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2025-07-07

目隠しフェンスの高さはどれぐらいがいい? ルーバーフェンスにするメリットとデメリットは?

家づくりで外構をデザインする際、プライバシーの保護やセキュリティ対策に活躍するのが目隠しフェンスです。設置することによる機能的なメリットに加え、生活感を隠しておしゃれな住まいを演出できます。
そこで今回は、目隠しフェンスを選ぶ際のポイント、中でもデザイン性の高いルーバーフェンスのメリット・デメリットを解説します。家族のプライバシーを守り、おしゃれで機能的な外構づくりに役立ててください。

外構をデザインする際に考えたい植栽についてもぜひご覧ください。
関連記事⇒「植栽とは? おすすめの庭木で外構をおしゃれに!

目隠しフェンスとは?

目隠しフェンス

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

目隠しフェンスとは、“目隠し”という名前のとおり、外からの視線を遮る目的として設置されるフェンスです。一般的なフェンスよりも高さがあり、中が見えにくいように板材やパネルが取り付けられているものもあります。戸建て住宅では敷地や家を囲うだけでなく、物干し場やエアコン室外機など、生活感のあるアイテムを隠すためにも使われます。

ところで敷地の境界を囲うアイテムとしては、フェンスのほかに塀もありますが、フェンスと塀はどう違うのでしょうか。

通常、フェンスは柵のような形状の囲いを指しますが、塀は壁状の囲いで、フェンスより隙間がなく、中が見えない造りとなる傾向にあります。フェンスの素材にはアルミ・スチール・木材などが使われており、塀の素材には木材などが使われることもあるものの、現代ではコンクリートブロックや鉄筋コンクリート造などが多いようです。

素材別にみると、ヨーロッパスタイルではレンガなどの塀が多く用いられ、アメリカンスタイルではシンプルな金属製フェンスが好まれます。日本の伝統住宅には、コンクリートブロック塀や木の板で造られたフェンスのほか大谷石などの塀が普及しています。

目隠しフェンスはなぜ必要?

目隠しフェンス

戸建て住宅で目隠しフェンスが必要になるケースには、どのような理由が考えられるでしょうか。

プライバシーの保護

目隠しフェンスの最大の役割はプライバシーを守ることです。リビングで庭を眺めながらゆっくり過ごしたいと思っていても、庭が外部に対してオープンになっていると、外部からの視線が気になります。また自宅と隣家が近接していたり、窓が向かい合っていたりすると、お互いに気まずい思いをすることがあるかもしれません。目隠しフェンスがあれば外部からの視線を遮断してプライバシーの保護に役立つでしょう。

防犯性の向上

目隠しフェンスには、セキュリティ上のメリットもあります。目隠しフェンスがあれば中の様子が見えにくくなるため、空き巣などに狙いにくい家だと印象付けられるかもしれません。

セキュリティやプライバシーと外構についてはこちらの記事でも解説しています。ぜひご覧ください。
関連記事⇒「外構とエクステリアの違いは? 外構の種類とスタイルを紹介

おしゃれな演出

目隠しフェンスは、生活感を隠しておしゃれ度をアップさせるのにも役立ちます。デザイン性にすぐれた目隠しフェンスをうまく活用すれば、エアコンの室外機や物干し、ゴミ箱などの生活感のあるものを隠しつつ、見た目の良さも確保でき、おしゃれと住みやすさを両立できます。

快適・安心・安全な暮らしを実現するために、目隠しフェンスは重要な役割を果たしてくれるのです。

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目隠しフェンスの選び方

目隠しフェンス

目隠しフェンスには様々なサイズや素材があります。自分の家にぴったり合ったものを選ぶには、何を基準にすればよいのでしょうか。まずは3つの条件を確認しましょう。

目隠しフェンスの高さを決める

目隠しフェンスの高さは140~200cmぐらいが目安になります。高さが150cmのフェンスだと、身長170cmの方なら背伸びをすれば中を見ることが可能です。一方、200cmの高さがあれば、高身長の方が背伸びをしても中を見るのは難しいですが、家の内側に向けての圧迫感も増します。
目隠しフェンスの高さが180cm以上あればほとんどの通行人からの視線は防げるでしょう。

なお、目隠しフェンスの高さは法律や条例による規定もあります。
建築基準法では、ブロック塀の上に目隠しフェンスを設置する場合の上限は2.2mと決められています。独立した基礎の目隠しフェンスなら上限は2.9mです(自治体によって規定が異なる場合もあります)。
また、民法において、隣家との間に目隠しフェンスを設置する場合、隣人との合意が得られていなければその高さを2m以下にしなければならないとも定められています。
さらに、自治体ごとに条例で制限されている場合もあるので、設置する際には自治体の窓口や専門家に相談しておくとよいでしょう。

周囲の環境を考え合わせ、開放感とプライバシー保護の両面からベストな高さを決めましょう。

視認性を確認する

高さとあわせて確認しておきたいのが、目隠しフェンスの視認性です。一口に目隠しフェンスといっても、目隠しの効果には差があります。完全に見えなくするものから、メッシュ状の隙間があるものまで幅広いデザインの商品が展開されており、中からは外が見えるけれど外からは中が見えにくい、といった設計のフェンスも販売されています。

高さを決めるときと同様に、開放感とプライバシー保護のバランスを考え、何を重視するかを整理して選びましょう。

色・素材を決める

目隠しフェンスは背が高いだけにかなりの存在感があり、外構の雰囲気を大きく左右するアイテムです。そのため、建物と外構のデザインにマッチする色・素材を選び、調和の取れたコーディネートを意識しましょう。
近年はデザイン性の高い目隠しフェンスが増えています。素材も木・アルミ・樹脂と豊富なため、幅広いコーディネートが可能です。

コストをなるべく抑えたい、工事をしたくないという方は、置くだけで設置できる目隠しフェンスもあります。視線が気になるところに置くだけで、家族のプライバシーを守ることができます。ただし、強風などで倒れる可能性がある点には注意が必要です。

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ルーバーフェンスを使った目隠し

目隠しフェンス

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。

目隠しフェンスとしておすすめなのが、ルーバーフェンスです。“ルーバー”とは、細長い板を一定の間隔で並べた部材を指します。目隠しフェンスとして使う場合、どのようなメリット・デメリットがあるでしょうか。

ルーバーフェンスのメリット

ルーバーフェンスは目隠しの役割を果たしながら、隙間から風や光を通します。敷地内の風通しがよくなることに加え、フェンスが風圧を受けにくいので比較的コンパクトな基礎の上に設置可能です。

デザイン性も高く、縦方向や横方向に伸びる美しいラインはスタイリッシュで、モダンな家によくマッチします。アルミ・樹脂・木といった様々な素材があり、和風から洋風まで幅広いコーディネートが可能です。ルーバーの数や幅、角度により視認性や通気性を選べるのもルーバーフェンスのメリットといえるでしょう。

多くのルーバーフェンスには、目隠し率・採光率・通風率・開口率などが設定されています。カタログで商品を選定する際はこうした項目をチェックしましょう。上手に選べば、プライバシー・開放感・風通しなどのポイントをバランスよくクリアできます。

【ルーバーフェンスのメリット】
・視認性をコントロールできる
・通気・明るさをコントロールできる
・立体感のあるデザイン

ルーバーフェンスのデメリット

ルーバーフェンスは隙間があるため、防音には向きません。例えば「エアコンの室外機を囲って運転音が聞こえないようにしたい」といった場合は、隙間がない防音タイプのフェンスのほうがおすすめです。なおエアコンの室外機は放熱スペースが必要となるため、フェンスで隠す場合は設置位置についてメーカーや専門家とよく相談しましょう。

またルーバーフェンスは複数の板をつなげているので、素材によっては掃除にやや手間がかかります。簡易なデザインのフェンスと比べると本体の価格も高額になることがあります。

【ルーバーフェンスのデメリット】
・防音効果はない
・掃除に手間がかかる
・高額になる場合がある

ルーバーはそのデザイン性の高さから、フェンスだけでなく天井や外装、カーポートなど、インテリア・エクステリアを問わず様々な用途で使われています。
関連記事⇒「カーポートとは? ガレージとの違いと値段、固定資産税についてもチェック!

次に、内装でルーバーデザインを取り入れたいときにおすすめの製品を紹介します。

ルーバーで空間に立体感・高級感を! DAIKEN『グラビオルーバーUB 直付式』

スタイリッシュなルーバーデザインを室内にも取り入れたいなら、DAIKENの『グラビオルーバーUB 直付式』がおすすめです。

室内空間に高級感を与えるルーバー状の不燃造作材を、天井や壁に間接照明と組み合わせて使うと、板の陰影が空間を立体的に見せ、おしゃれに演出できます。高級ホテルのようなワンランク上の内装を造りあげたい場合に、ぜひお役立てください。

おわりに

目隠しフェンスは、快適で安心できる暮らしを支える大切なアイテムです。閉鎖的な印象を与えず、それでいて通行人の視線が気になって住まいの居心地が悪くならないように、機能性とデザイン性のバランスが取れたフェンスを選びたいところです。

視認性や採光率を考えると、デザイン性の高いルーバーフェンスを選ぶのがよいかもしれません。外から中、中から外、それぞれの視点で見え方を確認し、自分の住まいにあったフェンスを選定しましょう。

  • しかまのりこ
  • 監修者

    志鎌のり子(しかまのりこ)
    一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。

    日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。

    保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など

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