
2階にトイレを増設できる? こだわりのおしゃれなトイレにリフォーム
※掲載している画像は、記事の内容をわかりやすくするイメージであり、実在する製品や実現するものとは異なる場合があります。
目次
近年の2階建て住宅では各階にトイレを設ける間取りが増えていますが、1階にのみ設置されているお住まいも少なくありません。こうした背景から、リフォームのタイミングで2階トイレの増設を検討するケースもあるようです。
今回は、2階にトイレを増設するメリットと、トイレ増設に必要な工事や注意点を解説します。さらに、気持ちが高まるような空間にするアイデアや、おしゃれなトイレづくりの助けとなるDAIKEN製品をご紹介します。
1階にしかトイレがなくて不便と感じたら2階にトイレ増設は可能?

毎日使う場所だからこそ、トイレの位置や使い勝手は生活の質に大きく関わるものです。
水回りの設備がない2階にトイレを増設する場合、給排水や換気などの設備工事が必要になるため、1階に設置するよりも費用が高くなることもあります。このような設備工事が必要でも2階にトイレを設けるということは、コストがかかってもリフォームを検討するだけのメリットがあると考えられます。
2階にトイレを増設するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
2階トイレ増設リフォームのメリットとは
2階にトイレを増設するメリットは多くあります。そのうちのいくつかをみていきましょう。
●家族間で起きがちなトイレの順番待ちを緩和できる
トイレが1階にしかない場合、家族の人数や家族構成によっては日常的に朝のトイレラッシュが起こり、不満が高まる可能性もあります。特に小さなお子様は大人と比べて排泄に関する機能が発達していないため、急いでトイレに駆け込む場面も多いでしょう。
2階にもトイレがあれば、家族がトイレを使うタイミングを分散できます。将来的に2世帯など家族が増えても快適な暮らしを保ちやすくなります。
●階下への移動が減らせる
夜中や早朝に階段を上り下りしてトイレと寝室を往復するのは、寒さが厳しい季節や高齢者にとって特に大きな負担となり、転倒など思わぬ事故につながるおそれがあります。
2階にトイレがあればすぐにアクセスでき、寒さや段差の不安を軽減できるでしょう。
●状況に応じたトイレの使い分けができる
トイレが2か所あると、用途や使う人に応じて使い分けが可能です。
例えば、思春期のお子様に配慮したり、トイレでゆっくり過ごしたい方が落ち着いて入れるようにしたり、それぞれの家庭に合った使い方ができるでしょう。リビングや客間から遠い場所に設置すれば、来客時であっても、ほかの家族が気兼ねなくトイレを使えます。
また、来客が多いご家庭なら、1階のトイレはお客様の使用を想定してつくり、2階のトイレは家族の好みに合わせて凝った内装にするなど、目的に応じたトイレをつくれるのもメリットの1つです。
●資産価値が高まる可能性も
複数のトイレがある住宅は、利便性の高さから、中古住宅市場で評価が高くなるケースもあります。リフォームで2階にトイレを増設すれば、現在の生活がしやすくなるだけでなく、将来的に家を売却する際の高評価につながるかもしれません。
(※)評価額は立地や建物の状態など様々な要素が関係しますので詳細は専門家にご確認ください。
2階のトイレ増設に必要な工事とは
2階にトイレを増設する際に、どのような工事が必要になるのでしょうか。工事が可能かどうかは建物のつくりや状態にもよるので、事前に施工会社などに確認しましょう。
●配管工事
2階にトイレを増設する際に必須なのが給水管や排水管を1階から引き上げて延ばす配管工事です。建物の構造や既設の配管ルートによって、工事の難しさや費用が異なります。
また、汚水は排水管に勾配を付けて重力で流しますが、勾配による排水ができないケースでは、排水圧送ポンプを設置することもあります。
●電気・換気設備工事
トイレを増設する際に必要な工事として、電気工事や換気設備の工事があります。
照明や温水洗浄便座などを新たに設置するための配線やコンセント増設工事のほか、ダクトを伸ばして既設の24時間換気システムに接続したり、換気扇を設置したりと、建物の状況によって対応が異なります。
●内装・建具の工事で清潔感とデザイン性を高める
トイレを快適な空間に仕上げるには、クロスなど内装や建具(たてぐ)の工事も外せないポイントです。床・壁・天井の仕上げ材、照明器具やトイレ収納をコーディネートし、清潔感とデザイン性が両立された空間づくりを心がけましょう。
また、安全性や快適性に配慮した工夫も必要です。例えば、指挟み防止配慮がされたドアや、扉が閉まる衝突音を防ぐ静かなドア、バリアフリー仕様の引き戸や折戸など、用途やデザインに合わせて選ぶと使い勝手が良くなります。
●床下補強・防水処理
水回り特有の対策として、重量に耐えるための床下補強や水漏れ対策があります。床下地の構造を強固にしたり、防水シートなどで防水処理を行ったりして階下への浸水リスクを抑えることが求められます。
2階トイレ増設の注意点
2階トイレの増設には多くのメリットがありますが、設置にあたってはいくつか注意点もあります。特に、築年数が長い住宅は事前の調査や構造確認が重要です。
●1階より水圧が弱い場合がある
古い建物の給水設備によっては2階の水圧が不足し、洗浄に影響が出るかもしれません。最近は低水圧に対応した製品もあるので、事前に施工会社へ確認し、適切な対策を検討しましょう。
●場合によっては防音対策を
2階のトイレは排水音などの使用音が1階や近くの部屋に響くことも考えられます。リビングや寝室に近い場所の2階に設置する際は注意が必要です。
音の反響や排水音の軽減には、床・壁・天井に防音建材を採用したり、排水管に防音部材を施工したりするとよいでしょう。生活空間への音の影響を抑え、プライバシーにも配慮された快適な住環境を実現しやすくなります。
●家の構造によっては工事できない
建物の構造によっては、配管スペースが確保できなかったり、荷重に耐えられなかったりする場合があります。古い住宅や、梁の位置が特殊なケースでは施工が難しいこともあるため注意が必要です。事前に建築士やリフォーム業者に構造の確認を依頼し、増設が可能か慎重に判断しましょう。
●パイプスペースが外配管になる場合もある
室内に十分なパイプスペースが確保できない場合、排水管や給水管を外壁に沿って通す外配管となることがあります。外配管は外観の美観に影響するほか、寒冷地では凍結のリスクもあります。
見た目やメンテナンス性を重視するなら、化粧カバーの設置や断熱対策が必要かもしれません。外配管になる可能性があるなら、事前に配管位置や費用を確認しておきましょう。
関連記事⇒「梅雨の湿気対策! 部屋の結露を防ぎ、夏本番前にエアコンのカビ対策を!」
2階トイレをおしゃれ・快適にするアイデア
2階にトイレがあると、日々の暮らしがより快適になります。トイレをおしゃれで心地良い場所に整えるためのアイデアと、素敵なトイレづくりに役立つDAIKEN製品をご紹介します。
●手洗い器を別付けにする
多くの住宅ではトイレと手洗い器が一体型になっていますが、スペースに余裕があれば別付けの洗面台を設置すると、より使いやすさが向上します。
省スペース型のコンパクトな洗面ボウルもあり、トイレのデザインに調和した機能的で美しい空間が実現できます。
関連記事⇒「洗面台をおしゃれにリフォーム! 素材の種類や特徴、洗面化粧台との違い」
●ペンダント照明を設置する
照明を工夫するだけで、トイレの印象はぐっと変わります。照明器具のデザインや色に注目して、モダンやナチュラルなど様々なスタイルを楽しんでみましょう。
ペンダント照明を取り入れるだけでもおしゃれになり、空間にアクセントが生まれます。なお、トイレに必要な明るさは75ルクス以上と推奨されています。暗くなり過ぎないようにすることも大切です。
2階トイレを使いやすく快適に DAIKENの建材を使ったアイデア
●『ieria(イエリア) 折戸ドア』で省スペースに

2階にトイレを増設する場合、十分なスペースを確保できないかもしれません。狭い場所でスムーズに開閉でき、さらにデザイン性が高い『ieria(イエリア) 折戸ドア』が便利です。『イエリア 折戸ドア』は、扉を開けた際の飛び出しやデッドスペースが少なく、つきあたりのトイレにも適しています。
8種類の色柄バリエーションから選べる扉に、「塗装タイプ」「サテンタイプ」「鏡面タイプ」と豊富なデザインのオプションレバーハンドルをアクセントとして加え、インテリアのトータルコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。
●2階トイレからの気になる排水音の軽減には排水管の遮音がおすすめ

(※)現場における実排水音による自社測定値。現場では構造や様々な条件で性能は異なります。
2階にトイレを増設する際、気になるのが階下など周囲への排水音です。リフォーム時にDAIKENの「排水管遮音シート 450N」の施工を検討してはいかがでしょうか。
「排水管遮音シート 450N」は、塩ビ管やエルボ(継ぎ手)に巻付ける配管用防音部材で、お風呂場や2階トイレからの排水音を軽減します。
(※)本製品を床下地としてご使用されても軽量・重量床衝撃音を改善する効果はありません。
(※)施工された部屋は、気密性が高くなりますので法令に定められた換気量を満足する換気扇を必ず設置してください。
2階トイレをおしゃれに DAIKENの建材を使ったアイデア

壁材にこだわるのも、日常的に使うトイレのリフォームにおすすめしたいアイデアです。
2階トイレはプライベートでコンパクトな空間だからこそ、様々なデザインにチャレンジしやすい場所といえるかもしれません。
●アクセントになる『グラビオエッジ』でホテルライクに
質感あるリアルな柄デザインをラインアップする『グラビオエッジ』は、アクセントウォールとして壁の1面にだけ取り入れてもインテリアに格調と品格を生み出します。深彫り調エンボス加工が施された陰影と豊かな表現力で、ホテルライクなトイレが完成するでしょう。
軽量で施工しやすい不燃壁材なので、2階のトイレにもぴったりです。
まとめ
2階にトイレを増設すれば、暮らしの利便性が高まり、家族が快適に過ごせます。建物の状態や間取り、配管や電気工事など、施工面での注意点を考慮して計画を進めることが大切です。
設備や内装にこだわると、限られた空間でもおしゃれで快適なトイレが実現します。毎日使う場所だからこそ、2階のトイレも気持ちが高まるような空間に仕上げてみてはいかがでしょうか。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など