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2025-08-20

サービスルームとは? 納戸や居室と何が違うの? メリット・デメリットと特徴を知って上手に使おう

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。

家づくりや物件探しをしていると、“2LDK+S”や“3SLDK”といった表記を見かけることがあります。LDKはともかく、“S”が何を指しているのかご存じない方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、平面図の中でSと示されている部屋、“サービスルーム”です。サービスルームとはどのような部屋で、どんな使い方ができるのでしょうか。
サービスルームの定義やメリット・デメリット、おすすめの活用方法について解説します。

サービスルームとは?

不動産広告や間取り図でSと表記される“サービスルーム”とはどのような部屋なのでしょうか。まずは、サービスルームの定義を知っておきましょう。

サービスルームとは居室として認められない部屋

一般的にサービスルームとは、建築基準法で居室として認められない部屋を指します。建築基準法における居室の定義をわかりやすく説明すると、下記のとおりです。

①居住・執務・作業・集会・娯楽などの目的のため、継続的に使用する部屋
②原則的に採光・換気・排煙のための窓が必要
③安全に避難できる経路や設備が必要

これらの条件を満たしていない部屋は居室とは認められないため、不動産の間取り表記においても部屋数に含めることができません。そのため、間取り図では「S(サービスルーム)」と表記されるようになりました。
サービスルームは特に、②の「居室に必要な採光や換気を確保できない」という理由から、居室とみなされないケースが多いようです。

つまり「2LDK+S」という間取り表記の場合、リビング・ダイニング・キッチンのほかに、2つの“居室”と1つの“居室の条件を満たさない部屋”があることになります。

関連記事⇒「居間とはどの部屋のこと? 居室やリビングとの違いと、レイアウトのポイント

居室・納戸との違い

建築基準法における居室の定義を満たしていないのはサービスルームだけではありません。例えば浴室・トイレ・収納スペースなどは、上記の条件①を満たしていないので、居室に該当しません。

その他にも以下のような“非居室”があります。

フリールーム間取り表記 F
書斎間取り表記 DEN
納戸間取り表記 N
ウォークインクローゼット間取り表記 WIC

実はこれらの部屋に明確な違いはありません。和風物件なら納戸、洋風物件ならサービスルームと呼ぶ傾向はありますが、サービスルーム、フリールーム、DEN、納戸、ウォークインクローゼットはいずれも「居室とみなされないスペース」だととらえておきましょう。

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サービスルームのメリット

サービスルームがある住宅には、いくつかのメリットがあります。居室としての条件を満たしていないものの、サービスルームがあるとなぜお得なのでしょうか。

リーズナブルに部屋数を増やせる

サービスルームはコスト面で居室と差別化が図られており、3LDKより2LDK+Sのほうが、建設費を抑えられることもあります。居室扱いできない部屋があるとしても、リーズナブルに部屋数を確保できることは、魅力的な選択肢になります。

マルチに使える部屋を用意できる

サービスルームは建築基準法上の居室とは認められないものの、自宅にあれば十分なスペースを備えたマルチに使える便利な部屋になります。

収納スペースとして使いやすい

採光が少ないサービスルームは、収納に使うにはうってつけの部屋です。直射日光が入りにくいので、日差しによって傷みやすい服や靴、書類、本、道具などを大切に保管できます。

また窓がない(少ない)ので壁面が大きく、棚やキャビネットの設置にも向いています。サービスルームがあれば大きな収納スペースを確保でき、住まい全体の片付けがしやすくなるでしょう。

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2025.05.20

サービスルームのデメリット

もちろん居室としての条件が満たされていない部屋を使用することには、デメリットもあります。サービスルームを活用するうえでの注意点をご紹介します。以下の点も踏まえ、活用方法を検討しましょう。

長居には向かない

建築基準法が居室に採光や換気を求めるのは、利用者の心身の健康を守るためです。サービスルームは、それらの条件を満たしていない部屋なので、基本的に長居には向いていません。
なお、室内窓や採光窓付きドアを取り付けると、サービスルームにも多少の開放感や換気機能を持たせることができます。

コンセントなどがない場合もある

サービスルームは、コンセント、アンテナ端子、LAN環境、エアコンに必要な配管など、居室利用に必要な設備が整っていない場合があります。

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サービスルームの活用方法

それでは、サービスルームの代表的な活用方法をご紹介します。いずれもあると便利なスペースなので、家族の暮らしにあったサービスルームとして活用してみましょう。

大型収納スペース・ファミリークローゼット

サービスルームの使い道でおすすめなのが、大型収納スペースやファミリークローゼットとして使う方法です。収納に居室としての設備は不要なので、サービスルームでも不都合はありません。
自宅内の収納力が大きくアップし、居室をスッキリと保つことができるでしょう。季節物やスーツケース、アウトドア用品など、広さを活かして大きなものをまとめて収納でき、とても便利です。

書庫

窓がない(少ない)サービスルームは、日焼けにより本が傷むリスクを減らせるため、大きめの本棚を置いて書庫にすることもできます。ただ、居室に比べて換気が十分でない場合もあるので湿気がこもらないような配慮も必要となります。

趣味や子どもの遊び道具を収納

リビングなどに家族の趣味で使う道具や子どもの遊び道具が置かれていると、空間が雑然とした印象になりがちです。それらをまとめて保管するスペースや、趣味で集めているアイテムを展示するスペースとして活用するのもよいでしょう。

サービスルームを収納にするなら『内部ユニットFiTIO(フィティオ)』がおすすめ

DAIKENではサービスルームを活用するうえで役立つ製品をご提案しています。

DAIKEN『内部ユニット FiTIO(フィティオ)』

サービスルームを収納として使うなら、おすすめは『内部ユニット FiTIO(フィティオ)』です。本製品は、様々なスタイルにフィットする収納ユニットです。

棚・キャビネット・ハンガーなどを組み合わせることで、クローゼットはもちろん、シューズインクローゼット、パントリーなどの収納のほか、アウトドア用品の収納や押入れのリフォーム対応など、様々なシーンで使用できます。

DAIKEN『ieria(イエリア) リビングドア 引戸・片引』

DAIKEN『ieria(イエリア)リビングドア 引戸・片引』

サービスルームの扉も選択次第で、デザイン性や活用の幅を広げることができます。
扉を前後に開け閉めするスペースを確保できない場合は引き戸がおすすめです。扉を開けたままにしやすいため、荷物の出し入れをする際も便利です。DAIKENの『ieria(イエリア)リビングドア 引戸・片引』は、暮らしに彩りを添える豊富なバリエーションが取り揃えられています。

空間のアクセントとなり、彩りを添えるドアデザインとともに、こだわりの機能と使いやすさが暮らしの質を高めます。空間のインテリアテイストやサービスルームの用途にマッチするものを選んでください。

まとめ

サービスルームは、建築基準法上の居室ではありませんが、工夫次第で住まいの快適性や暮らしの満足度を高められるスペースです。コスト面でも有利なので、限られた予算の中で部屋数を増やしたい場合は有効な選択肢になるでしょう。

もし住宅に“S”のスペースがあるなら、うまく活用して豊かな生活を楽しんでください。

  • 淀川 美和
  • 監修者

    淀川 美和(よどがわ みわ)
    株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。

    一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。

    保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級

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