愛犬がしきりに体をかゆがったり、床に体をこすりつけたりしている姿を見かけたことはありませんか? 一時的なものでない場合は、何らかの皮膚トラブルのサインかもしれません。犬の皮膚は人間よりも薄くデリケートなため、悪化するとかゆみだけでなく、脱毛や皮膚のただれなどを引き起こし、愛犬の生活の質を大きく損なうおそれもあります。
今回は犬の皮膚病の原因や種類、対策法を解説します。また、快適で健康な毎日をサポートする住環境づくりについてもご紹介します。
犬の皮膚が赤い、体をかゆがる原因は皮膚病?
犬の皮膚は人間の皮膚より薄く、乾燥や雑菌、アレルゲン(花粉やハウスダスト等)などの刺激に対して、とても敏感です。これらの刺激によって皮膚が炎症を起こすと、赤みやかゆみ、湿疹、脱毛といった症状が現れます。さらに、かゆみにより不眠になったり、かゆがる際に掻きすぎてひっかき傷ができたりして、二次感染を招くおそれもあります。
犬が皮膚を「かゆがる」「引っ掻く」「なめる」「噛む」といった行動は、皮膚の異常を訴えるサインかもしれません。かゆみや赤みが続く場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。
犬の皮膚病の種類
犬の皮膚病には、様々な原因が考えられます。代表的な原因をご紹介しますので、それぞれの特徴を理解し、早めに対策をとりましょう。
●アトピー性皮膚炎
環境中のアレルゲン(花粉やハウスダスト等)に対する過剰な免疫反応によって生じる皮膚炎です。主に症状が出やすいのは「顔」「足先」「腹部」などで、3歳未満で発症するケースが多いようです。
●食物アレルギー
特定の食材によってかゆみや赤みが引き起こされる皮膚炎で、1歳未満やシニアになってから発症するケースもあります。アレルギーを起こしやすい食材としては「鶏肉」「小麦」「乳製品」などがあり、犬がかゆがる以外に下痢や嘔吐などの消化器症状を伴う可能性もあります。
●外耳炎
耳の中の炎症により耳垢が増えたり、かゆみや赤み、耳のニオイなどの症状が生じます。皮膚病の一種として、アレルギーやアトピーなどが関与している場合もあります。
●膿皮症
皮膚の常在菌が何らかの原因で繁殖し、炎症やかゆみ、湿疹、脱毛などを引き起こします。アトピーやアレルギー、皮膚バリアの低下、不適切なシャンプーなどがきっかけとなる場合もあります。
●マラセチア皮膚炎
皮膚に常在する酵母菌(こうぼきん)“マラセチア”の過剰増殖によって起こる皮膚炎です。皮脂を栄養源とするため、皮脂のたまりやすい「耳」「脇」「指の間」などで増殖しやすく、油っぽいべたつき、赤みやニオイなどが特徴です。
●皮膚糸状菌症(真菌症)
カビの一種である皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)によって生じる感染症です。主にかゆみやかさぶた、円形の脱毛などの症状が見られ、白癬(はくせん)とも呼ばれます。免疫力の弱い子犬が発症しやすく、「顔周り」や「足先」など、糸状菌と接触しやすい部分に発症します。感染力が強く、ほかの動物や人間にうつる可能性があるため注意が必要です。
●毛包虫症(ニキビダニ症)
毛包内に寄生する小さなダニによって起こる皮膚病です。顔や前足の脱毛をきっかけに、進行すると全身に脱毛や皮膚のただれが見られるようになります。特に免疫力の低い子犬や老犬、免疫抑制剤を使用している個体に多く見られるのが特徴です。
●疥癬(かいせん)
ダニの一種であるヒゼンダニによって引き起こされる皮膚病です。強いかゆみが特徴で、感染した犬には大きなストレスとなります。人間に感染する場合もあるため、早急な受診が必要です。
皮膚病にかかりやすい犬種
皮膚病は、どのような犬種でも起こる可能性がありますが、特に皮膚病にかかりやすい犬種も存在します。食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を発症しやすい犬種や、遺伝的に皮脂が多い個体などは皮膚トラブルを起こしやすいため注意が必要です。
・柴犬
・フレンチブルドッグ
・パグ
・シーズー
・トイプードル
・ゴールデンレトリーバー
・ウエストハイランドホワイトテリア
これらの犬種は、ほかの犬種よりも日常的な皮膚のチェックと適切なケアが必要です。
■皮膚病に注意したい犬種はこちらの記事でも詳しく解説しています
・トイプードルとは? 性格や寿命、人気犬種の推しポイントは何?
・つぶらな瞳や鼻ぺちゃが魅力のフレンチブルドッグ! 性格や寿命も解説
・しわしわの顔や垂れ耳がかわいい! パグの気になる体重や性格、寿命
犬の皮膚病対策

皮膚病には、日頃のケアが欠かせません。ここでは、飼い主が自分で行える対策をご紹介します。
●皮膚のチェックとブラッシング
一緒に遊んだり、なでたりといったスキンシップの中で、赤みやかさぶた、脱毛がないかを確認しましょう。定期的なブラッシングで通気性や血行を良くし、皮膚の状態を整えることも皮膚病対策につながります。
●定期的なシャンプー
犬の体質や皮膚の状態に合った犬用シャンプーを使用しましょう。特に、皮膚が弱い個体の場合は、獣医師と相談してシャンプーの種類や頻度を決めるとよいでしょう。また、人間用のシャンプーやボディソープは刺激が強すぎるので、使用は避けてください。
●ストレスのケア
ストレスは、皮膚のバリア機能を低下させる原因にもなります。また、ストレスが原因で起こる“心因性掻痒症(しんいんせいそうようしょう)”という皮膚トラブルもあります。十分な運動や遊びで適度にストレスを発散させ、引越しなど環境の変化があった後は注意深く見守りましょう。
●与えているフードの見直し
皮膚病に食物アレルギーが関与している場合は、フードの見直しが必要です。獣医師の指導のもと、原因となっている食べ物を特定し、愛犬に合ったフードを見つけていきましょう。
●ノミやダニの駆除、ほこりの掃除
ノミやダニの寄生も、皮膚病の原因になります。獣医師と相談し、駆除用の薬剤やスポットタイプの薬剤を処方してもらいましょう。また、ノミやダニのフンや死骸もハウスダストとして皮膚を刺激するため、家の中をこまめに掃除し、換気や湿度にも気を配る必要があります。
DAIKENのペットにやさしいおすすめ建材
愛犬と室内で暮らす場合、日々のケアに加え、生活環境を整えることも大切です。ここからは、ペットとの快適な暮らしをサポートするDAIKENのおすすめ建材や換気システムをご紹介します。
●消臭・調湿・吸音性能付きの天井材『クリアトーン12SⅡ』

DAIKENの『クリアトーン12SⅡ』は室内の湿度をさわやかに調整してくれる調湿性能や、消臭性能を持った住宅向け天井材です。生活臭やペットのニオイを消臭し、湿度が高いときは空気中の湿気を吸収、空気が乾燥しているときはため込んだ湿気をはき出し、ペットも人間も過ごしやすい爽やかな空間をつくります。
さらに、犬の吠え声や生活音などの反響を抑える吸音性能や、部屋の生活臭やペットのニオイを和らげる消臭性能もあわせ持っています。
●新鮮な空気を住まい全体に循環『エアスマート全室換気タイプ』

DAIKENの『『エアスマート全室換気タイプ』は、きれいな空気の給気と汚れた空気の排気を計画的に行う24時間換気システムです。室内の空気を効率的に入れ替えることで、汚れた空気を室内から排出し、常に清潔な空気を住まい全体に循環させます。
また、『エアスマート全室換気タイプ』は、ノンダクト方式のため設置工事やメンテナンスも簡単です。
●抗菌仕様でやさしい使い心地の和紙畳『ダイケン畳 健やかくん』

『ダイケン畳 健やかくん』は、畳表・畳床ともに高温熱処理滅菌済みの和紙畳(※2)で、カビの発生やダニの増殖を抑えます。撥水性があるため汚れや水分が染み込みにくい、ペットの爪やおもちゃによる傷が付きにくいなど、畳の良さを取り入れながら愛犬との快適な暮らしを実現します。様々な色や柄が用意されており、インテリア性を重視する方にもおすすめです。
●傷や汚れに強く簡単に取り入れられる和紙畳『ここち和座』

『ここち和座』は、手軽に取り入れやすい床畳です。(※2)
ラグを敷くような感覚でフローリングの上に置ける置き敷きタイプと、敷き込みタイプの2種類を展開しています。さらに適度なクッション性があるので足腰にやさしい、ペット(小型犬)の爪やおもちゃによる傷が付きにくい、汚れが落としやすいなど、うれしい特長が満載です。
(※2)機械すき和紙を使用しています。コウゾ、ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。

犬の皮膚はとても繊細です。食べ物や外部環境などの影響を受け、皮膚トラブルを起こしてしまう可能性もあります。愛犬が「かゆがる」「皮膚が赤い」などの異変が見られた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
また、自宅では日々のブラッシングやシャンプー、ノミ・ダニ駆除薬の投与などが重要です。住環境を見直し、日頃から気を配りながら早めのケアを心がけてあげましょう。
■あわせて読みたい
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執筆者
増山綾乃 (ますやま あやの)
北海道大学獣医学部共同獣医学課程 修了。
一次診療施設にて4年間勤務ののち、米国Purdue大学にて客員研究員として勤務。現在はカナダSaskatchewan大学にて獣医師として勤務。保有資格:獣医師免許
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