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2025-07-07

ミッドセンチュリーとは? フォルムやカラーの特徴とコーディネートのコツをご紹介

ミッドセンチュリーのインテリアスタイルは、現代でも色褪せることのない洗練された雰囲気が魅力です。
今回はミッドセンチュリーの特徴や、取り入れる際のコツを詳しく解説します。さらに、ミッドセンチュリーを演出するのにおすすめのDAIKENの製品もご紹介します。

ミッドセンチュリーとは

まずは“ミッドセンチュリー”の特徴や概要について解説します。

年代

ミッドセンチュリーは、第二次世界大戦後の1940~1960年代にかけて生まれたインテリアスタイルのムーブメントです。
戦後の復興と技術革新が進んだこの時期は、インテリアに機能的で合理的なデザインが求められ、住宅やオフィスの近代化により、新しいライフスタイルに適応したインテリアスタイルが生まれた時期でもあります。

発祥の地

ミッドセンチュリーはアメリカで生まれ、発展しました。素材の加工技術が発達しただけでなく、従来になかったFRP(ガラス繊維強化プラスチック)やアルミニウムといった、近代的な新素材が家具に導入されました。

実用的でありながら、新素材の組み合わせや曲線を活かした近未来的なデザインは、アメリカで広まります。その後ヨーロッパやその他の地域に波及し、世界中でミッドセンチュリーが注目されるようになりました。

ミッドセンチュリーの代表的デザイナー

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

ミッドセンチュリー期には、様々なデザイナーが活躍しました。代表的なデザイナーを紹介します。

チャールズ&レイ・イームズ

チャールズ・イームズとレイ・イームズは、どちらもミッドセンチュリーを代表するデザイナーです。アメリカ生まれで建築を学んだチャールズと、同じくアメリカに生まれ絵画を学んだレイが出会い、お互いの才能を認め合い結婚します。やがて2人は、家具をはじめ、建築やグラフィックデザインなど、様々な分野で革新的な作品を生み出しました。
“イームズチェア”はシンプルで機能的な美しさから、現代でも多くの人々に親しまれています。

エーロ・サーリネン

フィンランド生まれのエーロ・サーリネンは、アメリカで活躍した建築家およびデザイナーです。建築家として、ジョン・F・ケネディ国際空港の“TWAフライトセンター”の設計など、大規模な建築プロジェクトに多く携わり、特に家具と建築デザインで名を馳せました。

ミッドセンチュリーの代表作としては“チューリップチェア”があります。1輪の花のような流線型で有機的なフォルムから、この名がつけられたといわれます。

ジョージ・ネルソン

ジョージ・ネルソンは、家具デザインの革新者として知られているアメリカのインテリアデザイナーです。シンプルさと機能性を追求し、“ネルソン・クロック”や“マシュマロソファ”など象徴的な家具を生み出しました。

アメリカの家具メーカー“ハーマン・ミラー社”のデザインディレクターを務め、ミッドセンチュリーを世界中に広めた功績においても有名です。

アレキサンダー・ジラード

アレキサンダー・ジラードは、アメリカのテキスタイルデザイナーです。鮮やかな色彩と幾何学模様で構成されたテキスタイルデザインは、インテリアの分野に大きな影響を与えました。

ハーマン・ミラー社とコラボレーションし、ファブリックや壁紙、家具に新しいアプローチを加え、ミッドセンチュリーを牽引する独創的なデザイナーとして活躍しました。

イサム・ノグチ

イサム・ノグチは日系アメリカ人の彫刻家・インテリアデザイナーです。
彫刻とデザインを融合させ、芸術と機能が共存するミッドセンチュリーの新しいスタイルを切り開きました。

代表作の1つ“AKARI”は和紙と竹からなる照明で、“ノグチ・テーブル”は、ガラスの曲線と木材の素材感が融合した美しいフォルムのローテーブルです。

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ミッドセンチュリーの特徴

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

ミッドセンチュリーの主な特徴をまとめてみました。ミッドセンチュリースタイルの空間づくりの参考にしてください。

シンプルなデザイン

ミッドセンチュリーのインテリアは、シンプルでありながら機能的な美しさが魅力的です。無駄な装飾を省き、実用性と意匠性を兼ね備えた形状は、様々な空間になじみ、現代でも広く愛されています。

ビビッドなカラー

色彩の面では、鮮やかな赤・青・黄などの色をアクセントとして使うのが特徴です。
これらの色は壁やクッション、ラグなどの小物に使われて空間全体を華やかに彩り、当時のインテリアに斬新さや活力、楽しさを加えました。

丸みや曲線を帯びた家具

丸みや曲線を帯びたラインも、ミッドセンチュリーデザインで多用されました。やわらかなラインは、それまでの家具に多かった直線的なデザインからの脱却を目指したといわれています。

椅子やテーブル、キャビネットなどの機能性に優雅な曲線が加わり、穏やかさや安らぎを感じさせる多くのデザインが存在します。

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ミッドセンチュリースタイルの部屋にするコツ

ミッドセンチュリーをコーディネートするには、「色彩」「ミッドセンチュリーのブランド家具」「素材」「照明」など、それぞれの要素の選び方がカギとなります。ここで取り上げたコツを内装計画に反映して、おしゃれな空間を実現しましょう。

床材はシンプルにする

インテリアスタイルのベースとなる床をシンプルに仕上げるのが、ミッドセンチュリーの基本です。
ナチュラルな色の無垢材フローリングやモノトーンのタイルを選ぶと、家具やアクセサリーが引き立ちます。
ミッドセンチュリーのテイストをモダンな雰囲気に近づけたい場合は、明るい色の壁や床に、レトロ寄りにしたいならフローリングをV字型に張る“ヘリンボーン”のパターンにするのもおすすめです。

ブランド家具を取り入れる

ミッドセンチュリーのデザイナーズ家具を選択すると、より本格的な空間を演出できます。
イームズチェアやチューリップテーブルなど、当時のデザイナー作品が1つあるだけで部屋の印象が変わります。

デザイナーズ家具は高価で手に入りにくいことが多いため、著作権の切れた名作家具を可能な限り模した“リプロダクト(復刻)家具”も選択肢の1つです。ただし、正規品に比べると品質や耐久性にばらつきが生じる場合もあるので、よく検討しましょう。

ラグやカーテンにこだわる

ラグやカーテンはミッドセンチュリーの重要なアクセントです。幾何学模様や大胆な色使いに特徴があり、空間に動きが加わります。
ウールやコットンなどの自然素材にこだわれば、あたたかみがありながら洗練された空間をつくり出せます。

アクセントカラーを絞る

アクセントカラーとして赤や青、黄などのビビッドな色をポイントに使うと、空間にリズムが生まれます。これらの色をクッションやカーテン、ラグなどのファブリックや小物に取り入れてみましょう。
ただし、多色使いは部屋全体のバランスを崩してしまうため、空間全体で2~3色に抑えるのがおすすめです。

異素材をミックスする

ミッドセンチュリーのインテリアは、異素材をミックスする点に特徴があります。
例えば「木の家具に金属脚を加える」「革のソファにウールのクッションを合わせる」など、素材をミックスさせてコントラストを楽しみましょう。素材をミックスする場合は5:5ではなく8:2など、どちらかの素材に寄せると、違和感なくまとまります。

照明で演出する

ミッドセンチュリーをより印象深く演出するには照明が欠かせません。
個性的なデザインの照明は空間にアクセントを加えます。曲線を活かした金属製ランプや、レトロなペンダントライトを取り入れると、ミッドセンチュリーならではの美しさを演出できます。

おしゃれなインテリアのポイントについてはこちらもぜひご覧ください。
関連記事⇒「インダストリアルインテリアとは? 部屋に取り入れる際のポイント 家具と照明が大切?
関連記事⇒「リビングレイアウトをおしゃれにしたい! 縦長・横長・正方形・狭いリビングでのポイント

DAIKENの床材『トリニティ』と室内ドア『ieria(イエリア)セレクト』で、ミッドセンチュリーを実現!

ミッドセンチュリーのインテリアを活かすには、空間全体に個性を持たせるような素材の選択が大切です。例えば、DAIKENの化粧床材『トリニティ』や『ieria(イエリア)リビングドア』は、ミッドセンチュリースタイルにも取り入れやすい製品です。

『トリニティ<チェリー柄>』

ドア:『イエリア リビングドア 片開きドア 2Pデザイン<トープグレー柄>』
床材:『イエリアフロア セレクト プレミアムウッド柄<バームブラウン柄>』

トリニティ』シリーズは表面の質感にこだわり、立体感のある張り上がりの床材です。12色柄という豊富なバリエーションから選べ、ミッドセンチュリーインテリアに合わせてお使いいただけます。

ieria(イエリア)』シリーズには床材やドア、収納、階段など、家づくりに必要な建材が揃っています。
自分好みの建材と組み合わせれば、オリジナリティが光るミッドセンチュリースタイルに仕上げられるでしょう。

まとめ

居住空間に、シンプルで洗練されたデザインとビビッドなアクセントカラーを取り入れると、ミッドセンチュリーの魅力を味わえます。

DAIKENの『トリニティ』シリーズは、シンプルで美しい木目調の床材で、家具と調和させやすく、『ieria(イエリア)』シリーズは空間に個性を加えます。好みの製品を選んで、自分らしいミッドセンチュリーの空間を実現しましょう。

居間のレイアウトについてもぜひご覧ください。
関連記事⇒「居間とはどの部屋のこと? 居室やリビングとの違いと、レイアウトのポイント

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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