングスペースも設備使用料などが発生します。会員制の施設や有料イベントなどでは、月額料金やチケット代が必要になるでしょう。

経済的負担を避けるために、無料で利用できる公共の場所やオンラインコミュニティを活用するのも1つの方法です。

セキュリティが不十分

サードプレイスとして利用する場所やサービスを選ぶ際には、セキュリティ対策がしっかりしているかを確認しましょう。公共Wi-Fiなどを利用する場合は、個人情報を扱う作業は避けるほうが安全です。

1人で過ごすリビングがどこよりも落ち着くという方もいるでしょう。リビングにお気に入りの観葉植物を取り入れると、より落ち着く空間になるかもしれません。おすすめの観葉植物と育て方、飾り方をご紹介します。
関連記事⇒「リビングに観葉植物を置いて家に癒やしを！ 育てやすくインテリアとしておすすめの種類」

一般的にサードプレイスは自宅でも職場でもない場所に持つものですが、適した場所がなかなか見つからない方もいるかもしれません。

そのようなときは、自宅にサードプレイスを設けてみてはいかがでしょうか。家の中にサードプレイスをつくる3つのアイデアをご紹介します。

書斎でゆっくり、静かな読書時間を

書斎や個室は、静かに1人の時間を楽しめるサードプレイスになり得ます。読書をするも良し、趣味に浸るのも良し、“自分だけの空間”を持つことで、家庭や仕事から一歩離れてリフレッシュを図れます。
快適なチェアやソファ、照明などを整え、よりくつろげる空間をつくってサードプレイスでの時間を楽しみましょう。

浴室を癒やしのスペースに

自宅でのサードプレイスとして、浴室を活用するのも1つの方法です。1人で入るお風呂は、気分転換するには適した空間といえるでしょう。アロマオイルやバスソルトなど、お気に入りの香りのものを使えばリフレッシュも期待できます。
音楽や本を持ち込んで、ゆったりとしたひとときを楽しむのもよいでしょう。

SNSでコミュニケーション

サードプレイスはインターネット上にも持てます。自宅にいながらSNSを通じて親しい友人や仲間とコミュニケーションを楽しむ時間もサードプレイスといえるでしょう。
遠距離の友人と、あるいは世界中の人と一緒にオンラインゲームやグループチャット、ボイスチャットを楽しめるのもSNSをサードプレイスとする醍醐味（だいごみ）ですし、経済的な負担が少ないのも魅力です。

知らない人との交流には注意が必要ですが、上手に活用すれば充実した“サードプレイス体験”を楽しめるでしょう。

お酒好きな方は、自分だけのサードプレイスでゆっくりとお酒を楽しむ、という過ごし方もよいのではないでしょうか。ワインセラーの種類や導入するポイントをまとめてみました。
関連記事⇒「ワインセラーのある暮らし　ペルチェ式、コンプレッサー式、アンモニア式の違いと選び方」

自宅に、サードプレイスのように心からくつろげるパーソナルな空間を設けることは、日々の暮らしに豊かさをもたらします。外出しなくても、必要なときに自分だけの時間を確保できる利便性も大きな魅力です。
DAIKENには、居心地の良いプライベート空間づくりに役立つ製品が充実しています。

例えば、防音性能のある天井材を使えば、よりリラックスできる空間を実現できます。シンプルモダンな『オトテン』は高密度の遮音層を採用し、吸音性や遮音性にすぐれた天井材です。ホームシアターでの映画鑑賞や楽器演奏などの趣味を気兼ねなく楽しむための環境づくりに役立ちます。

『クリアトーン12SⅡ』は既存のクロスの上から施工できる天井材です。残響音を抑えながら、部屋の湿度を調節して爽やかな空間を演出します。

また、防音ドア『ieria（イエリア） 音配慮ドア』や『防音カーペット ドレミ』などを取り入れれば、より静かな環境を整えられます。ネットゲームやネット配信も外部への音漏れを気にせず楽しめます。
（※）場合によっては、壁の防音対策が必要になる場合があります。

サードプレイスは、自宅や仕事場以外でリラックスや交流ができる場所です。交流型とマイプレイス型など、過ごし方によって違いがあるので、自分の好みや目的に合わせて快適な空間を選びましょう。

自宅の書斎や浴室を活用したりSNSを使ったりして、自分の住まいに快適なサードプレイスをつくることも可能です。自宅のサードプレイスをさらに過ごしやすい場所にするために、DAIKENの防音建材もお役立てください。