病院・クリニックの待ち時間問題 患者様の待たされるストレスを低減させるために

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病院・クリニックに通っている人同士の会話で、必ずといっていいほど話題になるのが「待ち時間」の問題です。患者様としては当然評判の良い病院に行きたいと思うものですが、人気があればあるほど待ち時間は長くなる傾向にあります。口コミで評判が高まるのは良いことですが、待ち時間のストレスによって評判を落としてしまっては逆効果になりかねません。

待ち時間を短くしていく工夫はもちろん必要ですが、どうしても発生してしまう待ち時間で患者様のストレスを軽減するにはどのような方法があるのでしょうか。

外来患者の不満トップは「待ち時間」

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株式会社メディネットが平成24年11月から平成25年4月の間に、外来患者4861名に対して行った調査『外来患者「待ち時間」の意識』によると、「外来患者の不満トップ10」の1位は「診察待ち時間」(22.2%)でした。5人に1人は待ち時間に不満を感じていることになります。

また、どれくらい待たされればストレスになるのかに関しての調査では「50~60分」が18.6%と最も多く、「20~30分」、「30~40分」、「1時間~1時間半」がそれぞれ15%を超えており、だいたい30分から40分が限界であることが分かります。

また診察の待ち時間だけではなく、診察が終わった後、会計を待つ時間もストレスになっています。先ほどのメディネットの調査では平均して18%の人が会計の待ち時間に不満を持っていました。

出典:メディネット「外来患者「待ち時間」の意識」

患者様にとっては、診察が終われば病院での用件は終わりです。会計の待ち時間は早ければ早いほど良いわけで、待ち時間の許容度は診察待ちの時間よりも厳しくなります。

待ち時間を短くする対策とは

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待合室の広さには限界があっても、待ち時間を短くするための工夫には限界はありません。待ち時間を短縮するための取り組みを整理してみましょう。

まずは患者数と待ち時間を数値化して分析してみましょう。受付の時間と会計の時間を記録しておき、統計をとります。曜日別、時間別、患者様の職業なども要因に加え分析を行います。

まずできることは、診察時間の変更です。病院は地域と共にありますので地域の患者様の事情に合わせた柔軟な診察時間の変更は、待ち時間の短縮に効果的です。

例えば、勤めに出る人が多い地域の場合は、会社が終わった後にも来院できるよう診察終了時間を延ばすなどすれば、土曜日の午前中に集中する患者様を分散させられます。

待ち時間の短縮に寄与するITシステムの導入もぜひ検討すべき案件です。最近では予約システムが普及し、スマートフォンからでも予約をすることが出来、患者様自身で待ち時間や順番を知ることが出来るので、呼ばれるまで待合室で過ごさなくてもよくなってきています。

また、問診をタブレットで行うのも効果的です。紙に書くより早く、電子カルテと連動すれば医師と情報共有がすぐにできますし、体温や、ワクチンの接種履歴など同じことを何度も確認せずに済みます。

体感的な時間を短くすることも有効

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待合室の外観や空間の印象によっても待合時間の感じ方は違ってきます。いかにリラックスできる快適な空間を作るかというのが非常に重要になってきます。

まずは、いすやソファなどです。患者様の年齢層に合わせた家具調度品を考えて効果的に配置することが重要です。お子様や、お年寄りが多く集まる所でもある病院にはぶつかったり転倒したりした場合に少しでも衝撃を和らげる工夫も重要になります。

待っている間に患者様の目線をどこに誘導するかというのもポイントです。待ち順番の表示パネルが見やすい位置にあるというのはもちろん、落ち着いた雰囲気の絵画や生け花、熱帯魚の水槽などが視界に入る設計もよいでしょう。

病院ですので、掃除がしやすく、明るく清潔で、においも防げる仕様にすることは必須条件ですし、明るすぎず暗すぎないリラックスできる空間づくりが大切です。消毒液での清掃に耐えるメンテナンス性の高さや、肉眼で清潔であることが一目でわかる色や質感をもった建材を用いることも重要な要件になるでしょう。

病院・クリニックには必ずつきまとう待ち時間問題。この対策によって患者様の病院・クリニックへの印象は大きく変わります。大切な患者様のストレス低減のためにも、ぜひ真剣に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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