
居室とはどのような部屋のこと? 間取り図にあるDENとは? 畳を使ったおしゃれかつモダンな和室リフォーム
目次
居室とは、どのような部屋のことを指すのでしょうか。建築基準法の定義では「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室のこと」とあります。家を構成する「居室」は多くの時間を過ごし、家族の団欒などリラックスして過ごせる環境であることが求められるでしょう。
居室の中でも人が多く集まる居間をリフォームして、畳を使った和室で居心地の良い空間を手に入れてみませんか?DAIKEN製品ならおしゃれかつモダンな居室づくりを実現できます。
今回は居室についての解説と、畳を使った和室リフォームについてお話ししますので、ぜひ参考にしてください。
居室とは?

居室とは、建築基準法第2条第4項において「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」と定義されています。常に人がいる空間が居室としてみなされ、一般住宅においては「リビング」「ダイニング」「寝室」「キッチン」のほか、「和室」「子ども部屋」「書斎」なども含みます。
ちなみに居室の読み方は「きょしつ」です。
それ以外の「玄関」「廊下」「浴室・脱衣所」「洗面所」「トイレ」「押入れ」「納戸・クローゼット」などは居室に含まれません。
・居室――「居間(リビング・ダイニングなど)」「寝室」「キッチン」「和室」「子ども部屋」「書斎」など
居室に関する規定 居室とサービスルームとの違い

建築基準法に規定される住宅の居室は、採光や換気、天井や床の高さといった項目が建築基準法によって決められています。既存の住宅、新築住宅の間取りに居室のような空間があったとしても、建築基準法の規定を満たしていなければ居室と見なされません。
●居室における「採光」の規定
「採光」を必要とする居室の開口部(窓)の大きさ:床面積の1/7以上
※床面積の1/7以上を基本とし、照明などの一定条件を満たせば1/10以上まで可能
例)6帖の居室
(2.73m×3.64m=9.9372)9.9372×1/7=1.4196㎡以上の開口部(窓)が必要
●居室における「換気」の規定
「換気」を必要とする居室の開口部(窓)の大きさ:床面積の1/20以上
※床面積の1/20未満の場合、適合する換気設備を設けなければならない
例)6帖の居室
(2.73m×3.64m=9.9372)9.9372×1/20=0.4968㎡以上の開口部(窓)が必要
採光規定などをクリアしていない部屋は法律的に居室とすることができないため、不動産情報では納戸やサービスルーム(間取り図に「S」など)として表記されていることがあります。
居室の規定は、人が継続的に利用できるように快適に過ごせる空間づくりをするためのものであり、納戸や押入れ、サービスルームとは使用方法が異なることも覚えておきましょう。
[参考]国土交通省:
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kenchikukijunhou.html
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001487964.pdf#page=6
間取り図に表記されているDENとは? 居室とは違う?

●DENとは?
間取り図を見ていると「DEN」と書かれている部屋があったり、「2LDK+DEN」いう表記があったりして、「DEN」って何だろうと思われた方がいるかもしれません。
「DEN」とは、少し小さめの部屋、または空間を指した建築用語で、「デン」と読みます。英語で「巣穴」や「洞窟」を意味します。
実は、DENに明確な定義はありません。窓がない、小さいなどの理由で建築基準法上の採光や換気の基準を満たせず、「居室」とは認められない空間の場合がほとんどです。
家づくりの際、居室とは認められないスペースができてしまうことがあります。このデッドスペースを無駄にせず、工夫することで住み手自身にとって使い道のある空間になるよう、生まれたのがDENなのです。
DENが誕生したきっかけはデッドスペースの有効活用でしたが、生活スタイルが多様化した現在においては、はじめから趣味の場所、収納スペース、ペット用スペースなど、多目的な使い方ができる空間として設計されているケースもあります。住む人のQOLを高め、心地よい生活を送るための便利なスペースとして利用されています。
●納戸、サービスルーム〜DENと似た意味を持つ部屋
DENと似た意味を持つ部屋には下記があります。
・納戸(読み方は「なんど」):間取り図略語は「N」、または「S」
・サービスルーム:間取り図略語は「S」、または「SR」
これらは主に収納を目的とした部屋のことで、DENと同じく窓の大きさなどの基準を満たせず、建築基準法上の「居室」とは認められない部屋も含まれます。
実はDEN、納戸、サービスルームに明確な違いはなく、それぞれの名称は建物のイメージなどで使い分けていることが多いようです。
●DEN、納戸、サービスルームの使い道
DEN、納戸、サービスルームは上手に活用したいものです。そこで、下記に使い方の例を挙げていきます。
<使い方の例>
・収納スペース
・本棚スペース
・趣味の部屋
・子どものおもちゃ置き場、プレイルーム
・ペット専用スペース
・パントリー(食料品保管庫)
DENや納戸、サービスルームは居室として認められていないことが多いため、寝室やワークスペースなど継続的な用途に向いているとは言えません。
これらの部屋は、窓がない、もしくはあっても小さいため、日中でも十分な明るさがない場合もあります。収納スペースとして使う場合でも、デスクライトやスタンドライトなどの補助的な照明を活用するとよいでしょう。
居室に畳を取り入れて快適な空間に
住宅における居室は、人が過ごしやすく、ストレスの少ない快適な空間であることが理想です。近年、「和」を取り入れた居室は再注目されてきており、和と洋を融合させたモダンな居室づくりに畳が一役買っています。
【居室に畳を取り入れるメリット】
●家族団欒の空間を作りやすい
家の中で、家族団欒や知人が気軽に集まれる居室を用意するなら、人数の増加にも座布団の追加で適宜対応ができる畳の空間がおすすめ。
●日本特有のごろ寝ができるくつろぎスペース
畳のスペースがあると気楽に床に座れたり、ごろ寝ができたりしてくつろげる!
下記の関連ページもチェックしてみてください。
⇒「インテリアにもなるおしゃれな畳リフォームでごろ寝できる快適空間づくり」
●作業スペースとしても便利
洗濯物をたたむなど、床に直接座って行う作業もクッション性のある畳なら足がいたくなりにくく便利。
●傷や汚れがつきにくい
和紙(※)畳であれば傷や汚れがつきにくく、カビの発生やダニの増殖がしづらいので、長期間畳のある生活を楽しめる。
●気軽に畳を楽しむスペースが作れる方法も
大規模なリフォームができない場合でも、フローリングの上に畳を置くだけで便利な畳スペースを作れる「置き畳」を利用する手も。
DAIKENの和紙畳を使った和室リフォームでおしゃれかつモダンな居室づくり
多くの時間を過ごし、家族の団欒などリラックスして過ごせる場所である居間を和室リフォームでおしゃれにかつモダンに。DAIKENでは心からリラックスできる「和スペース」を実現できる『ダイケン健やかおもて』をご用意。

『ダイケン健やかおもて』は機械すき和紙(木質繊維原料)を、こより状により合わせ樹脂コーティング後、織機で織り上げた新しい素材の畳表です。従来の畳と比較し、カビの発生やダニの増殖がしにくく、傷や汚れがつきにくいのが特長です。また、カラーバリエーションも豊富なため、洋と和を融合させたモダンな居室のデザインも可能です。
和室リフォームについては、下記の記事もご参照ください。
⇒「和室をおしゃれにリフォーム! ドアの扱いと、洋室・和室・和モダンのメリット・デメリット」
また、大規模なリフォームができない場合でも、居室に和テイストを取り入れることができる『ここち和座置き敷きタイプ』もご用意。畳を敷いた和モダンの居室もいいけど、本格的な和室にもあこがれる! そんな方におすすめなのが和室の完成度を高めるDAIKEN『和風造作部材』。様々な和風アイテムで、素敵な居室を実現してください。
※ダイケン健やかおもては機械すき和紙を使用しています。コウゾ、ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。
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監修者
淀川 美和(よどがわ みわ)
株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。
保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級
公開日:2024.01.31 最終更新日:2024.11.13