宿泊施設におけるリラックスできる壁色の選び方 色によって変わる心理効果とは

リラックス 色

宿泊施設を利用する際、人は何を求めるでしょうか。旅という非日常の時間を過ごすときめき、あるいは仕事のストレスや日頃の不満からの解放かもしれません。利用者を受け入れて包み込む客室の内装デザインや配色は、ホテルのイメージを大きく左右します。この空間が快適であることは、リピート利用につながる大きな要素であるといえるでしょう。この記事では、利用者にくつろぎを与える配色を紹介しつつ、デザイン性・機能性も優れた内装材について考えます。

居心地の良い宿泊施設とは

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宿泊客が宿泊施設に対して求めるものといえば、まずは接客の質と居心地の良さでしょう。
宿泊客個々の要望を満たすのは、人同士だからこそなせるわざです。対面でのサービスだけでなく清潔感も大事であり、客室の隅々まで清掃が行き届いていることは、おもてなしのひとつともいえます。

ホテルに備え付けられた設備と客室の設備が充実していることも、宿泊客の満足度を高めるうえで重要です。ロビーでメールチェックをしたり、部屋でコーヒーを飲みながら音楽を聴いてくつろいだりと、ホテル内で過ごす時間の快適さが求められます。

なかでも宿泊客が最も長い時間を過ごす客室の内装デザインと配色は、居心地に大きく影響します。私たちは絶えず五感を駆使していますが、人間の情報収集は視覚によるものが特に大きいとされています。視覚情報として得られる配色や質感が人間の気分を大きく左右することは、色彩心理学の分野でも立証されています。目にする印刷物や映像、空間の配色によって気分が高揚したり、沈静化したりする心理効果は、多くの人が経験しているのではないでしょうか。

リラックスした気分で滞在してもらえる配色は?

リラックス 色

では、客室の内装にはどのような配色が適しているのか考えてみましょう。
宿泊施設に求められることとしては、まず旅の緊張を適度にほぐすリラクゼーションが挙げられます。視覚に強い刺激を与えない中間色で、自然の中にある落ち着く色を選ぶと良いでしょう。

落ち着きと安心感を与えるには深みと重厚さを演出することのできる「ブラウン系」がおすすめです。
また、穏やかなくつろぎを与えるには「ベージュ」系などを用いて、全体的に明るく軽やかなモノトーンの配色でコントラストを低く抑えると効果的です。

ブラウン系やベージュ系の空間にする場合、木質の家具や壁材、建具などに木目調の内装建材を使うと、温かみがありリラックスできる空間になります。床、壁、天井、家具といった建築要素に加えて、カーテンや寝具などのファブリックもブラウン系やベージュ系でそろえると、よりくつろげる空間になるでしょう。

また、それらのインテリア素材をさらに引き立てる照明計画も重要です。照明器具や光源が直接目に入らないよう、壁や天井に反射させて照らす間接照明を採用すれば、落ち着きのあるやわらかな光を作ることができます。

照明を考える時は色温度も空間のイメージに合わせて選びましょう。照明の色には大きく分けて3種類、「昼白色(5000K)」「温白色(3500K)」「電球色(2700K)」があります。“K”はケルビンという色温度を表す単位です。数値が大きいほど青味がかった涼しげでシャープな印象を、数値が小さくなるにつれて赤みがかった温かい印象を与えます。リラックス重視なら電球色、少し明るさがほしい場所には温白色、洗面所やワークスペースなどには昼白色がおすすめです。

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宿泊施設では安全性も重要です。建築基準法施行令には、ホテルの居室の床から1.2m以上の壁と天井を「難燃」以上の性能を持つ防火材料で仕上げなければならない、という規定があります。防火性能とデザイン性の高さを併せ持つ内装壁材であれば、ホテル客室の壁材として申し分ありません。

素材感やデザイン性のある壁材でラグジュアリースペースを演出

リラックス 色

壁材は色だけでなく、質感も重要です。平滑な面には清潔感がありますが、大きな面は緊張を与えることがあるため、リラックスできる客室空間としてはいささか不向きかもしれません。

壁材には例えば石目調、木目調など素材の質感を表現したものや、織物調、漆喰調、吹付調などのエンボス加工を施したタイプがありますので、インテリアに合わせて選ぶとよいでしょう。落ち着いた配色の中にもデザイン性の高い壁材を使うことで、ラグジュアリーな空間を演出することができます。

素材感やデザイン性のある壁材を使用すると、光の当たり方によって独特の陰影が生まれます。先に挙げた間接照明と組み合わせれば、微妙な陰影が心地よい安らぎを生み出し、リラックスできる空間が出来上がることでしょう。
建材の中には、不燃壁材でかつエンボス加工も施された意匠性の高い製品がありますので、それらを活用して宿泊客に気に入ってもらえる居心地の良い空間作りを目指してみてはいかがでしょうか。

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