暑くなると、人間が夏バテするのと同じように、犬も夏バテすることをご存じでしょうか。犬は人間よりも暑さの影響を受けやすいため、心地よく過ごせる工夫が必要です。
今回は、犬の夏バテの症状や対策、そして夏バテと熱中症の違いについて解説します。あわせて、人間にも犬にも快適な室内環境づくりに役立つDAIKEN製品もご紹介します。
犬の夏バテとは
哺乳類には体温を一定に保とうとする機能がありますが、外気温が高すぎるとその機能に負担がかかり、自律神経が正常に働きにくくなります。その結果、“夏バテ”という症状が引き起こされます。
犬の体温調節に関わる汗腺は、肉球と鼻にしか存在しないため、人間よりも低い気温で夏バテになることがあります。特に日本の夏は高温に加えて湿度も高いため、犬にとって過ごしにくい季節といえるでしょう。夏が近づくにつれて愛犬の食欲がなくなり、だるそうにしていることが増えたら、夏バテの可能性も考えましょう。
犬の夏バテによる症状

犬は言葉で体調を伝えられないため、飼い主が日々の様子から愛犬の小さな変化に気づいてあげることが大切です。実際に夏バテになると、どのような変化が見られるのでしょうか。ここでは、犬の夏バテに見られるサインの一例をご紹介します。
●ぐったりして元気がない
気温や湿度が高く、「普段よりも元気がない」「散歩に行きたがらない」「名前を呼んでも反応が悪い」など、ぐったりしている場合は夏バテの可能性があります。また、高温の野外と涼しい室内の温度差で自律神経が乱れ、元気がなくなる場合もあるため注意が必要です。
●食欲がない
「完食していたフードを残す」「おやつは食べるがフードは食べない」といった食べムラが見られる場合も、夏バテを疑いましょう。ただし、元気も食欲もない場合は、夏バテ以外の体調の変化も考えられるため、1度かかりつけの獣医師に相談しましょう。
●下痢や嘔吐をする
夏バテの影響が胃腸に現れ、「軟便」「下痢」「嘔吐」などの症状が見られる場合もあります。また、水の飲みすぎは腸の水分が増えることでお腹の不調につながるため、注意しましょう。
犬の夏バテと熱中症の違い
暑さによる体調不良といえば熱中症が思い浮かびますが、夏バテと比べると、発症する症状やそのスピードが異なります。夏バテは、高温多湿による自律神経の乱れによって、徐々に体調が悪くなります。一方、熱中症は外気温や室温が高いことで、急に体調が悪くなります。
さらに、熱中症では「体が熱くなる」、「呼吸が荒くなる」などの症状が見られます。重症化すると、「嘔吐」「下痢」「けいれん」などが生じたり、様々な臓器の機能に影響を及ぼす可能性もあるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
■熱中症についてはこちらの記事で詳しく解説しています
犬の熱中症に注意! 初期症状は? 熱中症対策は? 今年も猛暑がやってくる
夏バテしやすい犬の特徴とは?
夏バテはすべての犬に起こる可能性がありますが、夏バテに配慮が必要な犬の特徴をご紹介します。
●短頭種
短頭種(たんとうしゅ)とは、頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが極端に短い犬種のことです。いわゆる“鼻ぺちゃ犬”と呼ばれる犬種で、呼吸器系が弱い傾向があるため、注意が必要です。
●ダブルコート
ダブルコートとは、外側に生えているオーバーコートと内側にあるアンダーコートの2層構造になっている被毛のことです。ダブルコートの犬は、冬の寒さには強い反面、夏の暑さが苦手です。
・ダックスフンド
・チワワ
・ポメラニアン
・シベリアンハスキー
・柴犬
●短足犬
短足犬とは、主に牧羊犬や猟犬などの使役犬として活躍していた犬種を指します。その名のとおり、足が短いため、地表からの熱や照り返しの影響を受けやすくなります。
●大型犬
大型犬は、呼吸量が多いため熱い空気が体内に入りやすいことや、運動量が多いため、体温が下がりにくいとされています。
・ゴールデンレトリーバー
・コリー
・シェパード
●子犬・シニア犬
子犬やシニア犬も夏バテしやすいので注意が必要です。子犬は体温調節機能が未熟であり、シニア犬は体力が低下しているため、暑さに弱い傾向があります。厳しい暑さをうまく乗り切れるように、子犬やシニア犬を飼っている場合は室温管理や水分補給を適切に行いましょう。
犬の夏バテ対策

夏バテは徐々に進行するため、元気な状態に戻るのが難しくなることがあります。少しずつ様子を見ながら、食事や水分補給に気をつけていきましょう。
●水分補給が大切
水分不足による夏バテを防ぐためには、水分補給が大切です。ただし、飲みすぎると胃腸の不調につながる可能性があるため、愛犬がこまめに適量の水分を摂取できるように心がけましょう。
●食事管理に気をつける
夏バテで食欲がない場合は、普段与えているフードに肉スープやだし汁を加えるなどの工夫をして、栄養をしっかり摂れるようにしましょう。
また、愛犬の食欲がないときには、ウェットフードを利用するのもおすすめです。ただし、ウェットフードは食べ残したまま放置するとすぐに傷むため、ある程度時間が経ったら片付けるようにしましょう。
●室内環境を整える
犬が快適に過ごせる室温は約26℃、湿度は50%程度といわれており、人間よりやや低めです。愛犬が夏バテしている場合は、特に室温管理を徹底しましょう。
日本の気候は高温多湿のため、梅雨に入る頃から愛犬の夏バテに配慮し、エアコンやひんやり素材の暑さ対策グッズなどを活用して、室内環境を整えていきましょう。
DAIKENのペット用天井材・換気システムについて
犬の夏バテ対策には、室内の温度や湿度の管理が欠かせません。ここでは、室内環境を整えるのに役立つ、DAIKENのおすすめ製品をご紹介します。
●消臭・調湿・吸音性能付きの天井材『クリアトーン12SⅡ』

DAIKENの『クリアトーン12SⅡ』は、室内の生活臭やペット臭の原因であるトリメチルアミンやアンモニアを吸着し、ニオイを消臭できる天井材です。
室内の湿気を吸収・放出する調湿性能もあり、湿度が高いときは空気中の湿気を吸収し、空気が乾燥しているときはため込んだ湿気をはき出し、ペットも人間も過ごしやすい爽やかな空間をつくり出します。吸音性能もあわせ持っているので、吠え声などの音が響くのを抑えることができます。
●新鮮な空気を住まい全体に循環『エアスマート全室換気タイプ』

愛犬が快適に過ごせるよう換気も大切です。DAIKENの『エアスマート全室換気タイプ』は、きれいな空気の給気と汚れた空気の排気を計画的に行う24時間換気システムです。
トイレ用や脱衣室用の排気ファンなら、トイレのニオイやペット臭などの様々な生活臭、カビの元になる湿気まで、効率よく排気でき、爽やかな住環境をつくりだします。さらに、居室換気タイプなら部屋と部屋をつなげずに計画排気ができるので、声が筒抜けになりません。また、『エアスマート全室換気タイプ』は、ノンダクト方式のため、設置工事やメンテナンスも簡単です。
●エアコンの風を床下空間に送るシステム『ユカリラ』

DAIKENの『ユカリラ』は、「伝導」「対流」「ふく射」をバランスよく取り入れた、全空気式の床輻射冷暖房システムです。強い風が直接体に当たらないため、冷暖房による風が苦手な愛犬にストレスを与えにくいのが特長です。
床から優しく冷気・暖気を吹き出すことで、床面から2メートルくらいの活動エリアを優先的かつ均一に冷暖房することが可能なため、温度ムラによる不快感も少なくします。

日本の夏は高温多湿であり、人間と同様に犬も夏バテになる可能性があります。「元気がない」「食欲がない」と感じたら、まずは部屋を涼しくし、水分をこまめに補給したり、消化しやすいごはんを与えたりするなど、愛犬をサポートしてあげましょう。
また、夏バテになると回復に時間がかかることが多いため、あらかじめ愛犬が夏バテにならないよう対策を講じておくことも大切です。
■あわせて読みたい
・歩き方や姿勢に要注意! 犬の椎間板ヘルニアの初期症状や予防とは?
・かゆがるサインや赤い皮膚に注意! 犬の皮膚病の種類や原因とは?
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執筆者
平松育子 (ひらまつ いくこ)
獣医師 ペット専門ライティング事業 アイビー・ペットライティング代表山口大学農学部獣医学科(現 連合獣医学部)卒業。
山口県内の複数の動物病院で代診を務めたのち、2006年に有限会社ふくふく動物病院を開業。2023年に事業譲渡したのち、現在は大手動物病院の院長を務める。保有資格:獣医師免許 ペット栄養管理士 AEAJ認定アロマテラピーインストラクター など
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