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木材特有のフィトンチッドがもたらすリラックス効果! 商業施設に木材が適している理由

現在、国の方針で木材利用を促す取り組みが進められています。不特定多数の人が利用する 商業施設こそ、木材を使用すべき理由があるのをご存じですか?
そのひとつとして挙げられるのが「フィトンチッド」によるリラックス効果です。今回は「フィトンチッド」の概要を解説し、商業施設に木材を使うメリットをご紹介します。

フィトンチッドとは?

フィトンチッド

●フィトンチッドは森林を爽やかに感じさせる木の力

「フィトンチッド」という言葉はあまり聞き慣れませんが、「フィトン」は“植物”、「チッド」とは“殺す”という意味で、植物から発散される殺菌・防腐作用のある物質を指します。森林浴の際などに爽快感や癒しを感じるのは、この「フィトンチッド」に含まれるテルペンという成分の効果だとされています。

●フィトンチッドの浄化作用に注目

フィトンチッドは植物が外敵から自らの身を守るために作り出す物質で、殺菌・防腐効果の他に消臭効果や脱臭効果も併せ持ち、空気そのものを浄化する力があるといわれています。森林の中にいると土などから発生する臭気が消え、爽やかな空気を感じてリラックスできるのも、まさにフィトンチッドのおかげという訳です。しかもフィトンチッドは樹木が伐採されて、木材になっても効果が持続するといわれています。

商業施設への木材利用が活性化

フィトンチッド

●木材が商業施設に積極利用されなかった理由

「防火性能」や「メンテナンス性」などがあります。防火性能については木材が燃える素材なので、そのままでは商業施設に利用できませんでした。メンテナンス性についても木材は経年劣化や風化しやすく、使い勝手の良い素材ではありませんでした。しかしながら最近の「建築材料としての木材」は、技術の進歩によって十分な防火性能を持ち、メンテナンス性の高いものも増えています。

●木材の積極的な活用を促す法律が成立

こうした木材の技術的な進歩に加え、国の方針でもさらなる木材の積極的な活用を促すようになりました。2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が成立し、まずは公共建築で積極的に木材を活用させ、それまで木造化率が低かった公共施設での活用が一気に高まりました。公共施設が多くの木材を利用することで、建築材料としての木材が急速に進化し、公共建築以外でも木材の利用が活性化しはじめています。

●商業施設も木造化や木質化の流れへ

木材を使った建築材料の進化はこれまで木材の利用に積極的ではなかった民間施設の木材利用を加速させました。中でも公共施設と同じく不特定多数の人が集まる商業施設での木材利用が顕著で、フィトンチッド効果だけでなく木材利用によって他の商業施設との差別化を図ったオリジナリティの高い商業施設が各地で誕生しています。

商業施設に木材を取り入れるメリット

フィトンチッド

●心理面・身体面に効果あり

リラックスや癒しの効果があるフィトンチッド。それに加えて木材の視覚的要素でもメリットを感じられる、という報告があります。
公益財団法人 日本住宅・木材技術センター発行の「内装木質化した建物事例とその効果」によると、内装を木質化することにより、リラックスや癒し効果など心理面でのメリットはもちろんのこと、「感覚を刺激・リフレッシュ」させ、さらに「疲労感を緩和」してくれるなど、身体面のメリットもあるとのことです。
このような「心地良さ・落ち着き感を高める」効果により、来訪者の滞在時間を伸ばしたり、来訪者を増やしたりする効果も期待でき、従業員の「愛着心」や「モチベーション」などを高めることで、業務の効率・生産性の向上も望めます。

フィトンチッド

●木材の積極活用によるブランディング効果

木は木材になっても炭素を貯蔵しており、長期間蓄え続けることで大気中の二酸化炭素濃度が上昇するのを抑制します。施設に木材を使用することで、社会的な課題の解決に貢献しSDGs(持続可能な解発目標)の達成にもつながるでしょう。

商業施設には高性能・高機能な木質建材を

商業施設で木材利用を検討する際に気がかりなのが耐久性・メンテナンス性・不燃性などでしょう。現在は表面に天然木をあしらいながらも、土足歩行や車椅子などの使用に耐えられる耐久性・耐傷性を持った製品や、地域産材を表面材に活用できる製品など、商業施設向きの様々な高性能・高機能建材もありますので、ぜひチェックしてみてください。

商業施設で木材を利用することは、利用者に居心地の良い空間を提供できることはもちろんのこと、SDGsの観点から商業施設を運営する企業のイメージアップにもつながり、利用者のみならず運営する企業にもメリットをもたらします。これからの商業施設には、ぜひ木材の積極的な活用をご検討ください。

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