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2025-08-20

インナーバルコニー、インナーテラスとは メリット・デメリットを知って実用性のある快適空間を

※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。

“インナーバルコニー”や“インナーテラス”は、多目的に使える半屋外空間として注目されています。これらには多くの利点もありますが、固定資産税への影響や室内の採光への配慮など検討すべきポイントもあります。
今回は、インナーバルコニーとインナーテラスの基礎知識を解説します。さらにインナーバルコニーをおしゃれに演出するDAIKEN製品をご紹介します。

インナーバルコニー、インナーテラスとは

テレワークによる在宅時間の増加や、自宅で楽しむ趣味の多様化などを背景に、自宅での時間を心地良く過ごせる空間づくりが注目されるようになりました。そのような中、関心を集めているのが“インナーバルコニー”と“インナーテラス”です。それぞれの魅力や特徴をみていきましょう。

半屋外空間としての魅力

インナーバルコニーやインナーテラスは、“インナー”という名称が示すとおり外壁よりも内側に設けられたバルコニーやテラスで、屋根と壁に囲まれた半屋外空間です。従来の屋外バルコニーやテラスをベースにして室内空間とのつながりを高めた間取りで、天候に左右されにくいという利点があります。
室内と室外をつないだ開放感のある空間で「洗濯物を干す」「読書やティータイムを楽しむ」「植物の手入れをする」など様々な用途に活用できる点が魅力です。

バルコニーとテラスの違い

本来、バルコニーとテラスはいずれも建物の外部に設けられるスペースですが、設置場所や構造に違いがあります。
バルコニーは、主に2階以上に設けられ、一般的に建物から外に張り出した構造の外部エリアです。
一方、テラスは1階部分に設けられており、地面に接しているか、わずかに高く設置された構造です。庭と室内をゆるやかにつなぐ役割を果たします。

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インナーバルコニーの特徴

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

まず、インナーバルコニーのメリットとデメリットについて解説します。三方を壁に囲まれたインナーバルコニーは、主に2階以上に設けられるため程良くプライバシーを守りながら過ごせる空間です。

インナーバルコニーのメリット

・天候を気にせず洗濯物を干せる

屋根と側面の壁があるため、風や雨の影響を受けにくい点があげられます。天候が急変しても洗濯物が濡れにくいので、干したままでも安心して外出できます。奥行きを深くして天窓を付ければ太陽光の下で布団などを干すスペースもつくれます。

・自分だけのプライベート空間になる

インナーバルコニーは壁や屋根に囲まれた構造であるため、外部からの視線を遮ることができます。テーブルやチェアなどを置けば、隣家と距離が近くてもくつろいで過ごせるプライベート空間が生まれます。

・都市部の限られた敷地でも取り入れやすい

インナーバルコニーは、敷地に余裕がない都市型住宅にも取り入れやすいという利点があります。建物の構造内に収めやすく、都市部の住まいとの相性も良いため、住宅密集地でも屋外の快適さを味わえます。

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インナーバルコニーのデメリット

・採光や通風が制限される場合もある

屋根や側面の囲いによって、自然光や風通しの取り込みが制限される場合もあります。方角や周辺環境も影響するため設計時には慎重な検討が必要です。専門家と相談しながら計画を進めましょう。

・固定資産税の課税対象になるケースがある

屋根に覆われた構造のインナーバルコニーは、建物の内部空間として扱われ、原則として登記上の床面積に含まれます。固定資産税の評価額が上がる可能性もあり、注意が必要です。インナーバルコニーの面積が広くなるほど課税対象も増えるためで、どの程度の税額になるかは、自治体に確認することをおすすめします。

・建築コストが高くなる傾向にある

インナーバルコニーは床面の防水処理に加えて、屋根や周りを囲む壁の設置といった十分な雨への対応が不可欠です。一般的なバルコニーと比べて施工の工程や使用する部材が多くなり、建築コストが高くなる傾向にあります。

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インナーバルコニーをおしゃれな空間に

インナーバルコニーは、工夫次第で暮らしに彩りを添えるスペースになります。より素敵な空間にするアイデアをご紹介します。

・インナーバルコニーに窓を設置して快適に

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

インナーバルコニーの屋外側に開閉可能な窓を設けると、外部からの空気の流入を調整できます。また、方角や間取りの設計次第では太陽光を採り込み、空間に開放感をプラスできます。リビングやダイニングとつなげて使う場合は、窓の形と位置が快適さに大きく影響するため、設計段階で十分に検討が必要なポイントです。

・植物を取り入れて自然を感じる空間に

観葉植物や季節の草花を飾るなどして、インナーバルコニーに自然の要素を加えましょう。外の景色が見えにくい場合でも、生き生きとした自然の雰囲気を演出できます。

・くつろぎのスペースとして家具を活用

屋外用のチェアやローテーブルを置くと、のんびりとコーヒーを飲んだり、読書を楽しんだりできる、くつろぎの場所として利用できます。

・素材選びで統一感を演出

ウッドデッキ調の床材を選ぶと、室内との一体感が生まれ、全体にまとまりが出ます。床材をタイルにする場合も室内の床材と色味を合わせると、家具や小物との相性も良くおしゃれに仕上がります。

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インナーテラスの特徴

室内と庭の中間に位置するインナーテラスは、インナーバルコニーとは異なる魅力を備えています。
サンルームは屋内空間として設けられる一方、インナーテラスは屋外を室内に取り入れる形になります。サンルームは室内の延長として同じ床材が用いられるのに対し、インナーテラスの多くはタイルや土間で床を仕上げた空間になります。

インナーテラスのメリット

・庭とつながることで、自然を身近に感じられる

多くのインナーテラスは庭に面して設けられるため、季節の植物や風の流れ、光の移ろいなどを屋内にいながら感じられます。屋根があることで天候を気にせず、日常的に屋外の空気に触れられます。

・汚れを気にせず使える便利な場所

インナーテラスは土足で出入りできるため、ガーデニングや水遊び、アウトドア家具の設置など、多少の汚れなら気にせずラフに利用できます。屋内と床が連続するインナーバルコニーに比べて、屋外ならではの使い方にも適しています。

・配達対応やちょっとした作業にも便利

屋外に近いインナーテラスがあると、日常のちょっとした作業もスムーズに行えるようになります。荷物の仮置きや配達の受け取り対応、園芸道具の収納などにも役立ちます。

インナーテラスのデメリット

・一定の敷地が必要

1階の庭と隣接する構造のため、敷地に余裕がないと設置が困難です。1部屋分の居室をあきらめなくてはならない場合や、都市部の狭小地などスペース確保が難しいケースもあるでしょう。

・固定資産税の課税対象になるケースがある

インナーバルコニーと同様、屋根と壁に囲まれた構造のため、建築面積に含まれると固定資産税の課税対象となる場合があります。事前に自治体や専門家などに確認しながら計画してください。

・プライバシーの確保に配慮が必要

設置場所によっては、隣家や道路から見えてしまう場合があります。目隠しできる設計にしたり、植栽を工夫したりしてプライバシーの確保を検討しましょう。

インナーテラスがもたらす快適な暮らし

インナーテラスは室内にいながら外の風景を眺められ、風の音を感じられる心地良い中間領域です。建物の外周部から視線が庭や空へと抜けやすく、開放感をもたらします。
プライベート性を重視するインナーバルコニーに対して、インナーテラスは庭と室内をつなぐ“外に開かれた場”として機能します。例えば、空や星を眺めたり、夏にはバーベキューをしたりできます。あわただしい生活にゆとりを生み出し、快適な暮らしを実現できる場所といえるでしょう。

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DAIKENの『ラインフレーム』で空間を引き立てる

インナーバルコニー、インナーテラスに間仕切戸を取り入れるのもおすすめです。洗練と実用性を備えた建材として、DAIKENの『ieria(イエリア) 間仕切戸 ラインフレーム』を検討してみてはいかがでしょうか。

スタイリッシュな黒フレームで空間を演出

ラインフレーム』は、スリムなフレームにシックな黒が映えるスタイリッシュな間仕切戸です。
屋内と屋外をゆるやかに仕切り、扉を閉めるとフレーム同士がぴったり重なり、まるで1本のラインのような美しさを醸し出します。アイアン調のブラックフレームでありながら圧迫感がなく、洗練された空間を演出します。

手軽に掃除ができる

インナーバルコニーに段差を設けると、掃除の手間が軽減されます。室内側の床に溜まった埃やゴミをほうきで掃き出し、段差のあるバルコニー、テラス側に集めて掃除機でまとめて吸い取れば手軽に掃除ができます。

まとめ

インナーバルコニーやインナーテラスは、屋外の開放感と室内の快適さを両立する半屋外空間です。洗濯物を干す場所やくつろぎのスペースなど、多目的に活用されています。ただし、固定資産税への影響、採光と通風の確保など設計段階での考慮も必要です。事前にコストなども確認しておくことが大切です。

ライフスタイルや家族構成に合わせて、実用的で快適な半屋外空間の導入を検討してみてください。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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