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2025-05-20

平屋の間取り フラットな生活動線で老後も暮らしやすい家をローコストで

近年、高齢化や建築資材の高騰を受けて、平屋建てが人気を集めています。平屋建ての家には様々なメリットがありますが、建築にあたっては注意点もあります。今回は、平屋のメリット・デメリットを紹介するとともに、老後も快適に暮らせる平屋をローコストで建てるポイントを解説します。さらに、すべりに配慮したDAIKENの床材『おもいやりフロアⅤ』もご紹介します。

建築数が増えている平屋建て

近年、平屋建て住宅の着工数が増加しています。国土交通省の「建築着工統計調査」によると令和6年における平屋の着工数は6万1,338棟で、10年前と比較して約2倍に伸びています。

核家族の増加や高齢化社会の進行が平屋の需要を後押ししているようです。年齢を重ねるにつれ、階段を上り下りするのは大変になりますし、転落など危険なこともあります。足腰にやさしいバリアフリーの平屋需要は、今後も増加していくといわれています。

平屋の間取り こんなメリットがある

平屋は、誰もが暮らしやすいというほかにも、様々なメリットがあります。近年の平屋人気を支える魅力にはどのようなものがあるのでしょうか。「平屋住宅を建てる計画をしている」「平屋に興味がある」という方は、ぜひ参考にしてください。

家族間のコミュニケーションが豊かになる

平屋では家族が同じフロアで生活することになるため、家族間でコミュニケーションを取りやすくなります。特にリビングが中心に配置された間取りなら、家族が顔を合わせ会話する機会も自然と増えるでしょう。

子どもや高齢の家族の様子も把握しやすいのもメリットです。家族の生活音や気配が届きやすく、お互いの存在を近くに感じながら安心して過ごせます。ただし、生活音は人によってはデメリットと感じることもあります。その場合は音漏れを防ぐために壁などの防音対策を検討しましょう。

フラットで安全な生活動線

平屋はすべての部屋がワンフロアに収まるため、効率的な家事動線や生活動線を計画しやすくなります。掃除や洗濯のたびに階段を上り下りする必要はありません。階段で足を滑らせて転落する危険もありません。これは高齢者や小さなお子様がいる家庭にとって安心できるポイントではないでしょうか。

外とつながりやすい

平屋には屋外とつながりやすいという特徴があります。リビングやダイニング、各個室から直接外に出られる間取りでは、自然をより身近に感じながら暮らせるでしょう。庭やウッドデッキを活かした暮らし、家庭菜園やアウトドアリビングといった楽しみも広がります。
周囲の環境にもよりますが、自然光や風を取り入れやすく、室内環境を快適に保ちやすいのもメリットです。

2階建てに比べて天井を高くできる

地域にもよりますが、多くの平屋は天井を高くすることが容易です。天井を高くすることで空間を広く見せる効果が期待できます。天井面に傾斜をつけた勾配天井を採用すれば開放感が増し、視覚的なアクセントにもなるでしょう。

また、天井の高さを活かしてロフトスペースを設ければ、収納や子ども部屋として活用し、居住空間を有効に活用できます。ロフトの天井高が1.4m以下で、床面積が直下階の1/2以下であれば居室扱いとならず、延床面積から除外されるため固定資産税を抑えられる点もメリットです。

地震に強い

一般的に平屋は重心が低いため耐震性が高いといわれています。2階建てに比べて建物全体の重量が軽いことも安全性につながっているといえるでしょう。
また、平屋の多くが正方形や長方形といったシンプルな造りであることも耐震性につながっています。シンプルで低い建物は、2階建てに比べて揺れの影響を受けにくく、破損のリスクが抑えられやすいのです。

さらに平屋は地震が発生した時に外へ避難しやすいといえます。地震の多い日本においてメリットは大きいといえそうです。

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デメリットも知っておこう

メリットが多く魅力的な平屋ですが、平屋だからこその注意点もあります。平屋のデメリットも事前に理解して、後悔のない住宅計画を進めましょう。

通風や採光が悪くなるケースもある

敷地や間取りにもよりますが、部屋がワンフロアに配置されている平屋では、建物の中央の部屋が通風や採光面で不利になるケースがあります。周囲に建物が密集している環境では、特に日当たりが悪くなったり、風が通りにくくなったりすることがあります。

窓の大きさや配置を考慮したり、中庭を設けたりといった設計段階での工夫が有効な対策になります。風の流れを意識した間取りにすることや、採光のための天窓や高窓、吹き抜けを取り入れるのもおすすめです。

しっかりした防犯対策が必要

平屋は外部からのアクセスが容易であることから、2階・3階建てよりも不審者の侵入リスクが高いといわれます。特に窓や出入口が多い設計では、防犯対策が欠かせません。

防犯ガラスやシャッター、センサーライト、監視カメラ、防犯砂利などを設置するとよいでしょう。場合によってはセキュリティー会社の防犯システムを利用することも選択肢に入るかもしれません。

土地の購入費用、建築費用が高くなるケースもある

平屋はすべての生活空間を1階に収めるため、同じ部屋数の2階建て住宅と比較すると広い敷地面積が必要になる場合が少なくありません。そのため、平屋を建てようとすると、広めの土地が必要となり購入費が余分にかかる場合があります。特に都市部では土地代が高額になる傾向があります。

平屋は基礎や屋根の面積も大きくなるため、同等の仕様であれば建築工事にかかる費用は2階建てよりも高くなりがちです。平屋の建築費用は広さだけでは決められませんが、建築の際は、余裕を持って費用を準備しておくと安心です。

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老後も安心な平屋をローコストで建てるコツ

平屋を少しでも低価格で建てるには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。老後も安心して暮らせる平屋を、ローコストで建てるポイントをご紹介します。

シンプルな間取りと外観デザインに

必要以上に間取りに凝ったり、部屋数を増やしたりすると建築コストはかさみます。また、複雑な間取りにすると、日の当たりにくい部屋ができてしまうこともあります。平屋をローコストで建てるためには、シンプルな間取りと外観デザインを心がけましょう。

基本的にはリビングを中心にして各部屋を配置すれば、動線がシンプルになり生活しやすくなります。外観デザインもベーシックにして、工事費用やメンテナンスコストを抑えましょう。

間仕切りを少なくする

居室の数を減らして間仕切りを少なくすれば壁や扉の数が減り、その分の建材費を削減できます。工期の短縮にもつながるでしょう。

コスト面だけでなく、間仕切りを減らすことで圧迫感がなくなり、開放的で明るい空間をつくれます。掃除がしやすくなって毎日の負担も軽くなるでしょう。家族構成やライフスタイルが変化する可能性がある場合は、将来的に間仕切りを追加できるようにしておけば、柔軟に対応できます。

スペースの有効利用を考える

平屋には2階がない分、スペースを有効利用するための工夫が必要です。例えば天井を少し高くしてロフトを設けると、収納スペースにしたり趣味のためのスペースとして活用したりできるでしょう。

廊下スペースや玄関ホールを必要以上に広くしないこともポイントの1つです。広い玄関ホールは魅力的ですが、スペースを取ったしわ寄せが居室にいってしまう場合もあります。
玄関から居室、リビングなどへの距離を短くしたり、思い切って廊下を設けずに玄関とLDKをつなぎ、生活動線をLDKに組み込んだりする方法もあります。

平屋が得意なハウスメーカーや設計事務所などのプランを検討する

平屋を得意とするハウスメーカーや設計事務所の選択は、より満足度の高い住まいの実現につながります。規格化されたセットプランを選べばさらにコストを抑えられるかもしれません。

ローコスト建築を得意とするメーカーや、地元に密着した工務店の実績を調べ、評判を比較検討してみましょう。モデルハウスや完成見学会に足を運び、実際の施工事例を見ると自分が家づくりで優先したいことは何か、コストを抑えられる部分はどこかが明確になるかもしれません。

高齢者の滑りに配慮したDAIKENの床材『おもいやりフロアⅤ』

平屋建ての住宅は、誰もが暮らしやすい家でもあります。すべりに配慮したDAIKEN『おもいやりフロアⅤ』はおすすめの床材です。

滑りにくく傷がつきにくい

おもいやりフロアⅤ』は、防滑マットコートを施したすべりに配慮した床材です。つまずきにくく快適な歩行感が特長で、高齢者にやさしいフローリングとなっています。また、表面の硬度が高く、杖やキャスター付きイス、車椅子などを使用しても凹み傷やすり傷が付きにくいので、介護を必要とする方にも安心です(※1)。

また、水や汚れにも配慮されており(※2)、お手入れが簡単なうえ、ワックスがけも不要です(※3)。毎日の清掃がぐっと楽になります。

(※1)金属製キャスターや球状キャスターは使用しないでください。キャスターの使用頻度が高い箇所は、カーペットなどで床を保護してください。
(※2)水濡れに配慮した床材ですが、水掛かりの際には直ちに拭き取ってください。
(※3)ワックスは必要ありません。お客様のご都合によりワックス掛けされる場合は、DKワックスネオをご使用ください。他のワックスは塗りムラや密着不良の原因となります。ワックス掛けされますと、ワックス膜により床材表面本来の性能や質感が損なわれますので、ご承知ください。

多彩な色柄をご用意

おもいやりフロアⅤ』には、ナチュラルなホワイト系から落ち着いたダークブラウン系まで多彩な色柄が用意され、色柄によっては天然木のような色の濃淡も楽しめます。
バリエーションが豊富なので部屋の雰囲気や好みに合わせて選択できます。DAIKENでは見切材や造作部材も幅広く展開しているため、空間全体のトータルコーディネートもしやすいでしょう。

まとめ

平屋には、家族間のコミュニケーションが取りやすい、フラットで安全な生活動線が確保しやすいなど様々なメリットがあります。しかし一方では2階建て以上に通風や採光、防犯面の対策を考慮した設計が不可欠です。

そのため、平屋を建てる際は最初の計画段階からの熟慮と工夫が必要でしょう。また、せっかくの平屋ですから利便性を高めるバリアフリー計画も意識したいところです。将来的にも安心のできる間取りや床材を採用して、安全で快適な住まいづくりを実現しましょう。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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