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※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
季節の移り変わりを感じられるガーデニングにチャレンジしてみたくても、使えるスペースが広くないからと諦めてしまう方も多いのではないでしょうか?
今回は、スペースが限られていても楽しめる庭づくりのポイントと、おしゃれな庭を実現する便利なアイテムについてご紹介します。小さくても個性的な、自分だけの庭づくりを楽しみましょう。
ガーデニングとは

“ガーデニング”とは、自宅の庭やベランダなどで植物を育てる趣味や活動です。ガーデニングを始めるきっかけとしてよくあげられる「癒やしの時間を持ちたい」という理由はガーデニングに関する意識調査で半数を上回っています。
さらに「家庭菜園で新鮮な野菜を収穫できる」「美しい景観をつくれる」のも、ガーデニングならではのメリットです。初心者でも、プランターや小さな鉢植えで季節ごとの花や野菜を十分楽しめます。気軽に始めてみてはいかがでしょうか。
初心者には小さい庭がおすすめ!
中には「ガーデニングを始めたいけれど小さい庭しかない」と心配になる方もいるかもしれませんが、初心者にとっては小さな庭のほうが始めやすいといわれています。
広い庭の場合は植える植物を多く選ぶ必要があり、また植物が多い分、手入れも大変です。しかし小さな庭なら水やりや雑草取りの負担も比較的少なく、大切な植物の様子も見逃さずに観察できます。
まずは育てやすい植物からスタートし、限られたスペースで工夫しながらステップアップしていきましょう。
ガーデニングで用意したいもの

ガーデニングを始めるために何を用意すればよいでしょうか。特に「小さい庭をおしゃれに演出したい」という場合におすすめのアイテムをご紹介します。
レンガ
自然な風合いが庭にあたたかみを与え、様々なスタイルのガーデニングになじみやすいのがレンガです。耐久性が高く、時間が経つほど味わいが増すのも魅力の1つです。排水性を確保しながら土の流出を防ぎ、植物の生育環境を整えるのに役立ちます。さらに、花壇などの縁取りや小道の敷石にも活用できます。
プランター
プランターは移動や植え替えがしやすいので、日当たりを調整する際や、季節ごとに植物を入れ替える際にも便利です。ハンギングタイプやタワー型のプランターを活用すると、狭いスペースで効率よくグリーンを増やせます。
プランターには、陶器製や木製、プラスチック製などたくさんの種類があります。素材によって通気性や水はけなど特徴が異なるため、育てたい植物に適したものを選びましょう。
柵・フェンス
ウッドフェンスやアイアンフェンスなど、素材やデザインによって庭の雰囲気を大きく変えられます。
小さな庭に低めの柵を花壇の縁取りとして使えば、圧迫感のない、あたたかな印象になるでしょう。
また、柵やフェンスは隣家と庭を区切ったりプライバシーを確保したりするだけでなく、風よけや動物の侵入防止として活用できる製品もあるので、機能性とデザインの両面で選びましょう。
ソーラーライト
ソーラーライトは、太陽光で充電して暗くなると自動点灯する照明です。電源不要で手軽に設置できるため、庭のアクセントとして人気があります。玄関アプローチの足元を照らすポールライトや、草木を照らすスポットライトなど、種類も豊富です。
夜の庭を幻想的に演出するだけでなく防犯にもなるので1つでも設置しておきたいアイテムです。日当たり次第では、充電が進まずに光の強さが弱くなることもあるので、できるだけ天候に左右されにくい日当たりのよい場所に設置しましょう。
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小さい庭でガーデニングを楽しむポイント テーマを決めておしゃれな庭を演出

小さい庭でガーデニングを楽しむには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。特に初めてガーデニングにチャレンジする方は参考にしてください。
テーマを決める
小さな庭でのガーデニングを素敵に見せるには、まずどのような雰囲気にしたいのか、テーマを決めるとよいでしょう。テーマが決まると庭づくりがスムーズに進み、より魅力的な空間を実現できます。
・ナチュラルガーデン
自然が持つ美しさや雰囲気を活かした庭のことで、自然に近い草花を選び、剪定しすぎず自由に育てます。
関連記事⇒「ビオトープとは 庭やベランダでも楽しめる小さな大自然をはじめよう」
・イングリッシュガーデン
アーチやラティス(格子)、吊り下げプランターなどを使い、手前から奥にかけて高く配置します。
・和風庭園(日本庭園)
玄関アプローチから庭へと続く園路(えんろ)に飛び石を設置したり、枯山水風の石庭にしたりするなど、レイアウトに石や竹を取り入れてつくる日本の伝統的な庭です。
・キッチンガーデン
バジルやパクチー、ミニトマトやナスなど、料理で使うハーブや野菜を育てるキッチンガーデンは、ガーデニングだけでなく収穫や料理も楽しめます。
どのような庭にしたいか、はっきりしたテーマがあれば植物やデザインも決めやすくなるのです。
レイアウトを決める
限られたスペースを有効に活用するには、レイアウトの工夫も大切です。例えば、高さのある植物を奥に、低い植物を手前に組み合わせると奥行きのあるデザインになります。
イングリッシュガーデンのような庭にしたい場合、手前から奥へ向かって高さを出す“ボーダーガーデン”がポイントになりますので、小さい庭の場合は、レンガやトロフィー型プランターなどのアイテムを使って高さを出しましょう。
歩きやすく手入れしやすい配置や動線の工夫をすることも重要です。植木鉢やプランターを壁際やコーナーに置けば、敷地を有効に使えます。
植木鉢を増やしてガーデニングスペースを増やす
植木鉢(ポット)を使うと舗装されたコンクリートやタイルの場所にもガーデニングスペースを増やせます。
例えば、庭を囲んでいるフェンスやラティスにハンギングバスケットやハンギングプランターを掛けたり、フラワースタンドやガーデンラックを使ったりして縦方向にも鉢を並べれば、空間に動きが出て立体的な庭を楽しめるでしょう。

「植木鉢をたくさん置くのはごちゃごちゃして庭が見苦しくなってしまうのでは?」という心配もあるかもしれません。植木鉢はデザインが豊富ですから、素材や色の統一感を意識して選びましょう。
スタンダードな素焼きのテラコッタ、グラスファイバー製やファイバークレイ製のデザイン性が高い鉢、白や黒、緑の鉢などを、色味や質感に注目しながら周囲のテイストと合わせ、高低差をつけてコーディネートします。つる植物を這わせるための支柱“オベリスク”や格子状の“トレリス”とプランターがセットになっているものを使えば、コーディネートが手軽にできます。
植木鉢はいつでも配置を自由に変えられるため、季節に合わせて植物を移動し、様々な表情を楽しみましょう。
おしゃれに見える演出をする

小さな庭でも工夫次第でおしゃれな雰囲気を演出できます。
背景となるウッドデッキや家の外壁、玄関アプローチの舗装とマッチする鉢やプランターを1か所に集めて置く“寄せ鉢”は、庭全体の印象が良くなります。
カラーコーディネートを意識して葉や花との色合わせを考え、装飾の色合いを揃えるのもおすすめです。
小さなベンチやガーデンオーナメントを配置すれば、より個性的な庭になります。また、ガーデンライトを取り入れると、夜でも雰囲気のあるワンランクアップした空間を楽しめるでしょう。
関連記事⇒「玄関アプローチは家の顔 デザインと素材選びで門からの通り道をおしゃれな空間に!」
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ガーデニングに適した場所は?
基本的に土と水と日光があればガーデニングは可能ですが、場所に適したレイアウトや植物の選び方にコツがあります。初めてのガーデニングは、どこから始めればよいのでしょうか。
リビングダイニング周辺・中庭
室内からも眺められる場所、例えばリビングやダイニングルームの周辺は、ガーデニングに最適な場所といえます。四季折々の植物を配置すれば、家の中にいても自然を感じながら過ごせるでしょう。
もしも自宅に中庭があれば、中庭を“プライベートガーデン”にしてみてはいかがでしょうか。中庭は室内から移動しやすく、お手入れをこまめにしやすい点もポイントです。動線を意識したレイアウトで、快適にガーデニングを楽しみましょう。
アプローチ・玄関横

お客様を最初に迎え入れるアプローチや玄関横は“家の顔”ともいえる場所で、絶好のガーデニングスペースです。シンボルツリーを植えたり季節の花を飾ったりして、華やかであたたかみのある雰囲気を演出しましょう。
限られたスペースでも鉢植えやハンギングバスケットを活用すると、おしゃれなウェルカムガーデンになります。
駐車場・ガレージ周り
駐車場やガレージはコンクリートを用いることが多いだけに無機質な雰囲気になりやすい場所です。周囲に緑を取り入れるとやわらかな印象になります。スペースが限られている場合は、壁面やフェンスに沿って植物を配置しましょう。スペースに応じて背の高いグリーンを置けば、空間を引き締めつつおしゃれな雰囲気を演出できます。
ただし、車や自転車の出入りを考慮して、見通しを悪くしたり駐車を妨げたりしないことが大切です。葉がよく茂る種類はこまめに剪定する、背丈が低めの草花を選ぶ、といった工夫をしましょう。
塀・フェンス周辺

塀やフェンスの周辺につる性の植物を活用すれば“緑のカーテン”として涼しげな演出ができます。
ツタやアイビー、つるバラなどをフェンスに絡ませたり、ハンギングバスケットやプランターをフェンスに掛けたりして立体的な演出をすれば、塀も立派な“ガーデン”になります。
こうした植物は外構の彩りと、外部からの視線をやわらげる目隠しになりますが、つるが絡みついて外壁やフェンスにダメージを与えてしまう恐れもあります。定期的に剪定するなど適切な管理をしましょう。
小さな庭におすすめの植物

庭のスペースが限られているなら、大型の植物よりコンパクトに育つ多年草や低木、寄せ植えしやすい草花を選ぶとよいかもしれません。また、同じ頃に咲く植物だけでなく、季節ごとに楽しめる植物を組み合わせると、年間を通して楽しめます。
例えば、秋から春先まで楽しめるパンジーやビオラなどの草花、ローズマリーなどのハーブ類は、見た目も美しく香りも楽しめます。露地植えだと大きくなる種類は適度に剪定したり、鉢植えにしたりするとよいでしょう。
冬から春にかけて咲くクリスマスローズや初夏から夏にかけて花をつけるギボウシは日陰でも育ちやすく、管理が比較的簡単です。花が咲いていないときでも美しい葉を楽しめます。
つる性植物のクレマチスは品種によって色や形のバリエーションが豊富な植物です。ワンシーズンに何度も花を咲かせるものや四季咲きのものがあり、季節ごとに美しい花を咲かせるので、フェンス沿いに植えれば1年を通して華やかな演出ができるでしょう。
手間をかけずに楽しめる小さな庭のガーデニングのコツ
ガーデニングに興味があっても、忙しくてあまり時間をかけられないという方もいるでしょう。そこで、できるだけ手間をかけずに楽しめる小さな庭づくりのコツをご紹介します。
グランドカバーで雑草対策とデザイン性を
“グランドカバー”は、地面を覆うように広がる丈の低い植物のことで、樹木の下などに生えていることから“下草”とも呼ばれています。
木とグランドカバーを上手に組み合わせると、庭のデザイン性が向上します。見た目が美しく、手間のかからないものを選び、耐寒性や耐暑性などの特性と庭の相性を確認しましょう。
冬に落葉しない種類のグランドカバーは葉が土の表面を年中覆ってくれるので、雑草や乾燥から地面を守れます。
カラーリーフを組み合わせる

花が少ない時期は庭が寂しくなりがちです。寒い時季にも開花するようにと年間を通して庭に手間をかけるのは、時間がない方には難しいこともあります。そのようなときは、赤、黄、紫など、カラフルな葉の植物“カラーリーフ”を使ったガーデニングがおすすめです。
例えばヒューケラは、赤、紫、オレンジ、ライムカラーなど、色彩豊かな葉を持つ常緑性の“カラーリーフプランツ”で、1年を通して華やかな景色をつくれます。ハツユキカズラは季節によって葉の色が変化する様子を楽しめます。
宿根草を取り入れてみる

宿根草とは、1度植えると毎年花を咲かせる“多年草”の1種です。対して、1回咲くと枯れる植物を“一年草”といいます。
宿根草には年間を通して緑の葉がある常緑のものと落葉するものがあり、常緑でない宿根草は寒くなると地上に出ている部分が枯れ、土の中に残った根や地下茎は休眠します。地下で冬越しした後、春になって次の生育サイクルに入るとまた芽を出し、次のシーズンも楽しめるのです。
宿根草には、赤やピンクの花が美しいゼラニウム、白やピンクの小さな花が可愛らしいマーガレット、シックでおしゃれな赤が特徴のチョコレートコスモス、大きな葉の重なりを楽しめるギボウシ(ホスタ)、秋の七草として有名なキキョウなどがあります。
1度植えれば何年も楽しめるのが、宿根草の大きな魅力です。植え替えの手間がいらないため、毎年こまめに植物を植える時間がないという方に適しています。
しかし、宿根草は寒さで枯れないというわけではなく、耐寒性の低い宿根草もあります。好みの宿根草が見つかっても、環境がその植物の生育に適していないケースや、小さな庭に植えるには不向きな、大きく育つ宿根草もあるので、サイズや生育環境などがミニガーデンに適している種類を選びましょう。
マルチングとは

“マルチング”とは、土の表面をウッドチップや腐葉土などで覆うことです。
マルチングのメリット
マルチングのメリットの1つは、土の乾燥を防いで適度な湿度を保てることです。水やりの頻度が減らせるだけでなく、植物の根にやさしい環境をつくれます。また、土の温度を調整して、夏の暑さや冬の寒さから植物を守るのにも役立つ方法です。
さらに雑草の発生を抑制し、庭全体の見た目をスッキリさせます。自然素材のマルチング材ならよりナチュラルな印象になりますし、時間が経つと土に還るので、環境にやさしいといったメリットもあります。
マルチングのデメリット・注意点
マルチングにはいくつかの注意点もあります。厚く敷きすぎると通気性が悪くなり、カビや害虫が発生しやすくなるため、適切な厚さを意識しながら敷きましょう。
プラスチックやビニールなど無機質のマルチング材は、使用後に処理が必要です。使用する素材によっては初期費用がかかってしまうかもしれませんが、自然素材のものを使って庭をおしゃれに演出するのもおすすめです。
おすすめのマルチング材『Decoマルチ(デコマルチ)』とは

『Decoマルチ(デコマルチ)』は国産の未利用木材を100%使用したマルチング材で、見た目の美しさと環境へのやさしさを兼ね備えた製品です。土壌の温度を安定させるとともに乾燥を防止し、日光を遮ることで雑草の発生を予防します。
敷くだけで庭を美しく見せてくれるアイテムとして、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
(※)本製品は雑草の発生を予防するものであり、完全に雑草を防ぐものではありません。
まとめ
たとえスペースが限られていても、工夫次第で魅力的なガーデニングを楽しむことは可能です。テーマやレイアウトを決めて植物やアイテムを上手に選びながら、自分だけの個性的な庭をつくりましょう。
マルチングは、庭の見た目を整えながら植物の生長を助ける便利なアイテムです。『Decoマルチ(デコマルチ)』のように軽量で扱いやすいマルチング材は、ガーデニング初心者も使いやすいでしょう。手軽に取り入れられて環境にやさしいアイテムを活用しつつ、理想の庭づくりを楽しみましょう。
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監修者
淀川 美和(よどがわ みわ)
株式会社アートアーク一級建築士事務所代表。一級建築士、インテリアコーディネーター、2児のママ建築家。「ママをきれいにする空間づくり」 をミッションの一つに掲げ、住宅・店舗・ホテル等の設計、内装コーディネート、メディア出演等を行う。自身も仕事と家事と育児のバランスをとりながら、忙しいママがいかに快適に家族と暮らせるかに焦点をあてつつ「お部屋のコンシェルジュ」として皆さまのお役に立てるよう奮闘中。
保有資格:一級建築士、インテリアコーディネーター、建築士会インスペクター、健康住宅アドバイザー、整理収納アドバイザー2級、アロマ検定1級
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
公開日:2025.04.30 最終更新日:2025.09.19
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