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マイホームを建てる際、見積書の“付帯工事”という項目がよくわからず戸惑う方も多いかもしれません。しかし付帯工事は、家づくりでとても重要な要素です。
今回は、付帯工事とは何か、具体的な付帯工事の種類、コスト面での注意点、“附帯工事”との違いなどを解説します。家づくりに欠かせない付帯工事について理解を深め、納得のいく家づくりを目指しましょう。
付帯工事とは? 建物本体の工事以外に必要な工事全般

付帯工事とは、建物本体の工事以外に必要な工事全般を指す言葉です。その中には地盤を強化したり、建物周りのエクステリアを整えたり、竣工後にエアコンなどを取り付けたり、といった工事が含まれます。付帯工事は建物の安全性を確保するだけでなく、住み心地の良い理想の家づくりに必要なものです。
基礎工事について知りたい方は、下記の記事もご参照ください。
関連記事⇒「基礎工事とは何? 家づくりの要である基礎工事の種類と工程、チェックポイントを紹介」
付帯工事の種類
では具体的に、付帯工事として扱われることが多い工事にはどんなものがあるでしょうか。主な付帯工事をご紹介します。
・解体工事:建て替えの場合は、新築に向けて敷地内にある既存建物を解体します
・地盤改良・杭工事:地盤が軟弱な場合に建物を支持できる地盤を構築します
・給排水・電気・ガス工事:水道・電気配線・ガス管・光回線などを敷地内に引き込みます
・外構工事:庭、アプローチ、駐車場などをつくります
・設備工事:エアコン・照明器具・給湯器・太陽光発電システムなどを設置します
・仮設工事:付帯工事に必要な仮設物を設置します
これらの付帯工事がすべて必要になるわけではありません。敷地条件や設計によって必要な工事の項目や規模は異なるため、設計者に確認しながら進めましょう。
建築費の金額に大きな影響を与える付帯工事

家づくりではつい家本体の工事ばかりに目が向きがちですが、付帯工事も重要な工程であり、大きなコストがかかります。想定外の出費を抑えるためにも、付帯工事にかかる費用を理解し、予算に含めましょう。
建物の工事費の構成
家を建てるときの工事費は、大きく分けて以下の3つで構成されます。
・建築工事費:建物本体の工事の費用
・付帯工事費:建物本体以外の工事の費用
・諸経費:ローン手数料や登記費用など
一般的に、建築工事費が工事費全体の約70%を占め、残りの30%ほどが付帯工事費と諸経費になります。なお通常、ハウスメーカーなどの坪単価は建築工事費のみであり、付帯工事は含まれません。
また、付帯工事の範囲や内容はメーカーによって設定が異なります。後で想定外の出費が生じて慌てないよう、本体工事にはどこまでが含まれるか・含まれないかを前もって把握しておきましょう。特に、建築工事より遅れて付帯工事の見積もりを受領する場合は注意が必要です。
金額に大きな影響を与える付帯工事は?

付帯工事の中でも、金額に大きな影響を与える工事は以下の3つです。
① 解体工事
購入した土地に既存の建物がある場合、新築に向けて解体工事が必要です。数百万円の費用が発生することもあるので、建物付きの土地を購入する際は解体工事費を念頭に置いておきましょう。もちろん更地を購入すれば解体工事は不要です。
② 地盤改良・杭工事
地盤の強度が不足していたり、液状化の懸念がある地域では、地盤改良や杭の設置が必要です。安全な家をつくるためには欠かせない工事ですが、費用が高額になりやすいため、あらかじめ予算に組み込んでおく必要があります。地盤改良や杭の必要性は、不動産会社や設計者に確認すれば早い段階で把握できるケースが多いため、計画初期のうちに相談しておきましょう。
③ 外構工事
エクステリアにこだわって、おしゃれな庭やアプローチをつくりたい場合は外構工事費が高くなる場合があります。デザイン要素のほかにも、カーポートや倉庫を設置するとコストが膨らんでいきます。外構のイメージを設計者と共有し、コスト感を掴みながら計画を進めることが大切です。
関連記事⇒「カーポートとは? ガレージとの違いと値段、固定資産税についてもチェック!」
なお、たいていの付帯工事は住宅ローンに組み込めますが、外構工事は組み込めないケースもあるので事前に確認しておきましょう。
軟弱地盤で地盤改良が必要な場合や、解体工事が必要な場合は付帯工事費が予想以上にかかることになるかもしれません。いくら建物自体が高い耐震性能を持っていても、地盤が軟弱だと耐震性能が発揮できない点に注意しましょう。安全な家づくりやこだわりの庭づくり、好みのインテリアを実現するためにも、しっかり見積もりを取り、予算を検討することが重要です。
付帯工事と附帯工事の違い
なお、付帯工事に似た言葉として、“附帯工事”があります。建設業法における附帯工事の定義は以下のとおりです。
「附帯工事とは、主たる建設工事を施工するために必要を生じた他の従たる建設工事又は主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではないものをいう。」
引用:「建設業許可事務ガイドライン」【第4条関係】附帯工事について(国土交通省)
つまり、附帯工事は、建物本体の工事で必要になる準備工事や補強工事です。例えば、外壁を塗装する際に必要な足場を設置する仮設工事などがあげられます。
基本的に施主は附帯工事について気を配る必要はありません。附帯工事は、建設業許可の要否を判断するための工事区分であり、施工会社が把握していれば問題ないからです。
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付帯工事の中には、照明器具の設置や配線も含まれます。照明は内装と効果的に組み合わせて、理想の空間をつくりあげるために重要な要素です。
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関連記事⇒「リビングにぴったりなおしゃれ照明のアイデア10選」
まとめ
建物本体以外の工事全般を指す付帯工事は、家の安全性や快適性に関係する重要な工事です。そのコストは諸経費も合わせると工事費全体の約3割にものぼります。何が付帯工事に含まれるのかをしっかり把握し、建築工事費と付帯工事費のバランスを考えながら予算計画を立てましょう。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
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