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目次
マイホームの建築を注文住宅で計画する場合、初期の段階で大きなハードルとなるのが土地探しです。住みたい街や住みたい環境のイメージがあっても、その理想に合う土地を見つけることは容易ではありませんし、「土地探しをどこに相談すればよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、土地探しの相談先や探し方のコツなどを解説します。
土地探しの方法・相談先
マイホームを注文住宅で建てる際は、土地を探して購入する必要があります。住環境や立地の利便性は住み始めてからの満足度に影響を与えるため、土地探しは理想の家づくりを目指すうえでの重要なポイントといえるでしょう。どのような方法や相談先があるのか、ご紹介します。
インターネットで探す
手軽に始められる土地探しの方法です。不動産ポータルサイトやアプリなどを活用すれば、ちょっとした隙間時間を活用して探せます。住みやすさや街の様子がわかりやすくまとまっている情報サイトなどもあり、手間をかけずに様々な情報を集められる方法といえるでしょう。
ハウスメーカーや工務店に依頼する
ハウスメーカーや工務店は、土地探しからサポートしてくれることもあります。これらの業者は建物にかかる費用を把握しているので予算計画を立てやすいだけでなく、家づくりに関する知見があることも住宅用の土地探しを依頼する際の大きなメリットです。
一般的に、仲介業者を通して土地を購入する際には仲介手数料がかかりますが、仲介手数料が発生しないハウスメーカー所有の土地もあります。こういった土地は、指定されたハウスメーカーで家を建てるなどの条件が付いた“建築条件付き土地”であるケースが多くあります。
不動産会社に相談する
古くから地域密着で営業している不動産会社は、地元と強くつながるネットワークを持っていて、その地域の情報に精通していることも少なくありません。
また、国土交通省の指定を受けた不動産流通機構が運営している不動産流通標準情報システムには、インターネットで一般公開されていない情報が数多く登録されています。このネットワークの会員である不動産会社であれば、より多くの情報を得られる可能性もあります。
自分の足で探す
候補地を自分で回るのも1つの方法です。実際に足を運んでその地域の雰囲気を肌で感じるのも判断材料になるでしょう。インターネットや不動産会社の情報だけでは得られないリアルな体験が、最終的な土地決定の後押しとなるかもしれません。

土地探しとは? 土地探しの流れや適切なタイミング

いざ「土地探しを始めよう」となった際には、何から手を付ければよいのでしょうか。
土地探しの一般的な流れ
1. 住みたい街の候補をあげる
街の雰囲気や立地、学区や通勤・通学のしやすさなどを条件に、大まかなエリアを決めます。この段階では少しでも気になる街を幅広くリストアップするのがおすすめです。
2. 調査
候補にあげたエリアの情報を集め、最寄り駅やバス停へのアクセス、住みやすさや周辺施設などの調査をします。また、土地には、それぞれ建築可能な用途を設定した“用途地域”、敷地に対する建物の面積の割合を規定した“建ぺい率”、建てられる延べ床面積の上限を規定した“容積率”などのルールがあります。インフラの整備状況や土地の用途地域、建ぺい率、容積率などの敷地条件についても調べ、良い面・悪い面それぞれを理解し、計画を進めましょう。
3. 予算計画
建築費用や諸経費なども含め、家を建てるために必要な費用をトータルで考えながら予算計画を立てます。土地にコストをかけすぎて予算がオーバーしないよう、ハウスメーカーや不動産会社にできるだけ早い段階から相談して、精度の高い予算計画を立てましょう。
4. 見つからなければエリアを広げて探す
理想的な土地が見つからない場合は、住みたいエリアの周辺地域まで範囲を広げたり、類似条件に合う地域を追加したりして検討します。家族のライフスタイルを再度見直し、条件の優先事項を明確にして候補を絞っていきましょう。
5. 契約
条件に合う土地が見つかったら売主と契約します。しかし、土地購入のみでは住宅ローンを利用できないといった制約が多くの金融機関であるうえに、手付金が必要な場面も多く、注意が必要です。まとまった資金を確保するのが難しい場合は住宅が完成するまでの資金を補う“つなぎ融資”も検討しましょう。一般的に、つなぎ融資は住宅ローンと比べて金利が高い傾向にありますが、住宅購入時に住宅ローンで返済するため比較的短期間の借入期間となるケースが多いです。
土地探しのタイミング
土地の契約は先に申し込んだ人が基本的に優先されるため、土地探しは早めに始めましょう。土地代と建築費のバランスを考えるという意味でも、土地探しと並行して建築会社を決めるのが理想的です。建築会社を先に決めると、土地探しをサポートしてもらえることもあります。
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土地探しのコツや未公開土地の探し方
希望する条件をすべて満たす土地を見つけるのは難しいものです。希望条件を洗い出し、条件に照らし合わせながら、ポイントを押さえた土地探しをしましょう。スムーズな土地探しには次のようなコツがあります。
・重視したい希望条件を明確にする
・候補地を下見して情報を直接集める
・未公開の土地も探す

まずは希望条件を整理し、優先順位を明確にします。取捨選択をしているうちに優先すべき条件が漏れてしまわないよう注意が必要です。
その後は何度か現地に足を運んで、日当たりの具合、風向き、騒音、水はけ、治安、土地の高低差といったリアルな情報を集めましょう。
現地には“売地”や“空き地”といった看板のみで売り出されている土地のほか、まだ看板もない“未公開土地”もあります。
インターネットや不動産情報ネットワークに公開されていない未公開土地の情報は、地域に根差したハウスメーカーや不動産会社が保有していることも多いため、街の雰囲気が気に入ったら地元のハウスメーカーや不動産会社を訪ねてみるのもおすすめです。
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自然災害のリスクも考慮する
土地探しをするときは、自然災害のリスクもしっかりと考える必要があります。安心・安全な暮らしを送るためには、国や自治体が公開している災害リスクや地盤情報を把握しておくことが大切です。
気になる街や土地があったら、自治体のホームページで公開されている水害や土砂災害、地震、津波などのハザードマップを活用しましょう。さらに、避難場所や避難経路を確認します。土地探しの段階でここまで調査し、非常時の想定をしておくと理想的です。
ハウスメーカーの力を借りて行う土地探しには、心配な点に対する解決案やアドバイスを土地探しの段階から専門家の視点で受けられるという安心感があります。
火災に強い耐震パネル DAIKEN『ダイライトMS』『ダイライトMU』

地震に見舞われることが多い日本では、被害が広がる二次災害の火災についても十分に考えておきたいものです。
そこで、地震に強い住宅づくりにおすすめなのがDAIKENの外壁耐力下地材『ダイライトMS』と、耐力クロス下地材『ダイライトMU』です。『ダイライトMS』は透湿性にすぐれ、シロアリや腐食に配慮した外壁下地材です。『ダイライトMU』と併用することで高い耐震性を実現します。さらに、地震時の被害を増大させる火災についても考慮された準不燃材料で、丈夫で長持ちする住まいづくりをサポートします。
おわりに
家づくりにおいて重要となる土地探しは、自分の理想を掘り下げるところから始まります。思い描いた家に適した理想の土地を自らの力のみで見つけるのは簡単ではありません。ハウスメーカーなどの力を借りながら、ライフスタイルに適した満足のいく土地を探しましょう。
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監修者
志鎌のり子(しかまのりこ)
一般社団法人日本模様替え協会 理事/COLLINO一級建築士事務所代表。日本女子大学住居学科卒業、五洋建設でマンション・ビルの設計監理/内装デザインを10年担当。その後、日本ERIにて住宅検査など10年担当、設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/仕組みづくりなどを提案。書籍「家具配置のルール」のほかSUUMO、AERAwithKids、建築知識ビルダーズ、住まいの設計など著書多数。
保有資格:模様替えアドバイザー 一級建築士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建物耐震診断士 フラット35適合証明検査員 など
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