
中古住宅購入でリノベーション 戸建てを中古で買ってフルリフォーム!
※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
「戸建てに住みたいけれど、立地や予算の問題で新築購入は難しい」「町家などレトロな古民家に憧れる」というとき、中古物件を購入してリノベーションをする方法があります。今回は、中古の戸建てをリノベーションするメリットやデメリットを解説するほか、具体的なリノベーション内容についてもご紹介します。
中古住宅購入×リノベーション! リフォームしやすい戸建てで叶える自分好みの家
近年、住宅価格の高騰や新築住宅の供給不足を背景に、中古の戸建てや中古マンションを購入してリノベーションするという選択肢が注目されています。
新築住宅を購入するよりも費用がかからず、自分好みにアレンジしておしゃれにしたり、レトロな雰囲気を活かしながらバリアフリーにして住みやすくしたりできる点が魅力です。
中でも、戸建てはマンションと異なり、管理規約や共用部分の制約がないため配管の位置変更や給排水管の更新など水回りのリフォームをしやすく、間取り変更も比較的自由に行えるメリットがあります。
コストを抑えながら、デザイン性や機能性を重視した住まいづくりが可能な、“中古×リノベ”の暮らしを選ぶ方が増えています。
リフォームとリノベーションの違いなどに興味がある方はこちらの記事もご覧ください。
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リノベーションで再生する住宅ストック 中古物件の活用方法とは

近年、国や自治体は、いいものを手入れしながら長く使う社会への移行を推し進めるため、住宅ストック(既存住宅)の活用に取り組んでいます。
リノベーションにより再生したレトロでおしゃれな物件は、店舗や施設としても幅広く活用されています。新築にはない独特の風合いが個性として高く評価されるレトロな物件の様々な活用方法をみてみましょう。
●持ち家
中古住宅を購入して自分好みにリノベーションすることで、新築よりもコストを抑えつつ理想の住まいを実現できます。間取り変更や断熱性能の向上など、快適性や機能性の改善も可能です。
建物の個性を活かしたデザインも魅力で、ライフスタイルに合った空間をつくれるのが大きなメリットです。
●賃貸住宅・シェアハウス
最近では空き家や築古(ちくふる)物件をリノベーションして、賃貸住宅やシェアハウスとして活用する事例が増えています。ターゲット層に合わせたデザインや設備を導入すれば、築年数が古くても競争力のある物件へと一新できる点がフルリノベの魅力です。
共用部の充実やテーマ性を持たせた空間づくりにより、若年層や単身者など特定のニーズにも応えられます。
さらに、借り主が自分好みの家にDIYしながら居住する“DIY型賃貸住宅”もあります。
●民泊施設・ホテル
インバウンド需要や観光の多様化により、リノベーションで民泊や小規模ホテルへの活用も注目されています。伝統的な建築の町家や古民家風の宿など地域の雰囲気を活かした内装やコンセプト設計により、宿泊体験に非日常性や独自性を持たせると付加価値が高まります。
●小規模オフィス
リモートワークやスタートアップ需要の高まりから、小規模オフィスとしてのリノベ活用も広がっています。住宅だった空間も、適切なリノベーションによりおしゃれで個性のあるワークスペースにできることが住宅ストック活用の利点です。
中古の家を買ってフルリノベーションするメリットとは

(※)写真はイメージです。弊社製品ではございません。
ここでは、中古の家を買ってフルリノベーションするメリットについて解説します。
●中古物件+フルリノベーションは新築より費用を抑えられる?
中古住宅は新築に比べて物件価格が安く、リノベーション費用を加えても全体のコストを抑えられるケースが多くみられます。新築では予算内で立地や広さの条件を満たせない場合でも、中古+リノベーションなら希望の条件を叶えられるかもしれません。
また、住宅ローンにリフォーム費用を組み込める商品もあるので、こうした金融商品を利用すれば資金計画を立てやすいでしょう。
●中古住宅のリノベーションにも国や自治体の補助金制度を利用
既存住宅の流通を促進するため、住宅ストックに対する様々な支援が国土交通省をはじめ各自治体によって行われており、リノベーションの際には補助金や減税制度を利用できる場合もあります。例えば省エネ改修や耐震補強に対して出る補助金で費用負担を軽減しながら断熱性や耐震性の高い住まいづくりが実現可能です。
自治体によっては独自の空き家対策を実施している場合もあります。お住まいの自治体に活用できる制度がないかを事前に確認し、上手に活用して、お得にリノベーションを進めましょう。
●空き家の利用で環境負荷を軽減 地域活性化にも貢献
中古住宅の活用は、建物を壊してから新築する“建て替え”に比べて資源やエネルギーの消費を抑えられ、環境への負荷も軽減できます。
さらに、長年放置されていた空き家の再生は景観維持や地域の安全にもつながり、地域全体の活性化にも貢献します。
中古住宅のリノベーションは、持続可能な社会づくりにも寄与するという視点からも注目されているのです。
●中古住宅のリノベーションが向上させる 家の資産価値
築年数の古い中古住宅でも、リノベーションによって性能やデザインを刷新すれば資産価値の向上が期待できます。特に断熱性や耐震性、最新の住宅設備を備えた住まいに改装することで、将来の売却時にも評価が高まりやすくなります。家の見た目だけでなく機能的にも向上するのがリノベーションなのです。
中古住宅を買ってリノベーション デメリット・問題点とは

中古住宅を買ってリノベーションする際にはどのようなデメリット・問題点があるのでしょうか。事前に把握して、失敗や後悔をできるだけ防ぎましょう。
●築古住宅ならでは? かかる費用や手間
建物内部の老朽化による修繕部分が多くなる築古住宅のリノベーションは、費用のかさむ場合があります。配管の更新や電気設備の交換、シロアリ対策や断熱対策のほか、内装などを解体して“スケルトン”にしたあとで基礎や柱に修繕が必要だとわかるときもあります。
そのため、中古住宅のリノベーション時には“インスペクション”とも呼ばれる建物調査を実施し、しっかりと状態を把握してから予算を組みましょう。このインスペクションは“既存住宅状況調査技術者”の資格を持つ一級建築士または二級建築士により行うことが可能です。
また、築古物件ならではの修繕への対策として、リノベーション後の検査で工事の欠陥が見つかった際に、発注者は無償で直せる“リフォーム瑕疵(かし)保険”なども国土交通省が支援しています。リフォーム瑕疵保険は良質な住宅ストックを流通させる取り組みとして、インスペクションと保証がセットになった保険でリフォーム事業者が加入します。
●築年数によって耐震補強が必要
1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物は、“旧耐震基準”に基づいて設計されています。物件の築年数によっては、現行の耐震性能を満たしていない建物が多いことは大きなデメリットの1つです。耐震診断を受け、必要に応じて耐力壁(耐震壁)を増やすなどの耐震補強をして耐震性能を高める必要があります。
建築基準法改正後の“新耐震基準”で建てられている場合でも、大きな地震などを経験していれば耐震性能が低下していることも考えられるため、インスペクションを受けておくと安心です。
耐力壁(耐震壁)や耐震リフォームについてはこちらの記事で解説しています。ぜひご覧ください。
関連記事⇒「住みながら耐力壁(耐震壁)が作れる“耐震リフォーム”! 省施工&省コストの耐震壁を設置」
中古物件のリノベーション リフォームしたい設備とは

中古物件で交換したい設備など、具体的なリノベーション内容を解説します。
●家族構成と生活のしやすさが関わる 間取りの計画
昔ながらの間取りは現在のライフスタイルに合わないケースも多く、間取りの見直しは重要なリノベーション項目です。そのため和室を洋室にしたり、LDKを広くしたり、2階にトイレを増設したりするなど、柔軟な変更がおすすめです。
関連記事⇒「畳からフローリングにリフォームする? 知っておきたい畳のメリット・デメリットと湿気・防音・断熱、3つのポイント」
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関連記事⇒「和室をおしゃれな旅館風にリフォームしたい! 旅館から学ぶ、和室を活かす上級和モダン」
●水回りのリフォームは生活に直結
キッチン・浴室・トイレ・洗面所といった水回り設備は、古さや使い勝手の悪さが生活の質に直結します。カビの発生や設備の劣化も見えにくく、設備のトラブルが起きた際には壁や床を剥がして修理する場合もあります。
毎日使う場所だからこそ、リノベーションのタイミングでレイアウトの見直しや最新設備への交換を検討しましょう。
関連記事⇒「水回りとはどこのこと? 水回りリフォームのタイミングや注意点 おしゃれな床材も!」
関連記事⇒「洗面台をおしゃれにリフォーム! 素材の種類や特徴、洗面化粧台との違い」
関連記事⇒「2階にトイレを増設できる? こだわりのおしゃれなトイレにリフォーム」
また、必要に応じて間仕切りを設置することで、家族構成や暮らし方にぴったりの使いやすい空間を実現できます。では次に、間仕切りに使えるアイテムもご紹介します。
中古住宅のリノベーションで間取りの工夫を 『ieria(イエリア) 間仕切戸 ラインフレーム』

空間をゆるやかに仕切る間取りでインナーテラスのある暮らしはいかがでしょうか。
『ieria(イエリア) 間仕切戸 ラインフレーム』は、スリムなフレームにシックな黒が映えるスタイリッシュな間仕切戸です。集合住宅で窓を取り替えられない場合でもスタイリッシュにテラスを演出できます。

『イエリア 間仕切戸 ラインフレーム』は、リビングとワークスペース、ダイニングとキッチンなど、住まい方に合わせた柔軟な間取り変更に適しています。リノベーションでの間取り変更やゾーニングにぴったりのアイテムなので、ぜひ取り入れてみてください。

まとめ
「希望のエリアで新築は難しい」と思っていたおしゃれなマイホームも、中古物件購入×リノベーションでなら実現できるかもしれません。
中古住宅のリノベーションでは、設備の刷新や間取りの変更によって、住まいの快適性やデザイン性を大きく向上させられます。自分らしい住まいづくりの選択肢として、中古物件のリノベーションを検討してはいかがでしょうか。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など