産婦人科における病院・クリニックと助産院の違い  各施設に望まれる内装イメージとは?

病院 クリニック

「産婦人科」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
男性の方は、「入ったこともないし、想像もつかない」という方も多いと思います。一口で産婦人科と言っても、病院の規模や施設によって行う医療行為や設備にも違いがあります。
最近はおしゃれできれいな病院も増えてきましたが、反面、産婦人科はデリケートな診療科のため、受診するのに抵抗感があり苦手と感じる方も少なくありません。
本記事では、産婦人科の各施設の特徴と、安心できる環境づくりについてご紹介します。

産婦人科とは

産婦人科では、女性特有の疾患を治療したり、妊娠・出産・産後のケア、新生児のお世話などを行っています。

●施設の特徴

外来には赤ちゃんの成長を診るためのエコー室や、子宮の状態を確認するための内診室があります。
病棟にはお産の経過を見るための陣痛室や分娩室、LDR(陣痛、分娩、回復を一つの部屋で行える)、赤ちゃんをお風呂に入れるための沐浴室や授乳室があります。

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●出産を扱う施設

出産を扱う施設には、大きく分けて次の3つがあります。

・総合病院(大学病院)

総合病院は入院ベッド数が100床以上あり、産婦人科以外にも内科や小児科など複数の診療科が揃っています。医師やスタッフの数が多く設備も整っているため、緊急時にも適切な処置を受けることができます。
母体にリスクがあり出産の際に医療介入が必要な場合や、他の診療科と連携して管理が必要な場合、そして生まれてくる赤ちゃんにすぐに治療が必要な場合などは総合病院での出産となります。
医療最優先となるため、機能性・安全性重視の設備・内装となっています。

・産科、産婦人科専門病院(医院・クリニック)

産婦人科に特化した医療機関です。ベッド数が 20 床以上あるものを病院、19 床以下が医院(クリニック)と分類されます。産科の専門医師や助産師、看護師が出産のサポートをします。病院では小児科が併設されているところもあります。
妊娠経過が良好で、合併症などのリスクがなければこちらで出産が可能です。
内装については、妊婦の方が落ち着けるようなアットホームな雰囲気だったり、ホテルのように豪華でおしゃれだったりと、施設によりさまざまです。

・助産院

助産師の有資格者が、10床未満のベッド数で入院・分娩の施設を開業している施設です。産婦人科医は常駐しておらず、提携というかたちをとっています。
妊娠経過に問題がなく、正常な出産ができると判断された方が利用できます。
病院の中に「院内助産院」として併設されているところもあります。
医療行為は行わず、より自然な出産を望む方に選ばれる傾向があります。
そのため、アットホームな雰囲気で、実家にいるような安心感を与える内装が採用されるケースが多いといえます。畳の部屋で家族に囲まれて出産したり、自分の好きな体勢で産むフリースタイル分娩などが行える場合もあります。

産婦人科に求められる内装とは

●リラックスできる空間づくり

産婦人科を受診する患者様や、出産控えた産婦の方は、不安や緊張を抱えて来院します。
緊張すると痛みを強く感じることがあります。体力を余計に消耗したり、体に力が入ることによってお産が長引くこともあります。
産婦さんがリラックスできるよう、木を使った自然でぬくもりのある雰囲気や、暖色系の壁紙を使用したアットホームで優しい空間を演出してみてはいかがでしょうか。

落ち着ける医療施設づくりに関しては、下記の記事でもまとめていますのでチェックしてみてください。
⇒「リラックスできる色はどんな色? 緊張しがちな病院を心が落ち着ける空間に

●プライバシーが保てる

産婦人科は女性のデリケートな面に関わることから、プライバシーへの配慮が特に重要です。診察室や内診室での会話が周囲に漏れないようにする必要があります。
また、近年、無痛分娩を行う施設も増えてきていますが、出産時に痛みで声が出てしまうこともあります。産婦さんが音漏れを気にせず、出産に集中できる環境づくりを行うことを意識しましょう。

●安全であること

妊婦の方はお腹が大きくなってくるとバランスを崩しやすくなり、足元も見えにくくなるので、転倒のリスクが高まります。また、出産を終えた後は赤ちゃんを抱っこして移動することが多く、両手がふさがった状態なので不安定です。開閉しやすいドアや、転倒の原因になる水濡れや汚れをサッと拭き取れる床材を導入しておくと安心です。

●清潔な環境

分娩室は出産が終われば家族と過ごす部屋となります。汚れがすぐに拭き取れて、においも取り除ければ、快適にゆったりと休養することができます。
また、産まれたばかりの赤ちゃんは抵抗力が弱いので、感染を防ぐためにも部屋を清潔に保つ必要があります。

産婦さんも家族も快適に過ごせる病院を

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日本は少子化が進んでいます。一人の女性が生涯で産む子どもの数は減り、同時に出産の機会も減っています。
そのため、1つ1つの出産を心に残る、特別なものにしたいと考える女性が増えています。妊産婦の方のニーズをしっかり把握し、「ここで産みたい!」と思えるような病院づくりを目指しましょう。

産婦人科は医療の場でもあり、家族が集う団らんの場でもあります。
家族が新しい命を迎えて、安心して快適に過ごせるような空間にしていきたいですね。

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