
羽目板の天井・壁で部屋をおしゃれに! 木のぬくもりが体感できる癒しの家
※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
日本の建造物に古くから使われてきた木の建材、羽目板(はめいた)。最近は、個性的な内装材としても利用されていますが、“羽目板”という言葉になじみのない方も多いかもしれません。
そこで今回は、羽目板について説明するとともに、羽目板を使うと天井や壁がどのように変わるのかを解説します。さらに天井や壁のデザイン性を向上させるDAIKENの羽目板もご紹介します。
羽目板は天井や壁に使われる木の建材
羽目板とは、天井や壁、内装などに並べて張り合わせた板のことです。羽目板には横に並べて張る“横羽目”と縦に並べて張る“縦羽目(たてはめ)”があり、特に横羽目は歴史的建造物にも多く使われている伝統的なスタイルです。
羽目板の“羽目”は、馬を制御するために口にくわえさせるハミからきているという説があります。ハミが外れた馬を制御できないように、羽目板が外れた家は台無しになってしまいます。ちなみに、調子に乗って限度を超えてしまうことを「羽目を外す」ともいいます。
羽目板の中で、板の上下を少しずつ重ねて張る(羽重ね)ものは、“下見板(したみいた)”とも呼ばれ、古い建物の外壁によく用いられています。この張り方は湿度変化による木材の伸び縮みを邪魔せず、湿気を調整する働きが期待できます。建物の中に雨や風が入るのを防ぐ働きもあり、日本の気候に適しています。

(※)写真はイメージです。
羽目板を天井や壁に張ると、木目の美しさや木のぬくもりをダイレクトに感じることができます。近年は木目調を活かした部屋も増えています。木のぬくもりや日本建築の伝統を感じさせてくれる羽目板を、自宅の天井や壁に取り入れてはいかがでしょうか。
天井や壁は羽目板、床はフローリング

(※)写真はイメージです。 弊社製品ではございません。
「木を並べて張り合わせた板」というと、フローリングを連想する人もいるかもしれません。羽目板とフローリング、この2つの違いは何でしょうか。
まずフローリングと羽目板は用途が異なります。フローリングは、床材として使われる木質系建材の総称です。一方、羽目板は主に天井や壁に使われる板を指します。
用途が違うわけですから、当然求められる性質も異なります。床材として使用されるフローリングは、足で踏んだり重いものを乗せたりしてもひび割れない強度が求められるため、厚みを持った丈夫な建材の必要があります。
対して羽目板は天井や壁などを装飾する目的で使われることが多く、フローリングほどの強度は要求されません。そのため、フローリングに比べて薄く、加工しやすい柔らかく軽い素材でつくられる傾向があります。機能性が要求されるフローリングより比較的安価に導入できるものもあります。
用途や性質が異なるフローリングと羽目板ですが、2つの組み合わせ方で、よりあたたかみのある空間を演出できます。例えば天井(羽目板)と床(フローリング)に使われる柄と張り方向を揃えれば、部屋が広く見えるだけでなく、インテリアに統一感を持たせることができます。
天井や壁を彩る羽目板に使われるのはどんな木?

(※)写真はイメージです。
天井や壁を彩る羽目板には、様々な木が使われます。それぞれの木の特徴をご紹介しましょう。
・タモ
タモは力を加えても適度にたわみ、強い弾力がある木です。“白木の女王”という別名の通り、タモを使った羽目板にははっきりした木目が美しく均一に浮き出ます。タモの木は成長のスピードがゆっくりで、木目は細かく繊細です。清潔感のあるナチュラルなテイストが持ち味です。
・ひのき
ひのきの木肌は白っぽく明るい色合いで、木目は直線的です。光沢があり、高級感のある外観で、年月が経つにつれ艶が増すため、経年変化を楽しめます。また、独特の香りを持つひのきは、気分をリラックスさせる効果があるともいわれています。木の香りを楽しみながらくつろげる空間をつくりたい方にはぴったりの素材です。
・杉
建築材として広く使われている杉は、羽目板によく用いられます。ひのきと同じ針葉樹ですが、杉の木目はひのきよりもはっきりしており、その美しさを活かしてスタイリッシュな印象を演出することもできます。加工しやすく肌触りもよいので、天井だけでなく壁材にも適しています。
そのほか、廃材や端材などを繊維状にして固めたMDFという素材が使われることもあります。MDFは天然素材に比べて密度が均一で加工がしやすい素材です。サステナブルな素材で、価格もお手頃です。
おしゃれな羽目板の魅力と注意点

ここでは羽目板の魅力と、採用するにあたって知っておきたい注意点を解説します。
●羽目板の魅力とは?
羽目板の魅力をいくつかご紹介します。

美しい質感を楽しめる羽目板は、壁紙だけでは表現できない意匠性の高い空間づくりに役立ちます。落ち着いた雰囲気の羽目板を壁や天井に施すことで高級感をプラスできますし、明るいカラーの羽目板をキッチン周りに施せば、カフェ風インテリアが完成します。
屋外では、ウッドデッキのあるテラスや縁側などで、軒天に取り入れるのもおしゃれな使い方です。羽目板の木の質感が自然との一体感を感じさせ、開放的でリゾート感あふれる空間を演出できます。
【羽目板のメリット】
・高級感や重厚感を演出できる
・意匠性が高く空間のアクセントになる
・おしゃれなカフェ風インテリアがつくりやすい
・テラスや縁側との併用でリゾート感のある空間づくりができる
●羽目板を選ぶ際の注意点
様々な魅力のある羽目板ですが、取り入れる前に知っておきたい注意点もあります。
まず、機能性やデザイン面において羽目板は優秀な素材ですが、通常の壁紙と比べると価格は高くなることがあります。またフラットな壁などに比べると構造上、埃が溜まりやすいため、気になる方もいるでしょう。天然素材(特に無垢材)の羽目板は、反りや木割れ、腐食の可能性があるため定期的なメンテナンスをする必要があります。
さらに存在感がある分、張る範囲や場所によっては少し圧迫感を感じるかもしれません。部屋に取り入れる際は、部分使いにする、低い天井や開口部の少ない狭い空間に取り入れるのは避ける、明るい色を選ぶなど、全体的なバランスを考慮しましょう。
天井・壁に羽目板を使っておしゃれな部屋づくり
天井全面に木目の羽目板が張られているとかなりのインパクトがあり、部屋のイメージは大きく変わります。また部屋の一面にワンポイントで張るなど、アクセントウォールとして使っても効果的です。
DAIKENでも羽目板として使える建材を多数展開しています。『スタイルアート羽目板タイプ』はカラーバリエーションが豊富で、部屋のイメージに合わせやすい木目調の壁・天井材です。壁紙とは異なる、立体感のあるストライプの目地が印象的な製品で、天井だけでなく壁に使用することも可能です。
羽目板というと和のイメージがありますが、本製品は色の選び方次第で、和風・洋風のどちらにもマッチします。カントリー風やロッジ風など、おしゃれな部屋を演出したい方のニーズにもお応えします。

『スタイルアート羽目板タイプ<ネオホワイト柄>』
高級感のある木目調のデザインを満喫したい方には、美しい木目の味わいを存分に堪能できる『化粧羽目板N』はいかがでしょうか。

『化粧羽目板N』
本製品は、タモやひのきなど、数ある銘木の中から吟味した天然木を表面の化粧に使用しており、気品のある木目と質感を楽しめます。天然木ならではの風合いと重厚な雰囲気を持つ化粧羽目板は、落ち着きのある壁と天井をつくりたいときに適しています。
不燃性にすぐれた羽目板でウチ・ソトの天井をつなぐ
ストライプ状の目地を持つ羽目板は、活用のバリエーションが広い素材です。例えば同じ(あるいはよく似た)羽目板を天井と軒天に施工すれば、まるで部屋の中と外がつながっているかのような開放感のある空間をつくることができます。

『グラビオ羽目板V<クリアベージュ柄>』
DAIKENでは軒天用の羽目板も取り揃えています。無垢材のような風合いが魅力の『グラビオ羽目板V』を室内の天井に配置し、同系色の『ダイライト軒天羽目板』を軒天に設置すれば、ウチ・ソトが連動した、美麗でトータルなコーディネートが実現可能です。

『ダイライト軒天羽目板<クリアベージュ柄>』
また木材という点から、羽目板のメンテナンスや防災面が気になる方もいらっしゃるかもしれません。『グラビオ羽目板V』と『ダイライト軒天羽目板』は、どちらも不燃性にすぐれており、万が一のときの安心感もプラスされます。
室内・屋外どちらにも安心して使用できるおしゃれな羽目板を展開しているので、屋外にも羽目板を取り入れた意匠をお考えの方はぜひご検討ください。
まとめ
羽目板は、木目が持つ日本ならではの趣と木のぬくもりが味わえる魅力的な建材です。使い方次第で和風にも洋風にも演出できますし、部屋のウチ・ソト連動や、アクセント使いでオリジナリティのある空間づくりにも効果的です。天井や壁のデザインをブラッシュアップしたいとお考えの方は、羽目板を取り入れた部屋づくりを考えてみてはいかがでしょうか。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
公開日:2021.12.15 最終更新日:2025.06.23