住まいと暮らしのライフスタイルマガジン『HomeLife』。
家での暮らしをより楽しく、豊かにするための様々な情報を発信します。
※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
ウォークインクローゼットは、近年多くの住まいに採用されている収納スペースです。マイホームの間取りを考える際、ウォークインクローゼットの設置を希望される方も少なくありません。
そこで今回は、ウォークインクローゼットのメリット・デメリットに加え、設置するときのポイントについて詳しく解説します。便利な収納で快適に暮らしたい方はぜひ参考にしてください。
ウォークインクローゼットとは ほかのクローゼットとどう違う?

クローゼットには、ウォークインクローゼットやウォークスルークローゼット、ファミリークローゼットなど様々な種類があります。ここでは、ウォークインクローゼットの特徴と、そのほかの主なクローゼットとの違いをご紹介します。
“ウォークインクローゼット”とは、人が中に入って使える(walk in)収納スペースです。多くの場合、間取り図では“WIC”と表記されます。独立した部屋のようなウォークインクローゼットのほか、間取りによっては半個室型やオープン型もあります。
ある程度の広さがあるので、衣類をはじめ、バッグやアクセサリーといった小物類やスーツケースなどをまとめて収納できる点が魅力です。
クローゼットとウォークインクローゼットの違い
間取り図で“CL”と表記される“クローゼット”は部屋の壁に埋め込まれた収納スペースで、多くの場合、和室にある押入れとクローゼットは区別されています。一般的に奥行は60~70cm程度で中には入れず、ウォークインクローゼットに比べるとコンパクトなサイズの収納といえます。
スーツケースなどの大きな荷物はあまり入れられないのが難点です。
ウォークスルークローゼットとウォークインクローゼットの違い
間取り図で“WTC”と表記される“ウォークスルークローゼット”は、ウォークインクローゼットと同じく独立した収納スペースですが、出入口が2か所あって通り抜け(walk through)できる点が異なります。ウォークスルークローゼットを2つの部屋の間に配置してどちらの部屋からも入れるようにしたり、部屋と廊下をつなげて収納と通路を兼ねたりできます。
ウォークスルークローゼットを検討する際は、どの部屋とつなげるかを、実際の生活動線をイメージしながら考えましょう。
ファミリークローゼットとウォークインクローゼットの違い

“ファミクロ”と略される“ファミリークローゼット”とは、家族全員が利用できる共用の収納スペースです。“ファミリークローク”とも呼ばれます。ファミリークローゼットにも、クローゼットのタイプとしてウォークインタイプとウォークスルータイプがあります。
個人の部屋につくられたウォークインクローゼットと、ファミリークローゼットの大きな違いは広さです。
個人のウォークインクローゼットは最低でも2畳以上のスペースを、ファミリークローゼットは家族全員分を収納するため、4人家族の場合は4畳以上を見積もるとよいでしょう。
間取りの面では、ウォークインクローゼットは主に個人の部屋に設置され、ファミリークローゼットは家族の共用スペースからアクセスしやすい場所に設置されるという違いがあります。
ランドリールームや洗面所、玄関や廊下、リビングなどの近くに配置すると動線が良くなり効率的に使えるでしょう。
おすすめ記事
2025.04.30
ウォークインクローゼットのメリット・デメリット

ウォークインクローゼットのメリット・デメリットをご紹介します。
ウォークインクローゼットのメリット
・大容量の収納があり、衣類だけでなくバッグや帽子などの小物、季節の家電なども収納しやすい
・衣替えの手間を減らせる
・衣類を取り出しやすく、コーディネートを考えながら着替えられる
・家族が寝ているときでもドアを閉めれば明るくして身支度ができる
・部屋の雰囲気を損なわずに様々なものが収納できるため、生活空間をスッキリと保てる
ウォークインクローゼットの大きな魅力は高い収納力です。おもちゃやランドセルなどの置き場所をつくれば、お子様が片付けの習慣を身に付けやすくなるでしょう。
参考:
⇒「収育スタイリング」
また、睡眠中の家族を起こさないようあまり気にせずに身支度できるほか、衣替えの頻度が減るのもうれしいポイントです。
ウォークインクローゼットのデメリット
ウォークインクローゼットのデメリットは以下のとおりです。
・新築やリフォームの際は間取りを工夫する必要がある
・収納の仕方によっては居住空間を無駄にしてしまう
・湿気が溜まりやすく、カビに注意が必要
ウォークインクローゼットは、クローゼットと比べて広いスペースを使用します。居住空間を圧迫してしまうため、間取りの工夫が必要です。せっかく大きな収納スペースを用意しても、うまく活用できなければ居住空間を無駄にすることにつながります。
レイアウトや使い方をしっかり検討してから導入するとよいでしょう。
また、ウォークインクローゼットは窓や換気扇のない場合が多く、空気がこもりやすくなるため、カビの発生に注意しましょう。
おすすめ記事
2025.05.20
ウォークインクローゼットをファミクロに採用するメリット・デメリット
ファミリークローゼットをウォークインタイプにするメリット・デメリットは、個室に設置する一般的なウォークインクローゼットのメリット・デメリットとおおむね一致しますが、家族で使うという点で違いがあります。
ウォークインファミリークローゼットのメリット
・収納量が多い
ウォークインタイプのファミリークローゼットは、ウォークスルータイプに比べると壁面が多いため、収納力が高くなります。より多く収納したい場合はウォークインタイプが適しているといえるでしょう。
・一時的なプライベート空間が確保できる
ウォークインタイプのファミリークローゼットは、扉を閉めると一時的にプライベートな空間にできます。ある程度の広さがあるのでクローゼット内での身支度に便利ですが、思春期のお子様が使う際は鍵付きの扉にするなど、プライバシー面も考慮しましょう。
・動線を考えた配置で過ごしやすい家になる

玄関からリビングに向かう動線上に配置すれば、手荷物の整理がファミリークローゼットで行えるため、リビングをきれいに保つのに役立ちます。
また、ランドリールームの近くに配置すれば、脱いだ服を洗濯機に入れたり、洗濯物を片付けたりする際に便利です。
ウォークインファミリークローゼットのデメリット
・通り抜けができない
ウォークインタイプは出入口が1つしかないため、間取りを考える際は生活動線の邪魔にならないように配置しましょう。特に朝の時間帯は、出勤や通学の準備が重なってしまい、混雑する可能性もあります。混み合うことが事前に見込まれる場合は、時間の工夫や譲り合いが必要かもしれません。
・湿気やカビの心配がある
前述のとおり、ウォークインタイプのクローゼットは、個別のウォークインクローゼットと同様に湿気の心配があります。収納している家族全員分のものを湿気やカビ、ニオイなどから守るためには、窓を設置したり、扇風機やサーキュレーター、除湿器を使ったりする方法が考えられます。
ウォークインクローゼットを導入するときのポイント

使いやすいウォークインクローゼットを実現するためのポイントをご紹介します。
おすすめの配置場所は寝室
ウォークインクローゼットは寝室の近くに配置し、衣類のほかにアクセサリーや鞄などを収納しておくと、身支度をする際の移動が減ります。
また、洗面所や廊下の隣などに配置すれば、生活動線がコンパクトになります。
ダイニングからの動線がスムーズなウォークインクローゼットがあればパントリーとしても利用できます。ダイニングやLDKのレイアウトについてはこちらをご覧ください。
関連記事⇒「ダイニングとは? リビングとの違いは? DKとLDKの違いと居心地の良いレイアウトを紹介」
寝室についてはこちらの記事もぜひご覧ください。
関連記事⇒「ベッドサイズの種類 一覧で比較! 人数や部屋の広さで変わるベッドの選び方」
使い方をイメージして収納家具や棚を設置しよう
ウォークインクローゼットの収納力を活かすには、使い方をイメージしながらレイアウトを考えるのがおすすめです。棚を壁一面の全体に設ければ、壁の面積を有効に活用できます。
チェストや収納ボックスを活用しよう
ウォークインクローゼットを効率的に使うためには、モノの定位置を決めるのがおすすめです。
チェストや収納ボックスを活用して分類したり、必要に応じて様々なアイデア製品を取り入れたりして使いやすい置き場所を見つけましょう。
そのほかのクローゼットとして、シューズインクローゼットもあります。シューズインクローゼットについてはこちらで解説しています。
関連記事⇒「シューズインクローゼットやシューズクロークはあったほうが良い? メリット・デメリットをチェック」
シンプルで使いやすい DAIKEN『内部ユニット FiTIO(フィティオ)』

DAIKEN『内部ユニット FiTIO(フィティオ)』は、ウォークインクローゼットの収納力アップにおすすめの内部ユニットです。側面棚柱タイプと背面棚柱タイプの2タイプをラインアップしており、様々なスペースに対応します。棚を壁に取り付ける工事が不要なので、入居した後も手軽に設置できます。
スペースに合わせ、以下の4つのタイプから選んでレイアウトが可能です。

また、『FiTIO(フィティオ)』はファミリークローゼットをつくりたい場合にも便利です。
お子様が小さい間は家族の持ち物をまとめて効率良く管理し、お子様の成長とともに棚板の高さを変えて、整理整頓や片付けをサポートしましょう。
まとめ
ウォークインクローゼットは、大容量の収納を可能にするだけでなく、身支度もスムーズにできる便利なスペースです。ウォークインクローゼットをつくると居住空間が減ってしまう分、しっかりと活用したい収納設備です。間取りやレイアウトを工夫し、快適な収納空間づくりを検討してみてください。
-
監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
公開日:2025.04.30 最終更新日:2025.08.20
関連製品
-
シンプルで使いやすいリーズナブルな内部ユニット
-
シンプルで使いやすいリーズナブルな内部ユニット
おすすめ記事Recommends
-
2025.04.30
-
2025.08.20
-
2025.04.30
